チベット人銃殺の証拠映像が公開、覆された中国の「自衛」説

2006/10/26 08:17
 【大紀元日本10月26日】今年9月30日、中国とネパールの国境地帯で、中国国境警備隊の兵士は、チベット人グループを銃撃する事件が発生した。事件が国際社会で暴露された後、中国当局は、軍人はチベット人に攻撃され、自衛のために銃撃したと説明したが、現場を目撃した外国人が撮影した証拠のビデオ映像もこのほど公開され、当局の説明を完全に覆した。目撃者は「軍人らは、獲物を狙うハンターのようにチベット人を狙っていた」と語った。

 ルーマニアのテレビ局(Pro TV)が14 日、中国の軍人が国境を越えようとするチベット人グループに向けて銃を発射、2人が射殺された現場映像を放送した。この映像を撮影したのは、同テレビ局のカメラマン。当時、そのカメラマンは番組制作のため、銃撃現場から約1キロ離れた地点にいたという。

 一方、中国当局が発表した声明では、「軍人らはこれらのチベット人の攻撃を受け、自衛のために、銃を発射した」と説明、政府メディアの新華社は、「軍人はチベット人の国外脱出を思い留めるよう説得したが、チベット人が助言を聞かない上、軍人を攻撃した」と報じた。

 人権団体「自由チベット運動」の関係者は、「証拠ビデオの映像では、チベット人らは軍人に背を向けており、武器などをも所持していない、また、如何なる抵抗もしていなかった」と中国当局の説明を根底から反論した。

 また、CNNもこの銃殺現場の映像を放映した。中国では一部の住民と外資系企業関係者がCNNの番組を受信できるが、AFP通信の報道によれば、この映像が放映された当時、中国国内ではテレビの画面が被されていた。中国国内のメディアもこの銃殺事件について、まったく触れていないという。

 カナダにあるチベット委員会の関係者ニマトゥジェ氏は、「中国国境警備隊が海外への脱出を図るチベット人を追撃するのは、少なくとも十数年間続いた」と明らかにし、脱出に失敗し、逮捕されたチベット人が拷問で死亡したのを目撃したこともあると語った。

 今回、中国軍人がチベット人グループを銃撃する当時、多くの外国人登山者が現場を目撃した。それについて、ニマトゥジェ氏は、「中国軍人は、カメラを持っている外国人登山者が現場付近に居合わせていることを知っていた。しかし、映像を見る限り、これらの軍人はまったく躊躇することなく、堂々とチベット人に向け銃を発射した。これは本当に信じ難いことだ。これらの軍人は、チベット人の命を雑草同様に思っているのは明白だが、自分たちの殺人現場が全世界に暴露されることにも、まったく気にしていない様子だった」と無念な気持ちを語った。

 また、ニマトゥジェ氏は、チベット人は命の危険を承知しながらも、国外への脱出を試みることから、チベットにおける政治自由、宗教自由および生活状況の悲惨な現状を露呈していると説明した。

 一方、今回の銃撃事件で、約三十数人のチベット人が逮捕され、そのうち、約10人の子どもが含まれているという。

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