過去最高ペースの外国人買いが日本株の上昇をけん引している。世界的な好景気を背景に膨張するグローバルな余剰資金は、日本の資産を買い漁るうえで現在の円安を仕込みのチャンスとみているようだ。日本も含めたアジア投資拡大の拠点として香港、シンガポールなどに事務所を移す海外機関投資家も多い。
今後はアジアを経由した海外資金の流入が加速するとの見方が出ている。
日経平均が1万8000円を回復する過程で、ほぼ一手買いともいえる強気姿勢を示したのが外国人投資家だ。「国内の金融法人、機関投資家は4月から始まる新年度の運用計画を策定している段階。呆気にとられているうちに株高が進んだ」(大手証券)という。
東証発表ベースの外国人による株式売買状況は、昨年12月と1月の2カ月間で約3兆円の買い越しとなったが、2月に入っても第1週が3693億円、第2週が5189億円の買い越しと過去最高ペースの買いが続いている。日銀の利上げ決定で目先の不透明要因がなくなったことから、足元では買い越し額がさらに膨らんでいるとの見方もある。
23日の東京株式市場では、朝方から鉄鋼、商社、造船などに欧州系から350億円規模、コア銘柄には米系から250億円規模の買いが入ったとの観測が出ていた。「週内は中国市場が旧正月で休場のため、アジア向けの運用資金が通常より多く日本に流れている」(大手証券マーケティング担当)との指摘も出ている。
外国人による日本株買いが衰えない理由について、コメルツ投信投資顧問の山本平社長は、「海外の他市場と比べた割安感がいまだに払しょくされていないため」とみている。
2006年の世界株式市場が欧米から中南米、アジアの途上国まで軒並み新高値を更新したのに対し、TOPIXの上昇率はわずか2%にとどまった。「海外勢からみれば相対的な出遅れ物色の一環。利上げイベント通過で阻害要因は見当たらない。例年1―3月に集中する外国人買いだが今年は4―6月まで続く勢いだ」という。
円安が続けば為替での差損が生じるが、米商品先物取引委員会(CFTC)が発表している投機筋の円売りポジションが過去最大まで積み上がっている中で、「海外勢は今後も一本調子の円安が続くとはみていないだろう。逆に円安に振れている現状を割安に仕込むチャンスととらえている」(コスモ証券エクイティ部副部長の中島肇氏)。割安なM&Aの対象として日本株を買い、割安な不動産を仕込む感覚でリートを買っているとの見方だ。円高に反転すれば、為替とキャピタルゲインの両方でうまみのある投資となる。
今後の外国人動向を占う上で見逃せないのは、アジアからの資金流入だ。東証発表の海外投資家地域別売買状況によると、昨年12月はアジアが北米に次いで第2位、今年1月はアジアが欧州に次いで2位となったが、12月―1月の合算では、アジアが9227億円の買い越しで、9149億円を買い越した北米を抜いてトップとなる。
ただアジアからの資金流入といっても、その実態は不透明な部分が多い。大和総研オルタナティブ投資調査室長の取越達哉氏は「欧米金融機関がアジア運用の拠点を香港に移す動きが続いている。アジア市場重視の現れであり、今後日本を含めたアジア株投資が拡大する前兆とみることもできる」と話す。
母国株高でリスク許容度が増している欧米投資家は、運用対象としてのアジアのウエートを高める傾向にある。また、「中国の新興富裕層などが香港経由で日本株などに投資しているケースも考えられる」という。
アジアでの運用拠点拡大は香港だけではない。「M&Aに絡む投資ファンドについては、シンガポールが受け入れを歓迎している。昨年は村上ファンドの問題でつまずいた感もあったが、今年はアジア経由でM&A絡みの資金流入が加速する可能性もある」(コメルツ投信投資顧問の山本平社長)との指摘も出ている。
[東京 23日 ロイター]
(07/02/23 17:15)
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