【季節のテーブル】宮沢賢治「透きとほる星の夢」

2006年09月21日 08時00分
 【大紀元日本9月21日】私たちが住む惑いの星(地球)はいつかきっと、地球のいのちがシンシンと成長するためにみずから決して輝かないと決断した月の潔さと太陽の一途な希望を飲み込んで、宇宙で初めて本当に透きとほって輝く新しい太陽系の恒星になるでしょう。地球はいつかはきっと人類と共にそうならなければなりません。

 賢治の童話に「よだかの星」があります。みすぼらしい夜鷹は、太陽の果ての夜空を目指して何度もあきらめずに滑空し、とうとういつまでも輝き続ける賢治の童話世界の星となりました。1933年の9月21日、享年37歳の若さで肺病を病み満身創痍のこころを抱いて透きとほる星となった賢治の命日が近づくと、風の又三郎が子供たちの瞳に光を点じたように、賢治が残したすべての多彩な営みのお礼に、見果てぬ夢を叶えてあげたいと私はいつもそう思うのです。

 今年は宮沢賢治生誕110年に当たり、賢治が生まれた岩手県花巻市ではしめやかでメルヘンチックな星のめぐりの歌が、双子星の銀の笛に合わせて毎晩のように歌われていることでしょう。「雨ニモマケズ」の詩碑の前にたたずめば、風がセロに聞こえてくる素敵な賢治の童話や詩が語られる花巻市が、今夜も不思議そうにヒカリピカリと光っています。そして賢治はといえば、空の泉から汲んだ水で透きとほった花の香りに包まれた9月21日の風のマントをそっと羽織って、今しがた宇宙の散歩に出かけたに違いありません。

(イザヤ・パンダさん)


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