脱北者の成功率は金次第=ニューヨーク・タイムズ紙

2006年10月25日 07時52分
 【大紀元日本10月25日】近年、北朝鮮からの脱北者はますます増えているが、昔ほど危険ではなくなったという。必要な経費さえ払えば、国境を警備する兵士たちも、ブローカーに協力的だという。つまり、脱北が成功するかどうかは、全て金次第であるということだ。

 ニューヨーク・タイムズ紙(10月19日付)は、北朝鮮人のリー・チュンハクさん(19)が脱北した一部始終を報道した。リーさんは昨年3月、既に2003年に韓国へ脱出していた母親から「脱出させる」という連絡を受けた。同年6月、見知らぬ男が現れ、「母親があなたを捜している」というメッセージをリーさんに告げた。りーさんはその男と共に国境へ行き、北朝鮮の兵士に護衛されながら豆満江を渡った。川の反対側には2人の中国人が待機しており、彼らが北朝鮮の兵士に現金を渡すと、リー氏は解放されたという。

 リーさんのように、北朝鮮を脱出しようとする人は、お金を払えば簡単に脱北できるという。これは、つまり北朝鮮当局による統治能力が徐々に弱まっていることの現れであると多くの脱北者、韓国キリスト教信者およびその他の北朝鮮専門家らは話す。海外にいる北朝鮮人は複雑な密入国ルートを利用し、親族の脱北のために尽力している。彼らを客とする密入国斡旋業者は北朝鮮、韓国、中国および東南アジアに散在しているという。

 情報筋によると、約2270万人が北朝鮮という警察国家による極めて厳しい制圧を受けており、ここ10年間、多くの人々が強制労働収容所へ送り込まれる危険を冒してでも北朝鮮を脱出し続けている。韓国政府の統計によると、1953年の朝鮮戦争終結後、脱北者は8740人だったが、ここ4年間の脱北者は7000人近いという。

 一方、脱北するための費用はこれまでの最高金額が10,400米ドル(約123万円)で、偽韓国パスポート、飛行機または船による手段で数日かけて脱北し、韓国に入国するという。しかし、大多数の人は平均3,000米ドル(約357,000円)を支払い、彼らの親族が中国を経由し、東南アジアまたはモンゴルへ脱出するように取り計らうという。

 2002年に韓国ソウルへ脱出したドゥ・ソンハク氏(36)の弟は、三年前、北朝鮮の経済政策を批判した事を密告され、刑務所に送られた。ドゥ氏は今年、中国東北部に在住していた6年間に約20人を脱北させ、今年になって弟の脱北に成功した。ドゥ氏は、中韓両側の仲介人を通じて、北朝鮮人を脱北させたという。また、支払う料金は脱北者の自宅から国境までの距離によって異なるという。

 情報筋によると、韓国に在住する北朝鮮人の数が増加するにつれ、脱北者の密入国斡旋の需要も増えているという。脱北に成功した者は、韓国で借金や労働などで必要なお金を工面し、北朝鮮にいる親族の脱北を助けている。

 
(記者・華明編集)


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