THE EPOCH TIMES

<赤龍解体記>(57)周永康の腹背に敵 呉邦国は和解を 上海組崩壊寸前

2012年03月19日 10時08分
 【大紀元日本3月19日】3月15日、上海組の行動派だった薄煕来が解職された後、中共内部闘争の矛先が、もう一人の上海組の重鎮、周永康に向かうようになった。薄煕来と造反を謀ったと告発された政治局常務委員だ。時局の急変に伴って、江沢民を盟主とした上海組が急速に衰え、崩壊寸前に瀕している。

 法輪功弾圧が上海組の政治任務の核心

 天安門事件での趙紫陽の失脚のおかげで、中共総書記の座についた江沢民。その後、さまざまな手段で自分の勢力を拡大し、上海組が次第に形成された。現在、上海組は主に、政治局常務委員の呉邦国、賈慶林、李長春、賀国強、周永康などから構成されていると見受けられる。

 1999年7月20日、法輪功弾圧を開始した当初、朱鎔基や李瑞環など他の政治局常務委員(全6人)はみな弾圧に反対した。しかし、党総書記の権威と党の名義で法輪功弾圧を強行した。

 江沢民の在任中でも、彼の後継者と指名された胡錦濤や次期総理になる温家宝らが法輪功弾圧には消極的であった。国際社会で法輪功から告訴された自分の安全を守るためにも、江沢民は法輪功弾圧の政策を継続していかなければならないとの立場を取った。

 上海組は実質上、他の政治的・経済的利益より、法輪功への弾圧を最大な政治課題として位置づける。このため、司法、検察、裁判所、公安、警察、治安を一括して司る中共の政法委主任が、上海組が確保しなければならない要職となった。江沢民の在任中は、上海組メンバーとされる羅幹が政法委主任を担ったが、羅幹の退職後は、同じ上海組の周永康が職務を担った。このようにして、法輪功弾圧の体制が今日まで維持されている。

 重慶事件、上海組から見捨てられる周永康

 上海組の内部では、利益をめぐってもめごとが相次いだ。賀国強が主任として司っている紀律検査委員会が、密かに周永康の不正を調査したことなどが、典型的な事例である。実際、上海組内部のもめごとや組織内の分裂が、次第に表面化するようになった。

 重慶事件で上海組の分裂が加速し、周永康が上海組の海外マスコミと見られる『明鏡ネット』などから彼の汚職や、薄煕来処分について9名常務委員の中で周永康だけが利益関係で薄煕来下しに賛成しなかったなどと暴かれた。周永康は現在、微妙な立場に立たされている。

 2月6日、王立軍が成都米領事館に駈け込み、政治亡命を求めた。次期総書記とみられている習近平国家副主席が訪米中の2月15日、米国のベテランジャーナリスト、ビール・ガーズ氏が、米官員の証言を引用し、王立軍が米国に渡した機密情報の一部として、薄煕来と周永康が習近平の次期総書記の就任を妨害する密約を交わしていた事実があったことを発表した。

 これまで、周永康は何回も重慶を訪問し、薄煕来の「唱紅打黒」運動などを全力で支持した。2010年11月12日、周は重慶を視察し、「重慶の革命の歌を歌い、経典を読む運動を、全国の司法、公安、警察、裁判所などの政法戦線に広げていく」と強調した。

 3月8日、両会開会中、周永康は重慶の代表団を訪れ、重慶の業績を褒め称えた。そして、3月9日、薄煕来は両会の記者会見で、重慶における「打黒」(暴力団取締運動)は、決して王立軍が司る警察だけではなく、検察、裁判所、司法、公安の共同作戦であり、それも政法委の指導の下で実施したと、実情を披露した。

 両会開会中、四川省代表団は、成都領事館を包囲した武装警察車両が四川省から派遣された説を否定し、外交問題にかかわるこのような重大事件では、武装警察を動かす権力は地方にはなく、中央に握られていると示唆し、問題の焦点を周永康に当てた。 

 上海組から見捨てられた薄煕来 他の上海組のメンバーも急転向

 賀国強は1999年から2002年まで、重慶市のトップの座に就いていた。賀国強と彼のライバルで現在は広東省トップの汪洋に関するスキャンダルを入手するために、薄煕来と王立軍は重慶市前司法局長の文強を調査し、殺害したと言われている。

 その見返りか、賀国強はだいぶ前から薄煕来の手先である王立軍の腐敗や職権乱用などの問題を調査し、成都領事館駆け込み事件の発生後、賀国強は関連問題で三回ほど薄煕来と面談している。

 3月の『明鏡月刊』によると、面談されたため薄煕来は自分の立場をかなり危惧していた。薄煕来は上海組から多くの罪を暴かれ、徹底的に見捨てられたという。

 中共ナンバーツーであり、上海組の重鎮とも見られる呉邦国全人代委員長も急転向し、これまでの左派的姿勢を否認し、密かに胡錦濤と温家宝に和解を求め、随時に上海組に反撃するという。

 このような一連の動向を踏まえ、中国問題の専門家たちは、法輪功弾圧という政治的目的で結集された上海組が、崩壊に瀕していると見ている。江沢民の死去に伴い、上海組も歴史的な存在となり、上海組のメンバーも歴史の裁きを受けると見られている。
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