国連報告:中国での拷問を厳しく非難、初調査でも妨害

2005年12月04日 07時00分
 【大紀元日本12月4日】中国への訪問が初めて実現した国連人権委員会拷問問題調査で、国連特使のマンフレッド・ノーワック氏(オーストリア・法学教授)は2日、中国で行われた調査について報告を行った。中国各地の刑務所や収容施設で、収容者に対して電撃、殴打、睡眠の剥奪などの「拷問」が日常的に行われていることを明かした。中国側が調査に応じたのは初めてだが、同氏は当局による調査の妨害を非難。また、法輪功への集団迫害にも言及し、その違法性を指摘した。

 国連による中国の人権状況と拷問問題について正式調査したのが今回は初めて。国連が十年間も中共当局に、報告された拷問と虐待についての調査を申し出たが、許可されなかった。

 同氏は11月21日から12月1日にかけて、中国北京や、新疆ウィグル自治区、チベット自治区など各地を調査訪問した。2日に北京で行った記者会見では、ノーワック氏は中国の拷問問題は非常に深刻で、拷問で無実な容疑者に自白を強要するケースが頻発していると厳しく批判した。同氏は、最も厳しい拷問を受けているのは反体制の人、人権活動家、法輪功学習者、地下教会のメンバー、チベットとウィグル少数民族の人々であると指摘。これらの人が当局に「破壊分子」というレッテルに貼られ、常に逮捕、投獄され、労働キャンプで「教育改造」を強いられている。

 人権団体によると、これらの団体の多くのメンバーが拷問により死亡した場合、当局は遺族に死亡の原因を自殺か自然死と知らせているという。

 一方、ノーワック氏は調査の中で、当局から妨害を受け、刑務所や収容施設を自由に訪問することができなかったことを明かした。同氏によると、中国滞在中、調査団のメンバーが24時間監視され、面会する予定の拷問被害者と親族らは、中国当局に恫喝、監視、阻止され、面会を中止するよう脅された。刑務所などの収容施設を訪問するために、事前申請や当局幹部の同行などが条件付けられ、さらにカメラとその他の電子器材の持ち込みも禁じられ、証拠収集にも応じなかったという。

 さらに、訪問時間が短かったため、「中国で行われている拷問と虐待問題の実態を完全に解明するには、限界がある」と同氏は語った。

 報告の中で、ノーワック氏は特別に法輪功メンバーらが受けた集団迫害に言及した。国際人権法では、宗教や政治異見者、道徳価値が異なる団体の行為が憎しみと暴力を扇動し、あるいは直接国家または社会の安全を脅す場合のみ、政府は彼らの活動に介入できると定められていることを説明し、中国当局による法輪功メンバーに対する集団迫害の違法性を指摘した。

 また、報告書によると、拷問方法として、長期間にわたり睡眠の剥奪や、同じ姿勢で長時間縛り付けること、高圧電気警棒による身体電撃、汚水池に長期間に放置すること、水や食事を提供しないなどさまざまな手段は挙げられている。

 同氏は「意思破壊、人格改造を目的とする拷問は組織的な非人道的な行為だ」と非難し、中国当局に労働教養制度の撤廃を求めた。

 最後に、ノーワック氏は、中国当局と協力し、拷問と虐待問題の解決に取り込むことに期待を示した。

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