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最優先課題はデフレからの脱却、基礎的財政収支黒字化に消費税上げ不要=竹中慶大教授

 竹中平蔵慶応大学教授(前総務相)は30日、個人投資家向けのシンポジウムで講演し、マクロ経済運営の最優先課題はデフレの解消だと指摘、デフレ下では経済は拡大しない、と述べた。

 また財政の建て直しも重要課題としたが、「2010年代初頭にプライマリーバランス(基礎的財政収支)を回復させるとの第一の目標達成には、消費税上げは全く必要ないことが明らかになりつつある。安倍政権も2011年度のプライマリーバランス回復は消費税なしでやると言えばよい。そのうえで、その後の社会福祉をどうするかは考える。一歩一歩前に進めていくことが重要だ」と述べた。

 日本経済については「この4年間2%強で推移している。日本の潜在成長率は、内閣府試算では2%弱で、潜在成長力を上回る良い経済状況が続いている」と評価した。そのうえで米国の潜在成長力は3%強だとし、「(日本経済を)3%水準に上げていけるかが問われている」と強調した。

 来る参院選の争点についても「期待成長率を高める政党はどこかが問われるべきだ」と強調。年金記載漏れ問題が参院選に与える影響について「現状は間違いなく非常に大きなマイナス要因だ」と述べた。年金記載漏れ問題は年金の制度にかかわる問題ではなく、社会保険庁で生じた労働問題だが、国民感情からすれば許しがたい状況であり「残り1カ月で、国民にどこまできちんと説明できるかだ」とした。

 中期的な為替動向について竹中氏は(1)世界的な外貨準備の資産構成の変化、(2)改革実行による3%成長実現への期待──を挙げ、「これから円は高い方に振れるだろう」との見通しを示した。このうち、外貨準備の資産構成に関しては「世界的に外準の使われ方が急速に変わってきている」と指摘。世界の外貨準備の円建て資産比率は8年前の7%から、現在3%まで低下したが、日本経済の回復に伴い「円建て資産への潜在的な需要が高まる」とした。

[大阪 30日 ロイター]

 (07/07/01 11:38)  





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