【大紀元日本11月23日】米国自動車業界はこのほど米政府に対し、公的資金注入を要請した。この議案を支持する民主党議員も遅れている議決を迫られており、米国自動車産業の前途を憂慮する一因となっている。専門家は、破産再編は米国自動車業界の唯一の道と指摘している。
*同意されない公的資金注入*
米国民主党上層部によれば、すでに自動車工業への援助議案表決は12月まで延ばされることが決定しており、デトロイトのビッグ3(大手3自動車会社、GM,フォード、クライスラー)に対し、まずこの資金を利用しどのように自動車業界を改善していくのかという具体的な対策を提出するよう要求しているという。
上院の議員らは20日、記者に対し、デトロイトのビッグ3のCEOが、議会と米国民に提出した政府緊急貸付(250億ドル)が最終的な要求だと信じさせることは不可能という意見を述べており、下院ナンシー・ペロシ議長も具体的な対策が提出されない限り、議会はこの支援に同意することは出来ないと伝えている。
また、自動車製造業の地元州からの両党議員は貸付金額を80億ドルから50億ドルに下げるという折衷案を提出しているが、このような折衷案ですら通る見込みはないと見られている。
2日間の公聴会を経て、ビッグ3のCEOは何も収獲はなかった。100年の歴史を有する米国自動車工業の前途、及び数百万の自動車製造メーカー、販売会社、部品メーカー及びそれらの従業員の行く末はまだ見えない。
米国自動車工業の大手企業であるゼネラルモータースはすでに破たん寸前であり、最高経営責任者ワゴナー氏は今年第三季の損失を42億ドルと伝えている。2004年以来、同社の損失総額は730億ドルに達しており、政府の援助がなければ会社の運転資金は今年末あるいは年明けには枯渇してしまうとのことだ。
*分析:迫られる政府の救済*
デトロイトに本部のある米非営利組織の自動車研究センター国内部門のグッドマン副主任は、歴史ある自動車工業の衰亡が米国経済において連鎖反応を引き起こすことは軽視出来ないことで、政府は一刻も早く行動を起こすべきであることを示した。
「もしゼネラルモータースが倒産したら25万人が職を失うだろう。またそれに関連する部品メーカーなどの関連産業就業者も100万人いる。この125万人の仕事のほかに170万人の就業チャンスにも影響が出るため、最終的におよそ300万人の就業リスクが発生するだろう」
また、同氏はもしゼネラルモータースなどビッグ3が緊急援助資金に頼り貸付市場危機の苦しい時期を乗り越えれば、米国自動車工業には復興の見込みが望めるだろう。さもなければ政府がこの先払う代価は250億ドルでは済まなくなるはずだとの見方をしている。
*分析:競争力のない米国自動車業界*
しかし自動車産業以外の多くの経済学者は、デトロイトのビック3には今の条件下においてどのような起死回生の復興チャンスがあるのか見つけられないという。オバマ氏シンクタンクの米国進歩センター(CAP)の上級研究員ピーター・ロスカム氏は最近ワシントンで開催されたある研究討論会で、「ゼネラルモータースが現在抱えている雇用者は13万人。49万人の退職者の年金や医療保険という重い負担を背負い、早期にすでにいかなる市場競争力も失っていた」と話している。
「デトロイトの問題は非常に分かりやすく、実は労働力コストの問題であり、歴史が残してきたものである。言いかえれば、自動車労働組合の会員であるとすれば、10年、20年或いは30年前に定年し、組合との交渉により成立した条件に従い、医療保険や年金の費用が死ぬまで支払われる。これが今のデトロイトの労働者により支払われている。日本人がいるアラバマ、ケンタッキー、テキサス、テネシー州の自動車工場ではこれらの負担はない。彼らの時間給は平均12ドルから16ドルだ。福利待遇を含めデトロイトの労働力コストは時間給60ドルから80ドルに達している」
多くの経済学者も長年の問題を解決できない米国自動車業界には、徹底的な再編による歴史が残してきた重い負担を捨て去る必要があり、現在の条件下では米国自動車業界はまるで底なしのブラックホールのようなもので、納税者の救済資金がどれほど多くても衰亡を先に延ばすだけと考えているようだ。
*分析:破産後の復興は実現するか*
米国コンサルティング会社「グローバル・インサイト」のナイジェル・ゴールト氏は、米国自動車業界の復興は恐らく最終的に破産を経なければ実現しないだろうと語った。
「ある人は、ビッグ3が破産後、完全になくなると彼らの提供していた仕事及び供給会社の仕事も完全になくなり、2度と存在しなくなると考えているがこれは非現実的だ。外国企業が一部の仕事を吸収できるし、それらはビック3の工場や従業員を使って自動車の生産を続けることができる。この過程の中で、米国の新たな自動車工業は最終的には現われ、規模は縮小されているものの効率は向上したものとなるだろう」
同氏はまた、破産保護の段階に入った会社は会社改造と再編に必要な低金利貸付を受けることが容易であり、会社が破産再編過程の中であっても一部に労働者の就業を維持することができ、その時は政府も快く介入し、自動車工業の新生を手助けするだろうと述べた。しかし、自動車工業の破産はその時期の経済に軽視できない痛手と衝撃を生みだすことから、政府の早期準備の必要性を指摘している。
(翻訳・坂本)
(08/11/23 16:34)
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