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スイスにある世界最大の粒子加速器(Johannes Simon/Getty Images)

ナノテクノロジー:光が鋼体を折り曲げる=ミシガン大学の研究

 【大紀元日本4月19日】光が物質に入射する時、その物質の持つ構造の違いによって光がさまざまな角度に屈折するという現象は良く知られている。その反対作用として物質が光に照らされた時、光によって物質の構造が変えられることが、最近の研究結果により解明された。

 3月19日付けの米誌「サイエンス・デイリー」(Science Daily)によると、暗室でリボン状のカドミウムのナノ粒子が光子の照射により折れ曲がり螺旋状となることが示された。このリボンは1-4マイクロメートルで、1マイクロメートルは1ミリメートルの1000分の1。

 米国ミシガン大学の化学工学・生体工学・材料物性工学科ニコラス・コトフ(Nicholas Kotov)教授を主任研究者とするプロジェクトが解明したもので、同教授は「初めは信じられなかった。正直にいうと、分子より千倍以上も大きな堅い構造を、光子がどうやってこれほど変化させられるのかを解明するまで、3年半かかった」と語る。

 同プロジェクトは、ナノテクノロジーの世界で「超分子キラル」の粒子を生み出す意図で設定された。マイクロメートルの世界で、混合金属質にその金属の波長より短い波長の光をスペックルに照射することで、陰電気を増加させる。実験では、まず、カドミウムテルリドのナノ粒子を水溶液に浸けて照射した。24時間後に金属質はリボン状を形成し、72時間後には、螺旋状に絡み合った。その後、暗闇に置くと、螺旋はほどけ、直線のリボン状に戻った。この実験により、光子を照射することで、ナノ粒子の内部で強烈な反発作用が引き起こされ、粒子が螺旋状に折れ曲がることが裏付けられた。

 生み出された螺旋は、ナノテクノロジーでは、全く新種の形。今後、この研究結果が、光制御のMEMS(微小電気機械素子)や半導体製造の際使われるリソグラフィ、超小型集積回路のマイクロチップにも幅広く利用される可能性を秘めている。

(翻訳編集・柳小明)


 (10/04/19 05:00)  





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ナノテクノロジー  光子  ナノ粒子  反発作用  螺旋状  超分子キラル