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北京五輪メインスタジアム「鳥の巣」(Getty images)

「鳥の巣」漏水 専門家が設計ミスを指摘

 【大紀元日本4月25日】建造費36億元を超える北京五輪のメインスタジアム「鳥の巣」が何と風雨の検査試験に耐えきれず、漏水箇所が多数発見されたという。当局が漏水原因を追究したところ初歩的な段階でクリアしていない設計問題があったうえ、工事の質も基準値に達していなかったことが明らかになった。ある北京の専門家は「鳥の巣」の屋根は設計ミスであり、「これは世界で最も愚かで、最も高価な、最もいいかげんな屋根だ」と指摘している。

 *不十分な溶接のため、膨張収縮で漏水

 先週土曜から、北京では春雨が降り続いていた。鳥の巣は一度の春雨の来襲にも耐えられなかったようだ。4月18日に鳥の巣で最初に行われたマラソンの後、多くの箇所で漏水が発見された。国家体育館運行団隊メディア副主任の陳樹勛氏は、観客席部分は通路で、また、観客席下の多目的ルームで、いずれも漏水が発生していると伝えた。

 陳氏は、すでに北京五輪委員会にはこの問題を報告しており、現在関連方面が漏水の原因調査を行っているが、しばらく解決できない可能性があると話す。「例えば溶接がしっかりできていないことや、或いは設計上の欠陥などがある。このほかにも「鳥の巣」は鋼とコンクリートの混合結合で、温度による膨張収縮の度合がさまざまなのでおそらくこれが原因だろう」

 この他「鳥の巣」には新しい工夫を凝らした出入口が別の2つドアのトイレが造られており批判を受けている。ある香港と台湾の記者が、一人の観客も出口と決められている方のドアを使用していないことを発見した。当局は1つのドアに変えるか、或いはトイレ内に標識を増やすと話している。

 *コスト節約 「上蓋」の設計に欠陥

 漏水以外にもコスト節約のため、上から蓋を被せるように設計されている「鳥の巣」は雨天でその弱点を暴露された。前日の試合が行われた期間、大雨が観客席に吹きつけた。幸運なことに当日の観客席は空席が多く、前列の観客は後の列に移動することができたので濡れることは免れたようだ。陳氏はこの問題には解決する方法がなく、なぜなら「鳥の巣」にはトップカバーがなく、いったん雨が降ると前列で観戦する人々は雨に濡れる事は避けられない。スタジアム側は観客のためにレインコートを準備することしかできないと冷静に答えた。

 *安全検査は空港より厳しく、警報ブザーはファスナーでも反応

 もう一つ指摘されているのは安全検査だ。安全検査の入口は「鳥の巣」から非常に遠く、検査を通過してもスタジアムまで20分も歩かなければならないことが指摘されている。また、この安全検査は空港よりも厳しく、警報ブザーが過敏で、イヤリング、ファスナー程度のものでも通らないそうだ。

 このほか、ある競歩予選に参加した選手が場外の競技用コースが非常に硬いということを指摘している。政府職員は、当時はスタジアム裏側まで撮影できるようにTV中継だけを考慮していた、今後の研究で改善されるだろうと釈明している。

 「鳥の巣」に対し質疑態度をとり続ける北京清華大学建築系教授の彭培根氏は香港メディアの取材を受けた際、「鳥の巣が漏水するのは当然だ。当局が建造した鳥の巣は彫塑のような形式美であり、防水シートを使用せず、ただ2400片の独立した屋根を造り、それぞれの排水系統が水を集中して下水道に流す。このような方法では必然的に漏水するだろう」と話し、また「鳥の巣」は使用一年後に「毎日屋根の修理している様子を見ることになるだろう」と予言している。

 先日、政協委員であり清華大学美術学院の李燕教授は怒りをあらわに「鳥の巣」は「鉄くずの塊」と非難した。教授の話では「鳥の巣」の造形は巨大なコイルのようなもので、数万の観客がその電磁輻射を受けることになる。さらに鋼の梁の部分は溶接部分が多く、将来的に腐食を避けるのが難しく、安全面での不安が存在していることは間違いないと説明した。

 *事故頻発、多くの作業員が死亡

 外部メディアによれば、鳥の巣の工事期間中は事故が多発し、竣工期日が何度も遅れたという。さらにある情報では意外なことに北京当局は建設期間中に多くの作業員が死亡したことを隠しており、政府職員はその後圧力をかけられてから事実と認めたという。

 英タイムズ紙では、北京は故意に北京五輪メインスタジアムである「鳥の巣」の施工過程で起きた事故の死傷者について隠していると伝え、少なくとも10人の作業員が工事現場で死亡していると指摘した。目撃者は、現場の高いところから作業員が落ちて死ぬのを目にしたと話しているという。この情報が伝えられ、北京当局は2件の事故があり作業員2人が死亡したことをやっと認めたという。

 このほか北京五輪委員会が先月内外記者数10人を連れ、工事現場見学を行った際、金網越しにある出稼ぎ労働者がメディアに、給料が遅滞し、家族全員が苦しい生活で、何度も追及したが相手にされず、仕方なく工事を停止して抗議したと訴えたという。

 「鳥の巣」の投資予算は30億元以上であったが、実際は36億元を超えており、4万2000トンの鋼材が使用された。建築工程は2003年から今年3月までの4年4ヶ月。トップカバー有りから無しに変更され、建造費及び完工日が何度も変更された。

 
(翻訳・坂本)


 (08/04/25 11:50)  





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