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国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長(Antonio Scorza/AFP/Getty Images)

パキスタン、核兵器監視団の懸念を否定

 【大紀元日本1月10日】パキスタン政府は9日、パキスタンの核兵器がイスラム過激派の手に渡る可能性があるという国際原子力機関(IAEA)のモハメド・エルバラダイ事務局長の発言を否定した。また、米上院議員らの監視団がイスラマバードを訪れ、そうした懸念を和らげたという。ロイター通信が伝えた。

 エルバラダイ事務局長は、アラブ日刊紙「アル-ハヤト」の取材で、パキスタンの核兵器について懸念を示した。事務局長の発言は9日、パキスタンの新聞で広く報道され、米国の核専門家や政治家らの懸念を呼び、ムシャラフ政権を揺るがす政治的混乱や武力衝突に対する不安を駆り立てた。

 パキスタン外務省のモハメド・サディク報道官は、定例の記者会見で「パキスタン政府は、エルバラダイ博士の発言を否定する」とし、「根拠がなく、無責任である」発言と退けた。

 ジョセフ・リーバーマン米上院議員は、単独でイスラマバードを訪問し、戦略計画部門を率いる退役将軍カリド・キドワイ氏から概要の説明を受け、核兵器の安全保管を確信して同地を離れた。

 パキスタンは、米国主導の世界規模のテロとの戦いで主要な同盟国であるが、国内の治安が悪化し、特に、先月のブット氏暗殺後、核兵器の安全に関する懸念が国際社会から起きていた。

 エルバラダイ事務局長は「そうした混乱を心配している…30から40の核弾頭を所有するこの国に過激派政権が根を下ろす可能性があるからだ」と述べた。核弾頭の数は60という見方もある。

 懸念にもかかわらず、特に2001年9月11日の米国同時多発テロ以来、米軍とペンタゴン関係者は、パキスタンの核兵器は安全に管理されているとしている。

 サディク報道官によると、今週、米議会代表3人がパキスタンを訪問し、パキスタン軍が率いる戦略計画部門の関係者と会合を持ち、パキスタンの核兵器を監視したという。

 リーバーマン議員はイスラマバードの記者会見で、キドワイ将軍が再三保証したという。「確かに、将軍はわたしの不安を和らげてくれた」と議員は述べた。

 国土安全保障と行政問題に関する上院委員会の議長を務めるリーバーマン上院議員は、議会に将軍のメッセージを伝えると付言した。

 パキスタンの核開発計画の安全保障は、1970年代初期に始まったが、同計画の代表A.Q.カーン氏が2004年国内テレビ放送で核技術をイランやリビアに販売したことを告白した後に、国際社会から広く注目を集めた。その翌日、カーン氏は、ムシャラフ大統領から恩赦を受けた。核拡散条約違反にもかかわらず、米国はなんの制裁も課していない。

 米国は、11月に大統領選を控え、各政党の予備選挙で競争していることから、パキスタンは最新の話題となっている。

(翻訳編集・月川)

 (08/01/10 14:41)  





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