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世界銀行のゼーリック総裁は先週、中国経済は活力を失いつつあるとの認識を示した。写真は2008年の世界経済フォーラム(ダボス会議)で発言するゼーリック総裁(Andy Mettler/Creative Commons)

中国経済、活力を失いつつある=ゼーリック世銀総裁

 【大紀元日本9月10日】世界銀行のゼーリック総裁は先週、中国経済について、これまでの30年間、中国経済は驚異的な発展を実現してきたが、目下過去の活力を失いつつあるとの認識を示した。さらなる改革が喫緊の急務であり、これまでの高度成長を維持するには、内需拡大による方向転換が必要であるとしている。

 ゼーリック総裁は今月1日から中国を公式訪問した。2007年7月世銀総裁就任以来5回目の訪中となる。訪中直前、世銀の公式サイトで中国経済についての総裁の記事を報道した。記事の中で、中国の力強い発展の原動力が失われつつあるとの認識を示した。目下の中国経済の発展モデルは早急な改革が必要であり、これまでの高度成長を維持するためには、輸出と投資に頼るばかりでなく、内需拡大を通して新たな成長バランスを取らなければならないと話している。

 また、記事では、2030年までに、中国の一人当たりのGDPが16000ドルに達することができれば、世界経済に対する影響は今日の韓国経済の15倍に上る計算である。しかし、今のような輸出と投資を主導とする経済成長方式では、将来そのような経済規模に達することは極めて困難である。根本的な変革がなければ、中国だけでなく、世界全体の経済に悪影響を与え、不均衡な状況はさらに拡大してしまうこととなると記している。

 中国経済の根本は政治に帰結する

 ゼーリック総裁の観点について、中国の著名経済学者・芧于軾氏は「賛同する」と話している。「中国経済の30年間の高度成長は、皆が見ている通りである。しかし目下中国が直面している問題については、見方がかなり異なっている。中国経済の今後の見通しは大変良いと見る人がいるが、今この観点を持つ人は段々少なくなってきている。大多数の経済学者は中国が直面する問題は深刻であるとの認識を持っている」という。

 さらに、芧氏は「中国には真実を話す環境が存在していない。経済学者は本当の問題を認識できないというわけではなく、真実を話せば大きなリスクを負わなければならないからだ。これは経済の問題だけでなく政治の問題でもある。中国経済の根本は政治に関わっている」と話している。

 中国経済の「出口」

 芧氏はさらにゼーリック総裁の観点を次のように分析している。▼環境面においては、中国のGDP成長の質の問題である。すなわち、中国のGDP成長は、環境破壊という極めて大きなリスクを払って得たものである。この種のGDPの成長は大きな質の問題が潜んでいる。▼次は経済構造上の問題である。輸出と投資に過度に依存しており、内需依存による成長がまだまだ足りない。この問題を調整するにも大きな代価を払わなければならない。▼輸出を縮小すれば、輸出関連企業の倒産や就業者数の減少が免れないので、大きなリスクとなる。これに対し内需拡大への調整も一定のリスクを伴うが、この痛みを乗り越えて初めて中国経済の「出口」が見えてくる。

(翻訳編集・林語凡)


 (11/09/10 07:23)  





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中国経済  成長モデル  内需拡大  


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