さらに歪む中国の経済構造

2007年05月04日 10時29分
 【大紀元日本5月4日】(RFAより転載)中国国家発展改革委(以下、発改委)が4月27日に開いた「2007年第一四半期経済運営に関する記者発表会」において、発改委経済運営局副局長・朱宏任は、今年第1四半期の国民経済資料からみて、中国の経済成長のペースが急速にすぎることは疑う余地のない事実であることを認めた。

  長年来、中国のマクロ経済政策による経済過熱の防止を強調し続けてきた朱宏任は、現在の経済状況に対するコメントとして、中国政府のマクロ政策が、予想した成果を全くあげていないと述べるとともに、中国政府は、更なる緊縮方針を取り、マクロ政策が「過熱の防止」から、「過熱の制止」に転換する必要があると述べた。

  国家統計局が公表した統計資料によると、中国の国民総生産は、数年にわたる超高度成長を基礎に急速に成長を維持している。今年第1四半期の国民総生産は、既に5兆元を超えており、前年同期比で11・1%の伸びであった。この伸びは、前年同期の伸び率を7%上回っている。また、インフレの脅威も日増しに顕在化している。今年3月における消費者物価指数は3・3%上昇し、特に、食品価格の上昇率は6・6%に達した。これらの指標は、いずれも、インフレの警戒水準として公認されている3%のインフレ率を上回っている。

 しかし、経済全体の過熱は、中国経済の一つの側面に過ぎない。更に重要なのは、中国政府の長年来の政策目標に反し、中国経済のマクロ構造に何の改善も見られないばかりか、むしろ悪化が加速しているということである。この趨勢の具体的な兆候は、中国の経済成長が輸出と投資への依存ぶりが更に深刻化していることに表れている。

 今年初め、中国政府は、貿易黒字の抑制を、年全体の重点施策の一つとして掲げた。しかし、第1四半期における輸出の伸びは27・8%となった。また、貿易黒字は464億ドルに達したが、この数字は、前年同期の貿易黒字の2倍に近い。貿易黒字の高い伸びは、外貨準備の更なる急増をもたらしている。今年3月末時点の外貨準備は、1兆2000億ドルを超えた。外貨準備の急速な累積は、中央銀行に、更に多くの人民元の市場放出を強いることになるが、これは、経済の過熱を抑制するための金融政策の効果を相当程度打ち消すことになる。また、こうした局面が、人民元切り上げの国際社会の圧力を引き続き強めていくことについては疑う余地がない。

 固定資産投資の抑制もまた、中国政府が長年来実施してきたマクロ調整の重要な目標の一つである。しかし、第1四半期における社会固定資産投資の国民総生産に占める割合は35%以上であり、前年同期比で23・7%増加した。固定資産投資の伸びには、いくつかの顕著な特徴が見られる。第一に、都市における投資の伸びが、農村における投資の伸びを大きく上回っている。第二に、不動産開発における投資の伸びが、他の投資の伸びを大きく上回っている。第三に、加工業における投資の伸びが、農業及びサービス業における投資の伸びを大きく上回っている。これは、中国の経済構造が全く改善されていないことを明らかにしている。特に、サービス業の長期にわたる停滞は、経済成長がエネルギー、資源、環境、失業などに与える負担を更に強めていくことになる。

  構造的に歪んだ中国の経済成長は、相当程度、中国のマクロ管理体制と政策の不調和がもたらしたものである。例えば、投資の伸びについて、中央の企業、及び地方政府に属する企業の伸びが極めて高く、特に、一部のエネルギー産業の投資の伸びは高く、実際のところ、国家独占企業が牽引したものである。

 また、中央銀行は、銀行の貸付を有効に抑制することが全くできていない。第1四半期における狭義の貨幣(M1)の供給量と、広義の貨幣(M2)の供給量の伸び率は、それぞれ19・8%、17・2%に達しているが、これは、中国経済が過熱を続ける重要な原因の一つとなっている。このほか、人為的な人民元安や企業の環境汚染への甘い対応は、事実上、加工業の生産コストを人為的に圧縮し、重要な生産要素の価格を歪めており、これにより、輸出と投資に対する依存度が更に高まり国民経済を悪化させているのである。
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