デービッド・マタス講演記録 日本は何をなすべきか(後編)

2013年09月14日 12時10分
【大紀元日本9月14日】(本編は9月2日に東京都庁内の会議室で行われたデービッド・マタス氏の報告会の内容を、同時通訳された日本語の録音をもとに編集したものです。前編・後編に分けて掲載します)

 外からの圧力が必要

 (臓器狩りを)ストップさせるには、中国国内の力ではできません。外から圧力をかける必要があります。中国国内でアクションを起こすことができればいいのですが、この臓器狩りは、すでに巨額の利益を生んでいますので(中国に)それを止める意思があるとは考えられません。

 私の以上の話で、法輪功学習者が臓器狩りの被害に遭っていることを、皆さんに信じていただけたでしょうか。

 臓器がどこから来たものであるか、患者に説明しなければなりません。WHOに加盟している中国は、それらの臓器に関する透明性を高めなければいけないのです。また、我々のほうから臓器の出どころを問い正す必要がありますが、向こうの態度は全くの無視、沈黙状態です。

 いえ、沈黙よりもひどいですね。私は7年間、この件の調査をしていますが、中国側はさまざまなデータを改ざんしていきますし、いままであったものも「それはウソだ」と、なかったことにしてしまうのです。ホームページに何かがあると、すぐに消してしまいます。

 (スクリーンの図表を指して)これは肝臓の移植手術の統計データですが、1999年に法輪功迫害が始まってから、数値がどんどん伸びています。2005年には最大の数値になり、2007年には少し減っていますが、これらの数値は、死刑囚の数と比較しても非常に多い数になっています。

 これは、ほんの1例です。このほかにも多くの洞察できるデータがあります。ところが、私がそれに注目すると、すぐ削除されてしまうということが何回もありました。

 先ほど申しました、WHOで規定されている説明責任、透明性、追跡責任などとは全く逆のことが行われています。中国共産党は、公開すべき情報を全て遮蔽しているのです。

 何万人も殺した男

 中国で法輪功を迫害するに至った背景には、複雑なものがあります。江沢民とその一派が法輪功迫害を始めましたが、それに反対するグループもあったのです。もともと法輪功は(迫害前には)非常に人気がありました。身体にも良く、精神面にも良いということで、7千万から1億人の法輪功学習者がいました。中国では、自分の知り合いのなかには必ず法輪功学習者がいる、というくらいの人気ぶりでした。ところが中国共産党内部の権力闘争のなかで、最終的に法輪功が排除されるに至ったのです。

 昨年2月6日、薄熙来の部下だった王立軍が米領事館に逃げ込んで大きな事件になりました。薄熙来は大連市長、その後で遼寧省長だった男です。

 王立軍は当時から薄の部下で、公安関係者だったのですが、ある特殊な医療関係の研究に関心をもっていました。その研究とは、どのようにして臓器を提供するドナーを殺すか、という研究。もう一つは、その臓器を移植される患者が死なないようにするにはどうしたらよいか、という研究です。つまり、臓器を(新鮮なまま)きれいに患者に渡す方法のことです。そのための薬を開発していたのです。

 その研究成果によって、王立軍は賞を受けましたが、その表彰セレモニーで「私はこの研究のために何万人も殺しましたが、このような賞を受けられて感激しています」と述べています。

 米へ渡った秘密情報

 王立軍は(身の危険を感じて)米領事館に逃げ込んだ際に、重要な情報、つまり臓器狩りをするために法輪功学習者を殺していたという情報を米側に渡しています。その亡命未遂事件の後、102人の米議員が国務長官ヒラリー・クリントンに対し、その情報を公開するように要請しました。

 こうした出来事や情報、また私の報告書などが功を奏して、米国内では(王と薄が関わっていた)法輪功迫害や臓器狩りのことが明るみに出たのです。米国の移民法のなかで、移民希望者への必要な質問事項として「違法な臓器移植に関わったことはないか?」という質問が加わりました。

 こうして薄熙来は失脚しました。温家宝は、法輪功学習者からの臓器狩りを止めさせるとともに、薄を(政治的に)追放すれば、法輪功の問題も終わらせられると考えたのです。 

 (私がいう)これらの情報は、中国国内や政府内には法輪功に同情しこれを支持するシンパがたくさんおり、法輪功をやっている人、あるいは迫害を受けて一時的にできなくなったが以前はやっていた人がいて、そこから出てきたものです。

 先日の薄熙来裁判は薄を追放するためのものですが、法輪功迫害を罪状にするのは好ましくないという考えがあるため、「汚職」などを罪状にしているのです。

 皆さん、これらは全て中国の内部事情だと思われるかもしれませんが、非常にグローバルな意味をもっています。薄熙来が、かつて商務部長として各国を回っていたとき、行く先々の国で裁判を起こされ、非難されていました。これを温家宝は非常にまずいと思い、薄をつぶさなければならないと考えました。

 日本は何をなすべきか

 最後に、この問題について、日本(およびその他の国)は何をしなればならないかについて、お話します。

 日本は、中国共産党に対して、臓器はどこから来ているかということについて、説明責任を求めなければなりません。また臓器移植数はどのくらいか、調査者がそういった数字にアクセスできるように要請すべきです。

 日本は、中国に直接関与しなくても、独自でできることがたくさんあります。中国への臓器移植ツーリズムを禁止する、またはそれを告発できるような法律を制定する。臓器移植に関して報告制度を設ける。臓器ブローカーを告発し、刑罰を与える。

 また、日本国内の移植専門医を、中国に対しては紹介しないようにする。中国の医師が日本の病院に来て臓器移殖のトレーニングを行わないようにするのも、一つの方法です。

 さらに、臓器移植に関して悪行をなした中国人を入国させないようにする、これはすでに米国がやっています。日本も、そうすべきでしょう。

 ありがとうございました。

(編集・牧)


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