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中印国境のタワン地区では緊張が高まっている。写真は、タワン地区で雪の中武器を運ぶインド兵(2003/10/31、STR/AFP/Getty Images)

中印国境タワン地区、緊張の焦点に

 【大紀元日本9月12日】「ニューヨークタイムズ」は4日、インドが今後数年にわたり、2師団の軍を中印の国境沿いの地区に送り込むという、アルナーチャル・プラデーシュ州シン(Singh)知事の発言を報道している。軍人総数は5万から6万人におよぶ見通しだ。昨年のチベット紛争以来、ダライ・ラマに敏感になっている中国側の国境侵犯や国境巡回などが多発しており、両国の高まる緊張を反映する動きだ。

 焦点となっているのは、チベット仏教寺院のたたずむヒマラヤ山脈東部のタワン地区で、17世紀にはダライ・ラマ6世が生誕しており、現在のダライ・ラマ14世も1959年にこの谷を通って亡命したゆかりの地だ。タワン地区があるアルナーチャル・プラデーシュ州は、南はインドアッサム州、北は中国、西はブータン、東はミャンマーと接している。アッサムのアホム王朝、英国、インド政府は一貫して、山岳部族には干渉しないという政策を取ってきており、1914年には、チベット政府とイギリス領インド帝国の間でマクマホンラインと呼ばれる国境線が取り決められた。しかし、この国境線を中国は認めておらず、1959年には中印国境紛争が勃発。中国側は、このインド北東部の土地が、歴史的にチベットの一部とされるならば、中国の統治下にあるはずだと主張している。

 中印両国はタワン地区を巡って、国際経済の舞台でも衝突している。アジア開発銀行による29億ドルのインドへの貸付を、今年6月に中国側が阻止した。6千万ドルがアルナーチャル・プラデーシュ州の洪水抑制プロジェクトに使われることに対する不服がその理由だった。中国側は「インドは貸付プロジェクトを利用して、国際社会の注目のもとで、アルナーチャル・プラデーシュ州を自分の領土に入れることを企んでいる」と分析した。結局、中国側の猛反対にもかかわらず、インドへの貸付けは承認された。

 高まる緊張の中、インド軍のある指導者は「インドの最大の脅威国は、パキスタンから中国に代わった」と身を引き締めていた。

(編集・鶴田)

 (09/09/12 05:00)  





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