THE EPOCH TIMES

アモイ密輸事件主犯・頼昌星、12年ぶり北京送還 中共高層に衝撃

2011年07月25日 07時44分
 【大紀元日本7月25日】「中南海ではフリーパス」と中国共産党高層とのパイプを豪語し、12年前にカナダに逃亡した中国アモイ巨額密輸事件「遠華事件」の主犯格・頼昌星容疑者が、23日午後北京に強制送還され、逮捕された。香港メディアは、中共高層に巨大な衝撃を与えるだろうとし、「杯をあげて祝う人、寝付けず寝返りを打つ人、恐れおののく人、いずれにせよ誰一人寝られないだろう」と評している。

 新華社の報道によると、頼容疑者がカナダ警官の護送の下、現地時間22日午後バンクーバーから中国民用航空便に搭乗し、23日午後北京首都国際空港に到着した。カ中双方が引き継ぎ手続きを行った後、中国公安は頼容疑者に逮捕状を公布し、その場で逮捕したという。

 それより前の21日、頼容疑者の送還猶予の要求に対し、カナダ連邦裁判所は北京から死刑に処さないことや拷問にかけないことを承諾してもらったことなどを理由に、却下の決定を下した。

 「遠華事件」とは、96年から99年にかけて、頼容疑者を総裁とする遠華電子有限公司が、多くの中共高官に賄賂を贈って大規模密輸し、約800億元の関税を脱税した事件。当時では中共政権樹立以来最大規模とされ、300人の幹部が求刑され、21人に死刑判決が下された。事件発覚後の99年8月、頼容疑者はカナダに逃亡した。

 事件は中共高層の核心に関わる

 香港メディアの評論は、頼の事件は少なくとも3人の現職中共政治局常務委員に関わると指摘している。即ち、賈慶林全国政治協商会議主席、賀国強中央紀律検査委員会書記と習近平国家副主席である。頼容疑者も「自分が帰国したら、多くの高官が眠れないだろう」と語ったことがある。

 香港紙・アップルデイリーによると、江沢民前国家主席の側近でもある賈慶林氏は当時福建省党委書記で、本人とその妻・林幼芳氏が事件の黒幕との説がある。当時福建外国貿易グループの党委員会書記を務めた林幼芳氏は、2000年1月鳳凰衛星テレビの取材を受けた際、頼昌星のことも遠華グループのことも知らないと主張した。しかし、2006年頼容疑者が「アジアウィークリー」誌の独占インタビューを受けた際、当時賈氏の運転手を務めた丁金条氏の紹介で賈氏夫婦と知り合ったと証言した。

 また、96年~99年の間、福建省委員会副書記兼省長であった賀国強氏と、95年福建省委員会副書記兼福州市委員会書記を担当し、1999年省長を引き継いだ習近平氏にも、政治責任があるという。

 政局への影響必至

 頼容疑者は江沢民や賈慶林ら江沢民派(上海派)との関係が特に深いと言われている。

 遠華事件発覚時、時の首相・朱熔基氏が頼の逮捕を決定した時、江沢民派からの内部通信があったから、大金を持って家族ごとカナダに逃亡できたとの説がある。朱熔基氏はどれだけの代価をかけても頼を捕まえてくると強く主張したが、12年間カナダに呼びかけてもうまくいかなかった。江沢民がいろいろな手を使って邪魔していたからとの説もある。

 最近、江沢民の死亡について情報が錯綜している。実状は「脳死」に近いとも言われている。香港のアップルデイリーは、北京の消息筋の情報を引用して、胡錦涛氏は4月に江沢民の危篤状態を知った後、「すぐに外交、司法などの部門に、カナダに圧力を加え、中国側が死刑判決をしないことを承諾する条件で頼を送還させるように命じた」という。

 香港・東方日報23日の評論によると、頼昌星に握られている「遠華事件」に関する官商結託の内幕、関わっている人物の数やレベルの高さは、恐らく外部の想像を超えるだろうとし、彼の送還は必ず中共各派の権力のバランスに影響するという。来年秋に開かれる十八大の人事配置をめぐって、いま中共党内の最も主要な二大派閥、江沢民派(上海派)と胡錦涛派(共青団派)が暗闘している。江沢民という後ろ盾を失った上海派は、頼昌星の出現でさらに劣勢を強いられるに違いない。

(編集翻訳・金本)


関連キーワード
^