THE EPOCH TIMES

<中国高速鉄道事故>初七日に中宣部が箝口令 違反者への報復も始まる

2011年07月30日 16時21分
 【大紀元日本7月30日】少なくとも40人死亡、200人負傷の中国高速鉄道事故のニュースは30日、中国の主要メディアから姿を消した。新浪、捜狐、網易、騰訊といった4つの大手ポータルサイトは、まるで記憶喪失したかのように、この重大で、いまだ謎だらけの事故を「忘れ去った」。

 それもそのはず。29日夜、今度の事故で死亡した人々が「頭七(初七日)」を迎えるこの日に、すでに度重なる「規制」を出した中国共産党の中央宣伝部(中宣部)はとうとうメディア各社に「箝口令」を出したのだ。

 「7・23甬温線(寧波-温州間)特別重大鉄道交通事故に関する国内外の報道は錯綜しているため、各メディアは、傘下新聞やウェブサイトを含め、事故関連の報道に迅速に歯止めをかけなければならない。プラス面の報道と権威部門が発表した最新情報以外、いかなる報道もしない、いかなる評論も載せないこととする」。中宣部のこの実質上の報道禁止令は、多くのメディア関係者によって微博(中国版ツイッター)で暴露された。

 この通達を受け、メディア各社は用意していた事故特集を
予定されていた30日付の新京報(ネット写真)

急遽換えざるを得ない展開となった。「21世紀経済報道」と「中国経営報」はそれぞれ8面にわたる関連報道を撤回。北京紙・新京報はA15面の「逝く人」とA16面の「目撃:我々は生存者」などの報道を取りやめた。

 事故が起きた浙江省にある銭江晩報
空白を残した華商報(ネット写真)

は「1分間止まって」との見出しの記事を取り下げ、西安紙・華商報は空白のまま残し、「嘘を付いたら鼻が伸びる」と1行のメッセージで当局への無言の抵抗を行った。

 一方、微博上ではメディア各社の記者、編集者が悲痛の叫びをあげている。「メディア人に希望があるのか。悪魔はいつも我々の身の周りにいる」「メディアは真相に迫れば迫るほど、政治闘争に近づくことになる。堂々とやるべきことをやろう。何が怖いのか?我々も退くとなれば、誰が真相を突き止めるのか?」「今夜は眠れない。死者に祈りを捧げる」と、編集者らは微博で苦しい心の内をつぶやく。

 他の編集者はこう呼びかける。「責任者たちよ、勇気をもって良識を呼び起こそう。卑劣な行為を拒み、真相を明らかにしよう。禁止令は、突破するためにあるもので、奴隷のように従うためのものではない。縄は、ぶち破るためにあるもので手足を縛るためのものではない。今回、自分たちの足で立って伝えよう」

 新京報の編集者はこう説明する。「粘りに粘った。それでも、残ったわずかの4面も『和諧』(ここでは削除の意味)された。泣きたい。けど、どうしようもない。新京報の2000人の従業員は食っていかなければならない」

 北京のメディア関係者は、「中国のすべてのメディアは、結局は党のメディアである。すべてのメディア人は卑怯者で、我々自身(の良心)は本当の犠牲者なのだ」と綴る。

 広州紙のベテラン編集者は、「今夜、百社の新聞が口をつぐんで記事を替えた。千人の記者が記事を消された。中国では1万の魂が行き場を失い、1億の真相が闇に葬られた。この国は無数のごろつきによって辱められている」と書き込む。

 一方、当局は今回の箝口令と同時に、今までの報道規制に違反した者への報復も始めている。中国中央テレビ(CCTV)の番組「24時間」のプロデューサー王青雷氏は、番組の中で鉄道部を批判したことで停職処分を受けた。王氏は25日の番組で追突事故を特集し、先頭車両を埋めた行為に不満をこぼしていたという。

 香港を拠点とする中国メディア専門家のデイビット・バンダースキー氏はAFPに、「世間の注目がこの件から離れたら、当局は違反者を1つずつ懲らしめるだろう」と指摘した。

 CCTVの王氏は、離れる前に同僚に8文字を送ったという。「守住底線、不惧犠牲」。(モラルの)最低基準を死守し、犠牲も恐れない、という意味だ。今、この8文字がネット上で広く伝わっている。

 ネット上で広まるセリフにはこんなものもある。

 「中国そのものが雷雨の中を疾走する高速列車。あなたも私も観客ではない。我々は共に乗客なのだ」

(翻訳編集・張凛音)


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