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人気作家でロードレーサーの韓寒さん(ネット写真)

世界ブロガー王=中国若手作家、韓寒の自由人生

 【大紀元日本2月12日】人気作家であり、プロのロードレーサーであり、歌手であり、そして、雑誌の編集長でもある。中国の若者の間で、アイドルの韓寒さん(27)を知らない人はいない。

 「アジア週刊」誌2010年第一号のカバーに、中国若手人気作家、韓寒さんの写真が飾られている。同誌で「09年度風雲人物」に選ばれた韓寒さんは、若干27歳ながら、多くの分野で豊かな才能を見せ、数多くの桂冠を博している。理性的な視点と鋭い筆致で社会の諸現象を検証、社会の不公正を批判する78通のブログ日記で06年から09年12月までで、2億9千6百万以上のアクセス数を記録、世界ブログ王の座を固めた。18歳の時に出版した初の小説は2百万部の売り上げで、文学作品としては中国でこの20年来のベストセラー。昨年12月、中国ラリー選手権の最終戦を終え、N組の年度チャンピオンを獲得した。

 なぜこの若さで13億人もいる中国で頭角を現したのか。その巨大なエネルギーの裏にあるのは、彼の自由に生きる人生の態度。

 「80後」世代のもう一面

 中国では、1980年以降に生まれた人々が「80後」と呼ばれている。代々後退していると言われている今、一人っ子として生まれ育った「80後」は、エゴイズムで社会的な責任感が薄いという共通した性格がある。そして、かれらは改革開放という時代で育ったので、親世代の生活環境とだいぶ異なっている。したがって、彼らは変わった世代というより、別種類の人間だとも言われている。

 しかし、80年代生まれの韓寒さんは、「80後」のもう一面を見せている。

 1982年9月23日上海の農家に生まれ、17歳の時、鋭く円熟した筆致で「新概念」作文コンクール一等賞を受賞した。18歳の時に書いた小説『三重の門』は203万部も売れ、20年来のベストセラー小説となっている。

 一方、期末試験で7科目も不合格であったため、留年となり、そして高校を卒業できないまま退学した。学生生活を終えた彼は、プロ作家へ転身し、あっという間に人気作家へと成長していったのである。

 「世の中には、ロジックは2種類に分けられ、1つはロジックであり、いま1つは中国のロジックだ」。このような韓寒的な警句は、彼の時事評論の主眼となる。冗談気味の口ぶりで厳粛な真理を述べ、機知に富みユーモアがあり、簡単なロジックをもって物事の荒唐無稽をとらえ、共産党社会で洗脳されている人々に、もっともだと思っていることは実はあるべきものではないと考えさせるのである。

 広州『新週刊』は2008年末に、「彼の理知的思弁は、われわれに『80後』に対して希望を持たせてくれた」と、韓寒さんは知識人としての責任を果たしたと絶賛した。『南方週末』紙は彼を「2009年代表人物」に選び、彼の評論は「時代と共振でき」、3億ほどのアクセス数の背後には「一人の真新しい人道主義者が自由的な波長を発しているのだ。もし、中国に韓寒さんのような人が多くいれば、この国はより正常になるに違いない」と評している。

 率直で異彩輝く韓寒の語録

 韓寒さんが多くの人から好かれるのは、彼が不羈(ふき)の天性によっていつも独特な視点を持っているばかりでなく、他人が言えないことを敢えて言えるからである。次は、中国のネットユーザーの間でよく伝えられている彼の語録だが、これだけでも韓寒さんの性格が明らかになるだろう。

 「潮流というものは、待つべきものであって追うべきものではない。これは、駅で列を作って汽車を待つのと同じ道理だ。そこに大人しく立っていれば、速かれ遅かれ汽車が来るはずだ。発車したばかりの汽車だったら、ぼくらはどのようにしても追いつけないのだ」

 「犯罪を除けば、この世には自分が好きなことをやる人は一人もいない」

 「街には美女が少ない。なぜなら、今の時代は、毎日ベッドに入る美女が街を行く美女より多いからだ。小奇麗な女はたいていホテルの中で立っており、美人はたいていホテルの中で寝ており、超美人はたいていホテル支配人に抱かれているのだ」

 「食べる、飲む、遊ぶ、楽しむことなら、予算などを考えなくてもいい。国民の安全にかかわるものなら、予算などはまったく考えないのだ」

 「ぼくらは、愛情で生んだ愛情が短いものだと信じて疑わない。なぜならば、愛情そのものが短いからだ。これに対し、金銭で結ばれた愛情は永遠なものだ。なぜならば、金銭が永遠なものだから」

 「ぼくはこの人生で蒲団をたたむ必要がないことをもっとも多く言ったが、しかし、反論できそうもない(布団は広げて使うものだから)と思ったこの論はもっとも早く反駁されてしまうはめとなった。わかったか。それは規則なのだ。ぼくらが悲しんでいるのは、ぼくらには規則があまりに多すぎるからだ」

 「家庭とは、まるで山のようなものだ。男女両方とも必死に山登りするが、しかし頂上にはただ一人しか立てないのだ。家を山と言うもっとも重要な理由は、『一山、二虎を容れず』だからだ。2頭の虎がいったん向かい合うと、雌雄を決する勝負は避けられないだろう。通常、男は学術以外のもの、たとえば拳などでトラブルを解決する。だから、失敗した女の背後には、たいてい成功した男がいると言うわけさ」

 「中国の文学がよくならないのは、言行ともでたらめながら道徳家の顔をしている者が、長らく評論家の座を占領しているからだ。彼らの最大の理想はおそらく、文壇を老人ホームに変えることだろう」

 韓寒現象

 実際、中国には韓寒に似ている者はもう少なくない。彼の本を買った数百万の読者の中で、彼のブログを閲覧した者の中で、韓寒さんのような若者も少なくない。彼らは新しい観点でこの社会にあるあらゆる醜悪な現象を検証し、かつ鋭い筆致で社会の不公正を批判しているのである。

 韓寒さんから人々は人間の自己実現する希望を見出し、彼の言行で多くの若者が励まされている。したがって、中国で起きている一連の事件の中で、多くの若いネットユーザーたちは韓寒さんのように、堂々として対処し、公民として責任を自ら背負うことができるようになったのである。こういった現象をあえて言うならば、「韓寒現象」と言えよう。

 勇敢な一代に祝福

 2009年11月、韓寒さんは「第4回嘉定車論壇」で「生活をより美しくさせる都市」という演題で公演を依頼されたが、彼は自ら「生活をよりだめにさせる都市」という演題で講演した。主催側は大いに驚き、慌てて公演の中継を中止した。

 彼は演説の中でこう言った。「中国の大都会とはこういうものだ。つまり、百万人の理想を殺すことによって、1人2人の億万長者を誕生させたのだ」

 今年1月、貴州省で2人の農民が警察の発砲により射殺された。この事件にネットユーザーたちははなはだ不満をもっていた。1月15日、韓寒さん主催の雑誌『独唱団』が出版された。その表紙には「襠中央有槍」(党中央には鉄砲がある)というパフォーマンスの写真を載せてあるため、中共の審査で通らなかった。しかし、韓寒さんは「自分はそれほど豊かな想像力はない」と否定した。

 
韓寒さん主催の雑誌『独唱団』創刊号の表紙。共産党の政治独裁を暗喩した疑いで当局の審査を通らなかった。(ネット写真)

高智晟、胡佳、郭泉、黄琦、譚作人そして劉暁波らの各氏はいずれも、言論によって罪を問われた。彼らのことを考えれば、物事をずばりと言う韓寒さんのことが案じられている。むろん、韓寒さんは、まだ若くて諸先輩たちの深さには達していない。しかし、彼はさらに進歩すれば、きまって中国のあらゆる問題の所在を見出すことができるに違いない。

 「80後」がいよいよ立ち上るにつれ、中国には本音を言える人がより多く増えてほしい。「80後」のみなさんに祝福する。

(翻訳編集・小林)


 (10/02/12 08:27)  





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