周永康について知るべき5つのこと

2015年06月13日 07時22分
【大紀元日本6月13日】天津市第一中級人民法院(地裁)は11日、汚職により共産党最高指導部の前メンバーで治安部門トップ・周永康被告(72)に対し、無期懲役、政治権利の終身剥奪、個人財産の没収の判決を言い渡した。

 調査期間はわずか一年で、中国政界の重鎮に重刑が下った。被告は上訴しない意向を示しており、刑は確定する見通しだ。周永康とはどのような人物なのか? 5つのポイントをまとめた。

 1.中国で強大な力を持つ権力者の一人だった

 2007年から周永康がトップを務めていた中国共産党中央政法委員会(中央政法委)は司法、検察、公安(警察)、情報部門などを主管する機関。一党独裁体制を敷く中国で、国内情勢の不安定要素を絶大な権力で取り締まってきた。

 民衆暴動の鎮圧、共産党の意向に沿った裁判、インターネットなどの情報検閲や封鎖、法輪功を含む思想の取り締まりも担った。

 しかし2012年2月、汚職で失脚した元重慶市党委書記(元党中央政治局員)である薄煕来服役囚の側近だった、重慶市副市長・王立軍がアメリカ亡命のため成都市同総領事館に逃げこむという騒動が発生した。

 これにより当時絶大な権力を誇っていた周永康の立場が大きく揺さぶられた。伝えられるところによると、緊密だった薄煕来とともに習近平政権の転覆を企てていたという。

 薄煕来に無期懲役の判決が下ると、取り巻きが相次いで「トラ狩り」対象となり、周永康は2013年12月頃、汚職で調査対象となり拘束されたとのうわさが立ち、公の場から姿を消すこととなる。

 2.江沢民が周永康を押し上げた

 90年前後の中国では、全国的に民主化運動の高まりを見せていた。これを鎮圧するべく、天安門事件で失脚した趙紫陽に代わって江沢民が共産党総書記に抜てきされた。

 周永康が、江蘇省出身で同郷であることや石油利権を握る石油閥幹部であったことなどで、江沢民は「お気に入りの臣下」に置き、親戚と結婚させた。一族意識の強い中国で、いかに近い関係であったかがうかがえる。

 江沢民が押し上げた周永康はついに2007年、中国政治トップ9の一人、中央政治局常務委員に選ばれ、中央政法委のトップに就いた。

 3.人権侵害の基に築いた地位

 公安部長となった周は、1999年に江沢民が指揮した拷問、強制労働を含む残虐な法輪功迫害を引き継ぎ、担当した。周はこの迫害計画の一環として、巨万の富を築く非人道的計画を敢行した。

 強制労働収容所に収容された法輪功学習者から、生きたままの状態で臓器を抜き出し軍事病院へ移植用臓器として販売した。また収容所から入手した身体に薬物を注入し、世界中を巡った「人体の不思議展」用に加工するなどして、莫大な利益を上げた。

 この通称「臓器狩り」は、前述の薄煕来とともに実行していた。薄煕来がトップを務めた遼寧省大連市には生体加工工場が置かれていた。
2011年7月18日、迫害で死亡した法輪功学習者を悼み、弾圧停止を訴えるパレード。米国ワシントンにて (大紀元)



 4.薄煕来と習近平政権転覆を企てる

 習近平政権転覆計画は、中国政界でもごく一部の人間しか認知していなかった。中国の新リーダーを決める2012年第18回党大会(国会にあたる)で、胡錦濤氏は習近平氏を選択した。同氏に対峙する江沢民派であり、指導部トップを狙う周永康と薄煕来は「打倒習近平」を図った。

 しかしこの極秘計画は、前出の王立軍のアメリカ総領事館駆け込みにより、世界的に暴露されてしまうことになる。著名な米国ジャーナリストのビル・ジェルツ(Bill Gertz)氏は、王立軍が領事館に持ち込んだ資料に習近平政権クーデター計画が含まれていたと、インターネット動画サイトYouTubeや米国中文メディア「博訊」などで明かした。

 5.周永康がいなければ立ちいかなかった中国政治

 習近平氏が中国のリーダーとして権力を掌握するためには、周永康の力を排斥しなければならないと、米在住の中国専門アナリスト横河(ヘン・ヘー)氏は分析する。

 マフィアの世界のように同族や親戚関係が権力の幅を効かせ、汚職や腐敗の著しい中国で、自らの力を発揮するためには、権力者の筆頭を失墜させる必要がある。周永康はその一人だった。異例中の異例である、政治局常務委員会の前メンバーが重罪に服するのはそのためだと横河氏は言う。

 また、権力の頂点に立つものとして「報復」を抑えるためにも、周永康および江沢民派へのトラ狩りは続くと見ている。「習近平氏が弱さを見せてしまえば、周永康に弄ばれてしまうだろう」と横河氏は付け加えた。

(翻訳編集・佐渡 道世)


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