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上海にて、米国車の広告前を過ぎ去る人(PETER PARKS/AFP/Getty Images)

「中国経済低迷はアメリカ陰謀論」 専門家は「おかしなロジック」

 【大紀元日本3月2日】中国経済学者で香港中文大学の郎咸平教授が昨年瀋陽市で講演を行った際、「中国経済は必ず破綻する。中国の国内総生産(GDP)はすでにマイナス10%に達している」と発言した。また、現在の中国経済が極めて厳しい状況にあると指摘した一方で、郎教授が講演中に口にした「アメリカ」の数は実に180回余に及び、「この中国経済の現状はアメリカの陰謀だ」と結びつけた。この発言は、国内外の経済学者に大きな反響を呼んでいる。

 中国社会科学院の左大培・研究員は今月中旬、北京林業大学で行った講演を行った。物価や、住宅価格の急上昇、また温州市の民間企業経営者が相次いで蒸発したことなどの問題を言及した上で、郎教授の「米国陰謀論」に賛同したため、この陰謀論に再び注目が集まった。

 左氏は、「中国経済の過熱が物価や住宅価格の急騰を引き起こし、また過熱を沈静化するために政府当局が打ち出した金融引締め政策で、民間企業が資金調達難に陥り、その結果経営者が相次いで蒸発した」と述べた。また、左氏は「経済の過熱を招いたのは、政府当局が2008年から2年間にわたって実施した4兆元景気刺激対策が原因だ」と指摘した。

 「少なくとも2008年末にわれわれは融資枠を年間30%と増やした。このようなバラ撒きは確かやり過ぎだ」と左氏が話し、「当時、中国が直面している状況は米国と全く違うものだった。米国では金融危機が起きていたため、経済は過熱していなかった。逆に、中国ではすでに経済が過熱していた。当時米国ではインフレが全く現れていなかったが、中国は2007年にインフレがすでに現れていた。だから、中国の状況は米国と違っていた」とし、「米国は市場を救済する必要があった。これは、その金融システム全体があの危機において崩壊してしまったからだ。中国の金融(システム)は崩壊していないのに、あのような大規模な救済対策が本当に必要だったのだろうか? したがって、私は『われわれは当時、米国人に騙されたのではないか?』という疑問を持っているのだ」と述べた。

 このようなアメリカ陰謀論に対して、米国在住の中国問題専門家・廖仕明氏は「その当時、アメリカ経済には多くの問題が現れていたし、確かに国際経済に大きなダメージを与えた。人々に非難されるのは当たり前であろう。しかし、郎教授の発言には陰謀論のロジックしかないことが問題で、おかしいと思う」と述べた。

 廖氏は「サイエンティストの間では陰謀論を目的論とし、如何に物事の関係を説明していくかの時に、この方法を使う。しかし、その論理的関係は誤っている。最も簡単な例を挙げよう。ご飯を食べるときに一つの粒の砂を噛んでしまったとしよう。お米の生産及び運送過程におけるその確率を計算すれば、何十億分の一にしかならないだろう。意図的ににそんなことを仕組むのは、ほぼ不可能な事です。しかし、陰謀論を唱える人ならご飯を食べているときに砂を噛んだのは一つの特殊かつ特別な陰謀だと考えるだろう」と指摘した。

 また、在米政治経済評論家の伍凡氏は昨年11月に中国語ラジオ「希望の声」(Sound of Hope Radio)の取材に対して、「中国の経済発展を壊しているのは国内の政治体制で、同時に各レベルの官僚が国の財と富を略奪しているからだ。現在の中国経済の状況をもたらしたのはアメリカではない」と話した。

 「(中国では)政治が経済を決定しているこの制度において、その経済は政治のために動いている。そして、政治は共産党というこの統治政権のために、あるいはこの政権を維持しているために働いている。経済はこの目的のために動いている。この経済は国民のためでもなく、国民の生活を改善するためでもない。したがって、初めからこの経済が略奪的で、自然環境を無視し破壊的で、さらに短期的なものと定められたのだ。さらに、その官僚たちは在任中に、あらゆる方法を使ってお金を搾取しようとする。このような状況で、どうして経済が発展できるのだろうか」と批判した。さらに、伍氏は「郎咸平教授の考えにとても賛成できない。郎教授は中国共産党の経済政策などの面での失敗を暴露した一方で、(郎教授は)この政権を擁護し維持させようとしている」と話した。

 郎教授のアメリカ陰謀論に関して、国内ネットユーザの間では中国政府関係者から指示されているとのうわさが広まっているという。

 (翻訳編集・張哲)


 (12/03/02 09:39)  





■キーワード
経済低迷  景気刺激対策  共産党政権  陰謀論  


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