THE EPOCH TIMES

<赤龍解体記>(31)18大での争奪戦における太子党の新たな戦略

2011年09月12日 08時53分
 【大紀元日本9月12日】来年秋に行われる18大での権力交代をめぐる中共の内部闘争は、一定期間の腕比べを経て、各勢力の新たな組み合わせが次第に明確化してきている。すなわち、最終的には主に胡錦涛が率いる団派(中国共産主義青年団出身者による派閥)と太子党(中共の長老・高級幹部の子女による派閥)との勝負にかかっている。

 金持ちと官僚を憎む社会的傾向が強い中国では、太子党の名そのものに良いイメージが抱かれていないし、胡錦濤らは「党内民主」のカードをもって太子党を牽制していたため、太子党に効果的に打撃を与えていた。そして薄煕来の「唱紅打黒」運動により国民から嫌われるようになった。団派に比べ太子党は、8月に行った北戴河会議で劣勢に陥った。しかし、最新の情報によると、太子党はこの劣勢状態から挽回をはかるため奮起している。

 最近、『人民日報』は薄煕来が提出した「共同裕福論」を支援。矛先は、胡錦濤が支持し、薄煕来のライバルとされる広東省トップの汪洋に向けられているようだ。

 そして、太子党は新しい主要戦略として、薄煕来の提起した「共同裕福論」を推し進めていく方針である。つまり、この「共同裕福論」をもって草の根たちの注意をひきつけ、これまで失ってきた支持の奪還を目論んでいる。

 この戦略に基づき、習近平は最近、薄煕来の「共同裕福論」を支持すると明言しており、周永康も傍らで支えている。危篤状態と伝えられている李鵬の息子、李小鵬も意気込んで、太子党時代到来と言われる18大でしかるべき地位の獲得を狙っているらしい。

 ある太子党の秘書によると、軍隊をすでに握っている太子党にとって、草の根をひきつける「共同裕福論」というカードを上手に使えば、勝算はきわめて大きい。

 同筋によると、太子党が最も危惧するのは、胡錦濤と温家宝が突然、政治改革と党内民主を行うことである。

 北京で8月27日、100名あまりの有識者が参加して、「建国以来の党の若干の歴史問題についての決議(略称、歴史決議)」発表30周年を記念するシンポジウムが開かれた。それを受けて9月5日、「中国青年報」が「改革すればリスクが生じる。しなければ党に危険が生じる」と題する記事を掲載し、一部の学者の講演内容を紹介した。これは決して偶然で単純なものではないと思われる。

 このシンポジウムについて、習近平の秘書はかつて何も気にかけないという態度を示したが、それは太子党がこういった政治改革への危惧と嫌悪を表すものと思われる。このシンポジウムに関する情報は不適切なものとしてネットからも削除された。このような背景で、もし胡錦濤ら団派の最高責任者の同意を得られなければ、機関紙「中国青年報」があえてこのシンポジウムを大きく報道するはずはないと見られる。

 一方、胡錦濤と温家宝は、政治改革を行う意志があっても、実行する胆力と力量はないとみなされている。なぜなら、温家宝は民間で人気があっても中共の高層では孤立しているし、胡錦濤はずっと小心翼々としているので、後継者を目標の一つにする政治改革を推進するために立ち上がって果敢に戦えるとは考えられないし、彼の召喚力にも疑問があるからである。

 太子党の推し進めようとする「共同裕福論」について、温家宝の側近は次のようにコメントしている。

 中国の国民は騙されやすい。太子党は国民を落ち着かせるために、太子党出身でない億万長者らを「共同裕福」を実現する対象に選び、彼らを逮捕し裁判を行った上で、彼らの財産を没収するのであろう。これは土地改革の際に行った土地強奪政策と同様な手段である。つまり、このような挙動を以って、「腐敗を是正し、廉潔な政治を行う」わけである。これこそ、薄煕来らが唱えている「共同裕福論」の内実であろう。

 これまで腐敗是正が行われても、太子党らを対象とした事例はなかった。今後もないだろう。渤海湾での石油流出事故がきわめて深刻な事態になっているにもかかわらず何もしないという事実が、まさにその傍証となるであろう。なぜなら、この石油会社は、ある中共政治局常務委員が関わる、いわゆる家族産業だからである。

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