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資金チェーンの断裂、広がる中国民間企業の倒産ブーム

 【大紀元日本8月20日】経済学者の伍凡氏はこのほど、国際ラジオ局「希望之声」の番組「伍凡評論」で、「オリンピック前後における資金チェーンの断裂、広がる民間企業倒産ブーム」について語った。放送内容は次の通り。

 伍凡:みなさん、こんにちは。「伍凡評論」の時間です。当評論は本日で第91回目となりますが、本日お話するテーマは、「オリンピック前後における資金チェーンの断裂、広がる民間企業倒産ブーム」です。

 今年における中国経済発展の新たな現象、新たな特徴として、中小の民間企業が遍く倒産しています。これは、資金源がないために倒産せざるを得なくなっているのです。その結果、中国のGDPが下落し、失業者が増加しています。ここで問題になるのは、なぜこのような現象が発生し、30年来の中国経済の改革・開放において非常に突出した現象となっているのか、ということです。

 こうした資金は、中国国有銀行からもたらされてきたものです。近年、中国においてインフレ、中国の経済学者が言うところの“流動性の増大”が発生しており、市場には多くの流動資金が存在しています。この過剰となった資金がインフレをもたらしています。そして、インフレがもたらした結果が、まさに普遍的な物価上昇です。中共はこれを非常に怖れています。なぜなら、物価の上昇は、社会の動乱をもたらすからです。

  このため、昨年10月、中央経済工作会議が一つの決定を下しました。それは、金融の引き締めです。銀行から外部に流れる貸付資金が引き締められたことにより、株式市場、不動産市場や、民間企業が必要とする資金が、08年から大幅に減少しています。同時に、「経済過熱の防止」と称するもう一つの政策を打ち出しています。この2つの政策を組み合わせ、インフレの防止、経済過熱の防止を図るため、貨幣の流通量を減少させ、物価を下げようというのが当時の政策でした。

 しかし、執行後半年を経過して、マイナスの効果が表れています。そのマイナスの効果とは、資金チェーンの断裂です。民間企業が資金面でのバックアップが得られず、多くの企業が倒産しています。浙江省だけでも、200万の民間企業が倒産しており、彼らは生存の危機に立たされています。この現象は全国に蔓延しつつあり、小事では済まされない経済現象です。

 では、資金チェーンの断裂とは何のことでしょうか?私は、過去の当番組や、新唐人テレビにおける草庵居士との番組「独立評論」において、この問題について数多く論じてきましたし、中国において資金チェーンが断裂する可能性が存在することを予想してきました。そして、実際にこの現象が発生したのです。

 資金チェーンについて申し上げますと、一つの社会における経済生活及び人民の生活において、大量の資金の流通が必要となります。そして、この資金は様々な経済活動を媒介しており、その価値・冨は、この資金において体現されます。

 資金が流通することによって、社会ははじめて活路を得ることができ、また、経済の発展、運営が可能となります。人の身体において、血管の血液が流通を停止すればその人は死んでしまうのと同様に、経済のチェーンが一旦断裂すれば、社会における経済活動及び人々の生活は大きな影響を受け、ひいては社会の発展が停滞し、一部産業が倒産に見舞われることになります。

 では、何が資金のチェーンなのでしょうか。資金チェーンの源泉は銀行です。銀行による貨幣や小切手の発行、振替を通じ、資金は社会の各階層に流通していきます。そして、この資金は最終的に銀行に戻ります。こうした一連の流れが一つのチェーンを形成しています。

 チェーンの各環節部分を断裂することはできません。A銀行からB銀行、B銀行から企業に流れた資金は、その後、企業において賃金の支払い、生産資源の購入、生産物の供給に向けられ、最終的には再び資金に変化し、銀行に戻ります。こうした環節のどの一部も中断することはできません。仮に中断された場合、中断された部分以降のプロセスにおいて重大な問題が発生し、生産が停止したり、人々の生活に影響が及んだりすることになるからです。

 いま、この資金チェーンのどの部分に断裂が発生しているのでしょうか。それは、中国沿海地区の、相当に発展している民間企業においてです。その原因は何でしょうか。中共当局がインフレの防止、経済過熱の防止のための政策を採用したため、膨大な資金が銀行の預金準備となったからです。預金準備率は17・5%にまで上昇しています。すなわち、1兆元の資金のうち、1千750億元が銀行の中で凍結され、中国国内の社会に流れていかなくなっているのです。

 資金が減少した後、外部への貸出が減少しますが、まずどの部分が減少するのでしょうか。民間企業への資金です。国有企業に対する資金はどうなのでしょうか。減少することはありません。国有企業向け貸し出しは減少するどころか、かえってその補助を増加させています。例えば、中国石油化学工業集団(中石化)、中国石油天然気集団公司(中石油)はかつて巨大な国有企業であり、国家の資金を大量に持ち出して民営企業に転換されていますが、管理は太子党の人々や官員によって行われており、経営上損失が発生すれば、これを国家が補助します。1年で数百億元の補助が彼らに与えられており、彼らは生存を維持しています。その一方で、民間企業には同じような補助が与えられず、これに対する貸付けが大幅に減少しているのです。

 では、民間企業は、中国経済においてどのような位置を占めているのでしょうか。中国国務院発改委中小企業司の数字によると、05年において、中国の中小企業の数が、全国企業の総数の99%以上を占めています。99%以上が民間企業で、国有企業はわずか1%に満たないのです。しかし、銀行の貸出先に占める国有企業の割合は75%で、中小企業に提供される資金は25%です。現在、この割合をさらに減少させようとしています。したがって、国有企業が生き残ることはできても、民間企業にはできません。

 民間企業は、中国の国内の生産額の60%以上を創造しています。すなわち、毎年のGDPの60%は民間の中小企業が創造しているのです。また、中小企業が吸収する就業人口は、70%以上、ひいては75%にもなります。3/4の就業人口が、民間の中小企業が提供する就業機会に依拠しているのです。

 これとは逆に、国有企業は、銀行の貸出資金の多くを占有する一方で、わずか25%の就業機会しか提供しません。これは非常にバランスを欠いています。こうした国有企業重視・民間企業の軽視は、共産党が1949年以来一貫して採用してきた政策です。毛沢東時代に至っては、民間企業を消滅させようとさえしていました。

 改革開放が始まって30年来、民間企業の発展が奨励されてきました。奨励とは、今やあなたがたが活動をしても、私たちは逮捕しませんし、資産階級の尻尾と見なして、弾圧しませんので、自由に発展してよい、ということです。しかし、多くのメリットを与えるわけではないですし、便利を提供することはありません。これが、共産党の一貫した政策でした。

 民間企業は、生存のために何をしたのでしょうか。資金の来源をどこに求めたのでしょうか。当初は、家庭で夫婦が負担しました。夫婦で退職金や貯蓄した賃金を原資とし、小さな露店を置いてゆっくりと起業していきました。これが一つのパターンです。もう一つが、請負です。請負で原資を稼ぎ、これを元手にゆっくりと企業を発展させていくパターンです。もう一つは、家族的なもので、兄弟・姉妹で協力して発展させていくパターンです。

 中国国内において、こうした状況は相当普遍的でした。しかし、彼らの資金は、自分の持出です。銀行からの借り入れや、国家の補助には依拠しておらず、こうした部分の割合が相当に少なくなっています。共産党が、経済を発展させるために投資した資金の大部分は国有企業に充てられはした。こうした状況にあって発展を求めるため、民間企業は、当初は自ら資金を準備し、後に民間の信用システムを自発的に構築しました。

 この民間信用システムは、特に浙江省、江蘇省、広東省一帯において普遍的なものとなりました。はじめに会を組織しました。規模は50人で、毎月一人が一定のお金を拠出して、一つの会を組織しました。この会から、相当に高い利子を負担して資金を調達し、投資を行います。この仕組みが20年余り維持され、システムは次第に大きくなり、民間企業を支えてきました。

 一方、中共の官僚、特に地方官僚、地方銀行系の官僚と言うべきでしょうが、彼らは、民間信用システムに旨みを見出しました。利息が国有企業に貸すよりも高く、大部分の利息は15%、中には30%というものもありました。

 すなわち、皆さんが100元を借りた場合、年末には15元、場合によっては30元余分に返済しなければならないのです。

 民間企業は、資金がなければ発展しません。したがって、この民間信用システムに救いを求めるしかありませんでした。そして、このシステムが立ち上がって安定すると、中共の地方銀行系は、この旨みのある肉を発見します。彼らは陰に陽に参入し、国家資金の一部を高利で民間信用システムに貸し出し、この資金を民間信用システムが民間企業に貸し出すようにしました。

 この信用システムには2つの特徴があります。第一に、彼らは、人間関係を重視しており、個人の関係を信頼します。審査の手段は非常に簡単です。工場、企業の事業を一つの担保にしますが、必ずしも抵当権の設定はしません。これらが実際に存在することを確認できればお金は貸しますが、お金は短期で返済させます。

 貸し出した資金の大部分は高速で回転します。そうすると、信用システムの利潤は相当に高くなります。このため、場合によっては多くの人が儲かることになります。また、一部の資金を民間信用システムに投入することで、銀行の収益の補助にもなっていました。

 こうして、中国金融システムに2つの体系が形成されました。一つは国家国有銀行の体系です。中国人民銀行、中国銀行、中国工商銀行、建設銀行などで、これらは、一般大衆、商工業を営む企業に対するものであり、国家財政によるバックアップがありました。もう一つが、民間信用システムの体系です。特に、江南一帯は、民間企業が相当に発達した地区ですが、公にされない信用システムが存在しています。後期になると、国有銀行の一部がこれに参画し、中国の改革開放、民間の中小企業の発展を支えました。

 しかし、昨年あるいは数年前になると、中国のインフレが急激に加速しました。中共当局は、インフレを抑制するために、銀行システムにある資金を回収し、預金準備金に集め、外部に流出しないようにしています。他方で、中共当局は、国有銀行の資金を外に持ち出し、国外で投資するようにしています。

 中共当局は、昨年下半期において、“大陸ファンド”と呼ばれるものを成立させ、香港の金融市場や欧米の金融市場に投資するとしました。その目的は、第一が、準備金の移転で、第二が、聞こえのいい文句ですが、国内における資金流通を抑制し、国内のインフレを抑えることです。

 こうして、国有銀行系統から民間信用システムに流入する資金が減少しました。また、民間信用システムが国有銀行から資金を融通する可能性も減少しました。結果として、民間信用システム内の資金が減少し、同時に利息が急激に増加し、6割になるものもありました。6割とはどのようなものでしょうか。皆さんが私から、1年を期限に100元を借りたとすると、年末には160元を返済しなくてはならないのです。これでは、毒を飲んで喉を潤すようなものです。

 しかし、民間の資金がなければ、民間企業に生存する術はありません。このために、中国の民間企業、中小企業は、資金面で極めて大きな困難に直面していますし、昨年から今年はじめにかけて、多くの工場、企業が倒産しているのです。

 この現象は、発生後にブームのような状況になりました。私は先ほど、浙江省において200万の家族企業、中小企業が、資金調達ができないで倒産している、あるいは非常に困難な状態にあり、閉鎖の準備をしているとお話しましたが、このブームはいま全体へと拡大しています。

 

 この段階になって、中共中央は慌てました。彼らは温家宝、習近平、李克強、王岐山を長江以南、江蘇省、浙江省、広東省に派遣し、この資金チェーン断裂の現象を調査しました。そして現在、マクロ政策に調整を加えるとの噂を流しています。どこまで調整するのでしょうか。インフレを防止するとともに、経済の低迷を防止する範囲においてです。

 彼らは、“十上八下”という新たなスローガンを提起しました。これは、GDPが10%未満であってはならず、CPIも8%を超えてはならないという意味です。

 その理由は何でしょうか。今年6月、国家統計局は中国GDPの発展に関する報告を発表しましたが、今年6月におけるGDPの伸びは、前年同期比で2%低下しました。数字は12・2%から10・2%となりましたが、下落の趨勢が強まっており、今年下半期には、GDPの伸びが10%を切る可能性が高くなっています。こうした事態が発生すると、中共にとって、極めて面倒なことになります。

 どこが面倒なのでしょうか。労働者の失業が増加し、工場が倒産し、資金の流通が減少すれば、全体的な経済活動も減少し、購買力が低下します。労働者の収入がなくなり、購買力が低下すれば、どうやって十分な消費ができるというのでしょうか。こうして、不動産市場の低迷、株式市場の低迷という一連の事態が発生していったのです。

 その結果、中共中央は、急遽全国各地を調査し、この問題をどう解決すべきかを検討したのです。今までのところ、先ほどのような噂を流しただけです。7月から8月において中央経済工作会議を開催し、緊急でマクロ政策の調整を行うこととしています。しかし、再調整までには時間差があり、この間に倒産する者、経営を続行できない者が続発するでしょう。

 なぜ、経営を続けることができないのでしょうか。お金を借りられても、お金を稼ぐことができるとは限りません。なぜなら、過去にはないいくつかの要素が現在発生しているからです。それはどんな要素でしょうか。

 第一に、中国の輸出量が減少しています。その原因は、米国のサブプライム問題です。これに加えて、ファニーメイ、フレディマックの住宅向け融資に大きな穴が空いてきています。この2つの出来事は1年のうちに発生したことですが、米国の金融システムに問題が発生し、米国の輸入量が大幅に減少しています。広東から米国への輸出量は既に25%~50%減少しています。これだけ輸出量が減れば、民間企業が契約をとることはできません。したがって、今100万元を借りることができ、生産を続けることができても、契約がとれず、買い手がつかないので、生産の再開には非常に大きな疑問符が付きます。これが第一の問題です。

 第二に、エネルギー、鋼材、労働力のコストが増加しています。民間企業が負担すべきコストの増加は、非常に大きな困難をもたらしており、利幅を非常に薄くしています。

 第三に、市場競争圧力が非常に大きくなっています。価格に占める利潤の割合がインフレに見合ったものにならず、インフレが亢進を続けています。その理由は、中国人民元が国外で上昇しており、輸出価格が高くなっているからです。これによって、競争力が低下しています。

 こうした要因から、中国民間企業の経営環境が、数年前のそれに及ばないものになっています。だから、広東東莞において、香港・台湾・マカオの中小企業十万社が相次いで閉鎖され、中国大陸市場から撤退しているのです。一部分は北方に移転していますが、移転してみて条件が非常に良くないことが分かります。土地は少々安いでしょうが、労働力価格、資源、物価が高いために持ち堪えることができなくなり、やがて彼らも倒産していくのです。

 この現象は、広東から始まって浙江省、湖南省に広がり、現在では江蘇省にも及んでいます。これらは、中国で最も豊かな地区であり、民間企業が最も発達していますが、企業が相次いで市場から撤退しており、倒産するか、死を待つかの状態になっています。

 この現象に対し、中共はどんな対策をとったのでしょうか。中共は、現在金融を緩和しようとしています。すなわち、一部の資金を市場、民間企業に投入させようとしています。しかし、先ほど私がお話したように、大きな環境が変わっており、また事業を行おうという人々がいないのです。物事は往々にしてそうですが、行き過ぎたことをしてしまった結果、振り返った時には条件が変わっていたのです。

 私たちは、こうした事態の発生に根本的な原因はないと考えますが、深遠な根源があると言うべきです。その根源とは、中国共産党政権の経済発展に対する対応です。彼らは、国有企業を重視し、民間企業を軽視しました。中央を重視し、地方を軽視しました。大型企業を重視し、中小企業を軽視しました。権利の一部を地方に移譲はしましたが、こうした大型企業は、依然として中央によって管理され、中国国内の大部分の資源、資金を占有しています。その上、経営効率が非常に悪く、収入が支出に見合っていません。

 加えて、もう一つの道を歩もうとしています。それは、世界規模での巨大企業の地位を懸命に獲得しようとしていることです。これは、韓国が歩んだ経済発展の道です。韓国は、重工業、大型企業、化学工業を発展させ、世界における地位を築いています。

 台湾は別の道を歩んでいます。台湾の道とは、民間の中小企業を重視することです。台湾においては、国有企業、大型企業が相対的に少なく、中小企業が普遍的です。以上の2つの発展の道について、民衆、民間企業にとって相当に有利であり、民を富ませるのは、台湾が歩む道であると言ってよいでしょう。

 私は、16年前の1992年に、台湾のシンポジウム“中華民国中小企業発展シンポジウム”に参加しました。当時、私たち海外民主運動家も3つの代表団を派遣しました。その一つが民連代表団で、私が団長でした。ほかは、民陣代表団、学自連で、大体5、60人が参加しました。

 当時、台湾で最も有名な経済政策担当者であった李国鼎氏が私たちに報告をして下さいました。その内容は、彼が、いかにして台湾全体の経済を発展させたか、民間の中小企業を如何に重視したか・・・彼らを助け、いかに台湾経済を推進させていったかについてです。台湾国民党は、台湾の民間企業、中小企業に対する資金の貸与、土地の譲渡、輸出ルートの確保など様々な面で民間企業を支援しましたが、これは中国共産党にはできなかったことです。これは、私にとって非常に思い出に残るシンポジウムであり、たくさんのアイディアを得ることができました。

 中国共産党はこの道を歩んでいません。中国共産党が歩むのは、大型の、航空母艦のような覇権型国有企業を懸命に発展させる道です。国家の資金を持ち出し、太子党、官僚によってコントロールさせています。代表取締役、CEOに名を変えても、彼らはやはり官僚です。この道を歩めば、中国国民経済、特に中国の民衆にとっての利益は非常に少なくなります。

 なぜ利益が少なくなるのでしょうか?中石化、中石油、華能といった中国の巨大・覇権型国有企業が稼いだお金は国庫には納められません。彼らは税金を支払うだけです。国家が出資しているのに、稼いだお金を国庫に全く納めないことがありうるのでしょうか?では、中国財政部の主な収入源は誰なのでしょうか。それは、民間の中小企業です。他方で、国有企業が一旦損失を出せば、財政部はこれを補填します。中共が歩むのはこのような道なのです。

 これとは反対に、台湾は、発展を中小企業に依拠しています。中小企業には大きな柔軟性、機動性、創造性があり、中国のように古い規定に縛られることはありません。設立が容易で、資金量は決して大きくありませんが、リターンが非常に大きくなっています。だから、台湾がこれだけ多くの新発明をし、全世界で彼らの製品が販売されており、これに中小企業が大きな役割を果たしているのです。

 一方、中国において中小企業が不足し、こうした創造性、柔軟性が不足しているのはなぜでしょうか?彼らには開発資金がなく、運転資金、古い製品を生産する資金、外国の知的財産権を買い取る資金しかありません。中共がこうした道を歩む中にあって困難に遭遇した時、犠牲になるのは誰なのでしょうか?まず犠牲になるのは民間企業です。その一方で、国有企業、太子党の利益は保護されるのです。

 太子党の人々は、金融、エネルギー、交通、保険、輸出入、土地開発、外資導入を含む、中国の主要国有企業の主要な地位を掌握しています。これらの部門が中国国民経済の主要な方向性を決定することになりますが、その方向性は誰にコントロールされているのでしょうか。太子党です。また、国務院が経済政策、金融政策を策定する際、まず考慮に入れるのはこうした人々の利益であり、民間企業の利益は考えないのです。

 資金が収縮する際に、まず収縮するのは民間の資金になるのは当然のことです。彼らにお金を与えないで、餓死させるか、自然消滅させようかという状況です。現在の状況はこれに他なりません。民間企業は、すでに就業人口の70%を占めていますが、そんなときに彼らに餓死させようとすれば、予想外の別の結果が生まれます。それは、社会の動乱です。

 中国共産党による経済発展のマイナス面の根本的な要因は、その経済発展の目的にあります。それは、民間企業、民衆のためのものではなく、民を富ませるためのものでもありません。太子党、国有企業のためであり、自らのポケットを富ませるためのものです。中国国民党と中国共産党の経済の考え方は全く異なっています。

 台湾経済に活力、十分な創造性があるのは、国家の政策金融部門、輸出部門が民間企業を大きくバックアップしているからです。これとは反対に、中国の民間企業は、毛沢東の時代から弾圧されており、鄧小平、江沢民、胡錦濤の時代においても差別され、不公平な扱いを受けています。

 これまでお話してきたように、金融のチェーンに断裂が発生している根本的な原因は、共産党が私利私欲を貪っていることであり、彼ら一党一派を利する目的がもたらした結果なのです。

 では、共産党はこの問題を解決できるのでしょうか。彼らの政策に対する考え方が全体として変わらなければ、経済発展の目的が変わらなければ、民間企業と国有企業との間の矛盾、国家と民間企業の間の矛盾、国家と民衆の間の利益における矛盾を解決できないと私は考えます。ポイントはこの点にあります。

 以上。

(翻訳・高燕)

 (08/08/21 06:55)  





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