汕尾虐殺事件・続報:墓の緊急移転を命じる当局 エスカレートする要求

2006年01月05日 08時57分
 【大紀元日本1月5日】2005年12月6日武装警察が発電所建設に反対する住民を大量虐殺する事件が発生した広東省汕尾市紅海湾で、その後中共政権は表向きでは遺族に補償金を支払うなど穏便な手段を使いながら、虐殺問題には今後二度と触れないなどの情報封鎖で、事態の沈静化を図ってきた。しかし、2005年12月29日現地政府は新たに公告を出し、発電所の高圧電信柱の半径50メートル以内の墓を全部移転するよう命じた。一方で村民の逮捕や、買収された村民密告者による情報収集、電話盗聴などは引き続き密かに行われ、中共政権は弾圧にはまったく手を緩めていない模様、発電所は複数の中共高官の近親が作った大儲け口である説も浮上している。

 墓の強制移転

 
現地政府の公告(大紀元)

虐殺事件の事態収拾が進められるなか、中共政権は再び強気な行動に出た。12月29日現地政府は新たに公告を出し、発電所の高圧電信柱の半径50メートル以内の墓を7日間以内にすべて移転するよう命じ、従わないものに対し墓を強制撤去すると公言した。現地関係者によれば、約90%の墓が対象になるという。 
 
農地を強制占領する高圧電信柱(大紀元)


村民の話では、死者1人に付き土葬費として政府に3万元(約日本円43万円)を支払った、さらに墓の建設費用は約1-2万元となる、しかし、現地政府は補償問題にはまったく触れていないという。発電所の建設で、農地や山林、魚介類を養殖する湖などが強制収用され、生活手段が絶たれた上、さらに高額な墓移転費用を強いられる現地村民らは怒りを隠しきれない様子だが、「虐殺事件前よりも汕尾市政府の独裁性はさらに度を増した。いまでは私たちはまな板の上の鯉である、好きなように裁かれるだけだ」と成す術がない無念さを語った。

 罠を張って村民に自首を勧める

 東2村の村民・黄賢職氏と黄賢裕氏は、現地政府の逮捕者名簿に載っているため、現地政府は親族に、「30日までに自首すれば、思想教育を受けるだけで済む、そうしなければ逮捕立件する」と説明した。そのため両氏は親族の説得に従い、28日に自首したが、即座に市公安局に逮捕され、拷問を受け、いまだに釈放されていないという。

 東2村の村民の呂木穏氏(38歳男性)も同じ手段で騙され自首したが、逮捕監禁され、「火薬を製造したと承諾すれば、すぐ釈放する」と警察に強要された。逮捕された村民らは警察に「B級犯人」と呼ばれているという。

 メディア取材

 東1村の魏旋周氏(63歳)男性は去年12月27、28日の二日間に、記者を装う公安当局関係者からの取材電話で、「自分は虐殺現場で収集した64-91-71型の殻弾頭を多く保有している、これは虐殺を証明する証拠になる」と明かしたため、29日に警察に逮捕された。

 北京から複数の記者が26日村に現れ、汕尾市政府官僚と一緒に村民の自宅を訪れ、取材したが、村民らは本音を語らず、一部の人は沈黙を保ったという。

 金で村民を密告者にする

 東3村の村民・黄有木氏は村民の支持を一身に受け、抗議活動で村民代表に選ばれた。虐殺事件以降、中共政権は3万元(日本円約43万円)の懸賞金を付け、彼の逮捕に全力を挙げている。

 そのほかにも情報を提供する村民には月500元(日本円約7千円)を支給するなどとし、そのため多くの指名手配者は密かに村に戻ったときに逮捕された。

 村民代表・呉蝦氏は、妻と離婚していたため、家に3人の幼い子供(一番上の子は12歳)を残し、逃亡生活を強いられている。息子が自爆死したと強要され、精神分裂症になった年老いた父親は、現在自宅に軟禁されているという。

 発電所建設の背後に隠れている莫大な利益関係

 中共政権は全力を挙げ、建設を強制進行している汕尾発電所には、株の10%は現地政府が所有し、広東省の省長・黄華華氏の弟や、前中国指導部高官・李鵬氏の娘などが大株主であることが最近伝えられている、発電所の総投資額は370億人民元(約5180億円)に上る。

 ある村民は「政府は金儲けのために、東洲村の人々の命なんか、眼中無しであろう。我々は希望すら持ってない。ただ、ここで起きたことを忘れないでほしい……」と語った。

(記者・高凌)


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