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「アジアの移植事情」(第4回世界移植DAY より)を聴講して

文・微好

 【大紀元日本10月2日】9月20日、大阪国際会議場で第4回世界移植DAYが開催され、その第1セッション「アジアの移植事情」を聴講した。

 きっかけは日本移植学会のウェブサイトで中国の移植事情の発表があることを知ったことである。しかし会場で受け取ったパンフレットを見ると、他の国(韓国、タイ、ベトナム、日本)の発表は発表者の経歴と発表要旨、そして要点のスライドが掲載されていたが、中国の発表は発表者、趙明鋼氏の経歴が書かれているだけで、発表要旨さえない。

 中国衛生部所属の趙氏は臓器移植に関する数々の国際会議に出席しており、最近では「臓器取引と移植ツーリズムに関するイスタンブール宣言」を審議した際にも中国代表の一人として出席している。中国の移植事情の発表者としては申し分ない立場の人だけに、彼はもしかしたら当日まで発表内容を伏せているのかもと期待していたのだが、結局彼は現れなかった。

 中国で2000年頃から臓器移植件数が激増したことと1999年に始まった法輪功学習者への弾圧との因果関係の有無、処刑された死刑囚や、生きている法輪功学習者をわざわざ殺して臓器を取り出し売買されていることの実態、日本語の単語から名づけられたと見られるウェブサイトのURLを持つ中国の臓器移植センターなど、日本人患者にターゲットを絞った「中国で臓器移植手術」のプロモーションの実態、一ヶ月も経たないうちにドナーが見つかる臓器斡旋体制など、その他、質問したいことはたくさんあったのだが、尋ねる機会さえ与えられなかったのが残念であった。

 臓器移植においては、自国内のレシピエントに臓器を提供するドナーは自国内でまかなうことが原則とされ、そのために各国とも臓器提供者の募集を盛んに行っている。特に死者、脳死者からは心臓を含む多種類の臓器移植ができるため、臓器移植に携わる機関が「臓器提供意思表示カード」によって死後に臓器を提供する意思を表明してくれる人を盛んに募集し続けている。

 「アジアの移植事情」セッションにおいては、国ごとに異なる移植医療の現状が発表され、活発な質疑応答が行われた。ようやく法制度が整いこれから臓器移植医療を推進しようとするベトナム、移植医療の技術や設備の不足を課題に抱えるタイ、合法的臓器斡旋機関による臓器斡旋に社会の注目を集めて移植医療を発展させようとする韓国、移植医療技術は優れているがドナーが圧倒的に少ないために移植件数そのものが少ない日本と、臓器移植医療における課題のレベルはさまざまであるが、「ドナーが足りない」という点はどの国にも共通の課題であることが改めて浮き彫りとなった。それだけに、充実した臓器斡旋体制と多数の臓器提供実績を持つ中国の移植事情の発表がなされなかったのが悔やまれる。

 最後に、タイの発表者ビシスト・ディタバット氏が紹介した、タイ臓器移植センターが製作した脳死者からの臓器提供を呼びかけるCM「ICU(集中治療室)」のストーリーを紹介したい。

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 とある病院。廊下で娘を待たせて母親が医師から説明を受ける。夫が事故で脳死状態、臓器提供意思カードを持っている、臓器を待つ患者がいる、夫の臓器提供に同意してほしいと。説明を受けて妻は拒絶する。とても同意できない、血相を変えて激しく抵抗する。

 廊下にいる娘。ふと他の病室を見ると重病の夫のそばで抱き合って泣き崩れる妻と娘。

 しばらくして、廊下で待つ娘のもとに母親が戻る。肩を落としてとぼとぼ歩く母娘の横を担架で男をICUに運ぶ医師たちが通り過ぎる。そう、母親は夫の臓器提供同意書に署名したのである。

 担架を運ぶ人々の喧騒が収まった後、病室から出てきた女の子が母娘の後ろから声をかける。「ありがとうございます。」母と娘は振り向いてすこし表情を和らげ、再び家路に戻る。

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 実際にはこのストーリーのように親戚でもない他人のレシピエント(とその家族)がドナー(の遺族)に直接礼をすることはないのだが、会場の参加者の中にこのCMを見て涙を流す人もいるぐらい、インパクトのあるものであった。今まで死後の臓器提供には関心がなかったが、このCMを見て自分の死後の身体の扱いについて改めて考えさせられた。

 (08/10/02 05:26)  





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