ローマ法王、アウシュビッツ強制収容所へ、被害者に追悼の祈り

2006年05月30日 09時55分
 【大紀元日本5月30日】ポーランド歴訪中のローマ法王・ベネディクト16世は28日、第二次世界大戦中に、ナチスによりユダヤ人が大量虐殺されたアウシュビッツ強制収容所跡を訪ね、残り少ない生存者と言葉を交わし、被害者に追悼の祈りを捧げた。

 BBCによると、法王は、かつて100万人のユダヤ人を毒殺したビルケナウ強制収容所の毒ガス室をも訪問、追悼記念儀式に参加し、4日間の訪問の中で初めて母国語であるドイツ語で祈りを捧げた。しかし、ナチスの強制収容所跡でのドイツ語使用は、物議をかもしだした。

 法王はドイツ・バイエルン州の出身、第二次世界大戦当時、ヒトラユーゲント(ナチス・ドイツ青年団)に在籍した経緯があったため、今回のナチス強制収容所跡への訪問計画は、これまで多くの非難を浴び、議論を引き起こしていた。

 しかし、法王を追跡取材するBBCの記者によると、法王はアウシュビッツの訪問の意志が堅く、更に収容所内を単身独歩し思いをめぐらせたい意向であったという。法王は、ドイツの出身者として、アウシュビッツおよびビルケナウ・死の強制収容所で話すことは、「非常に重苦しい気持ちである」と語った。また、自分が「神および人類に対して、前例のない大型犯罪行為を行った恐ろしい地で、スピーチすることは殆ど不可能である。カトリック教信者として、ドイツの教皇として、なおさら困難極まるである」と心情を語った。

 その後、法王はアウシュビッツ内で処刑されたカトリック教セント・マクシミラン・カルベ神父が監禁された牢屋を訪ねた。カルベ神父は、同囚が餓死の刑を宣告されたが、妻子がいるため神父が身代わりを上申した。しかしナチス当局は受け入れず、神父に毒薬を注射し殺害した。1982年に、故ヨハネ・パウロ2世に聖人の称号を授けられた。
カルベ神父が監禁された牢屋を訪ねるベネディクト16世(OSSERVATORE ROMANO/AFP/Getty Images)



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