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中国では、ネットの書き込みを削除・追加することで、世論操作に加担するビジネスが成長(FREDERIC J. BROWN/AFP/Getty Images)

ネットマネージメント、中国で流行する新たな広告代理業

 【大紀元日本4月2日】ある日、インターネットの掲示板に、あなたにとって不利な書き込みがあったらどうすればよいだろうか。 中国ではそんな悩みを解決するネットマネージメント会社がある。ネットのマフィアと批判され、政府も取締り規制を打ち出しているが、お金さえ出せば、書き込みが消されるだけでなく、有利な書き込みもしてくれる、いわゆる「ネットサクラ」も代行し、金儲けの新しい職業として求職する人が殺到しているという。

 去年9月、有害物質メラミンの混入で乳児が死亡するなどの被害が出た「三鹿ミルク事件」の発生後、インターネットで三鹿集団を批判する書き込みが殺到した。この三鹿集団の企業宣伝をサポートする会社と思われる広告会社の提案書が、ネットに流れた。同提案書は「(中国の大手検索エンジン)百度と手を組み、世論をリードできるよう、百度に300万元(3900万円相当)を支払い、不利な情報を削除するようにはからう」との内容で、百度は一時批判の的となった。しかし、これをきっかけに、多くの会社はネットの書き込み対策の重要性に気づき、これまでベールに包まれたネットマネージメント会社は注目の的となり、怪我の功名となった。

 3月15日、中国中央テレビ局は「ネットマフィアを大暴露」という番組を放送した。番組で、記者は客を装って幾つかのネットマネージメント会社と交渉してみた。ほとんどの会社は大部分のウェブサイトと論壇の書き込みを削除することができると明言。記者が所定の料金を払った後、論壇に書き込まれた某自動車に対するクレームは、指定通りにすぐ削除された。料金は数千元から数十万元(数十万円~数百万円相当)とウェブサイトの知名度によって料金も異なる。料金の大半は「ウェブサイト担当の内部スタッフを買収する」ために使われているという。

 書き込み削除のほかに、不利な書き込みをページの最後に持っていくか、顧客の依頼通りにネットに書き込むことも常用の手口だ。依頼を受けた後、数百人または数千人の「サクラ」に事前に用意された原稿を送りつけ、各ウェブサイト、掲示板、論壇で貼り付けてもらう。彼らのほとんどはこれを副業とし、一回の書き込みで5毛(6.5円相当)の報酬をもらえるということから、「五毛党」とも揶揄されている。

 甘粛省も今年に入って、インターネットへの監視機能を強化し、正式に650人のネットコメンテーターを雇用する方針を打ち出した。これまで噂されていた「五毛党」の存在が初めて当局により認められ、インターネットユーザーから批判の声が上がっている。

 こういった書き込みへの操作は真相の隠蔽、企業のイメージアップと世論の誘導のために行われている。依頼が多いのは商品に対するクレーム、内部告発と市民の「維権抗争活動」がそのほとんどだという。

 インターネットは自由に意見を述べられるようだが、操作された「偽造された世論」を流している。知らないうちに、あなたもこの偽造された世論に騙され、間違った世論形成に加担しているかもしれない。

(翻訳編集・高遠)


 (10/04/02 06:51)  





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