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エミール・ガレ美術館

【ぶらり散歩道】--栃木篇-- ガラスの芸術 エミール・ガレ美術館

 【大紀元日本11月17日】植物学者にして、ガラス制作においても大きな功績を残したエミール・ガレの美術館が那須にある。東北自動車道の那須インターチェンジを出て右折して、広谷地交差点を右折して少し進むと、左手にスペインの建物かと見間違う瀟洒な建物がある。アールヌーボーを代表するフランス人のエミール・ガレの美術館だ。

 ガレは1846年5月4日、フランス・ナンシーの鏡ガラス工場を経営するシャルル・ガレの家庭に生まれている。ガレは当時の美術界を揺るがしたジャポニズムの先導者、また、象徴主義の原動力として、画家ギュスターブ・モローと並んで、19世紀末のフランスを代表する芸術家として高い評価を受けた。さまざまな分野で活躍したが、1904年9月23日、白血病で58歳という若さで亡くなった。いま、優美で幻想的な作品は、世界的に再評価されている。

 展示室には、南ヨーロッパ風の雰囲気の回廊がある。中庭には、「五番目の季節」と名づけられた山野草が見られる。展示室は、当時のフランス芸術、文学界の対比、対立の特徴を反映したいわれる赤色と黒色で統一されている。

 私の好きな作品は、1889年作の「ツバメたちのひそひそ話」、1887年万博出品作の高さ8cmの「エジプトの刈入れ文筒茶碗」、1890年代の「残雪に咲くエーデルワイス文水差」、1890年ごろに作られた高さ7cmの「ぶどうの葉にとまるバッタ文小壷」などの小さい作品が多いが、その中でも特別に気に入っている作品は、1892年ごろに制作された高さ10cmの「アルプスの桜草文花器」で、添えられているジョセファン・スラリーのソネットの1節もよい。

 永遠の春が、

 冬の下で、

 ひそかに準備を

 ととのえている

 展示室内には小さなライブラリーがあって、ガレの手紙や彼とガレ家の人々のアルバム、作品のためのデッサン、1900年パリ万博などの貴重な資料も展示されていて、ガレを知るうえで大いに参考になった。

 展示室の最後には、ガレの精神を支えたジャポニズムの作品と、茶器に見立てたガレの作品がある。

 ミュージアムショップ「パパの贈り物」では、初代ダニエル・スワロスキーのオリジナル作品がお手ごろな値段で買えるのは素晴らしい。また、庭から見る那須の山並みは、桜の時期に訪れると素晴らしさが倍増するので、ぜひ庭に出ることをお勧めする。もちろん、秋の風情もいい。

 ガレ美術館から那須湯元温泉は近い。温泉神社の先に千体地蔵がある。一心不乱に祈る地蔵、天に祈る地蔵など、一体一体の表情には心打つものがある。足を伸ばしても寄ってみたい場所である。

開館時間 9:00~18:00 年中無休 入館料1,000円
住所:栃木県那須郡那須町高久丙132 電話:0287-78-6030

 
千体地蔵

(江間十四子)


 (11/11/17 07:00)  





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ぶらり散歩道  栃木  エミール・ガレ美術館  


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