スライスして盗む「サラミ戦術」 中国の南シナ海防空圏計画に米高官らが批判

2014年02月17日 15時55分

【大紀元日本2月17日】米紙ワシントン・タイムズは16日、中国政府は南シナ海に防空識別圏を拡大するための法的環境作りを進めていると報じた。オバマ政府による対抗措置は「生ぬるく手遅れ」であることに懸念を示した。

 同報道は米政府の姿勢は「人を困惑させるもの」と指摘。係争海域において「中立」と「盟友を支持する」立場の間で揺れ動いていると評した。

 しかし、この姿勢は、中国が着々と防空圏拡大に向けて動いていることを受け、少し変化し始めたという。9日、米太平洋空軍のカーライル司令官は、中国が防空識別圏をフィリピンやベトナムなど南シナ海で領有権を争う南部にまで拡大する動きは「非常に挑発的だ」と批判した。

 この批判に対し、中国外交部の華春瑩報道官は「無責任な言論」だと反論するものの、「防空識別圏の設定は中国が主権国家としての合法的な権利だ」とこれまでの論調を繰り返し、防空圏拡大計画を黙認した形となった。

 11日、米海軍太平洋艦隊のハリス司令官もカーライル氏と同様な懸念を示した。中国が東シナ海に防空識別圏を設定したのは「一方的な現状変更の試みだ」と批判。中国軍について「急激に軍事力が増大」「透明性が欠如」「ますます独断的」と強い警戒を示した。

 ハリス司令官は、米海軍のイージス巡洋艦が昨年末、南シナ海の公海を航海中に中国の軍艦と接近したことを例に挙げ、「誤算につながり得る」と偶発的な軍事衝突が起きる可能性を指摘した。

 ワシントン・タイムズの同報道は米国家安全保障会議のメデイロス・アジア上級部長の話として、米政府は中国政府に、南シナ海に新たな防空識別圏を設定しないよう要請したと報じた。「(防空識別圏の設定を)挑発と安定な発展への破壊だとみなすことを、我々ははっきり伝えている。これは我々の同地域での軍部隊の配置と軍事姿勢に影響する」と軍事的対応に言及しながら、防空圏拡大反対を明言した。

 同報道はまた、米高官の話を引用し、中国が領土問題で「サラミ戦術」を駆使していると指摘した。サラミソーセージを丸ごと1本盗むとすぐ発覚するが、少しずつスライスして盗むと分かりにくい。こうして少しずつ侵食する中国の企みについて、同高官は「我々は外交辞令を述べるだけだと、同盟国における米国の信用をなくすだろう」と警告した。
 

(翻訳編集・張凛音)

 

 

 

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