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腎臓結石の治療を受けている成都市の幼児(Getty Images)

中国有毒粉ミルク事件訴訟、政府関与で全件不受理

 【大紀元日本11月6日】北京の弁護士4人が10月29日、北京・天津・山東・河北などの合わせて9人の三鹿有毒粉ミルク被害者のために、三鹿企業グループに対して約130万元(約1820万円)の賠償金を求め、河北省石家荘新華区裁判所へ民事訴訟を行った。情報によると、三鹿企業グループを訴えたのは今回が初めてで、被害者らが三鹿企業グループ本拠を構えている地元の裁判所で提訴したのも初めてだという。

 この案件はいつ成立するかについて、新華区裁判所からは明確な回答はなかった。被害者家族は同紙取材に対して、裁判所内部関係者、弁護士等から入手した複数の情報で、各地裁判所は早くからも政府上層部から、三鹿有毒粉ミルクに関連する賠償提訴を受理してはならないという内部通達を受けていることを明らかにした。

 この内部情報について、新華区裁判所関係者は否定しなかったが、この「敏感性」の高い案件について、裁判所は政府上層部の指示に従うしかないと示した。一方、しっかりした証拠を持っている被害者家族は、三鹿グループへの訴えに対して、政府が介入したことについて、双方の間にもし関係があるということであれば、まさに官民結託ではないかと疑問を抱いた。

 また、裁判所関係者は、政府上層部よりすでに同件に関する訴訟は受理してはならないのに対して受理していることについて、「社会の安定を維持し、影響を与えないようにするのであろう。われわれは何も決められない。すべて上層部が決定するのだ」と語った。裁判所関係者は「上層部」は誰であるかについてコメントを控えた。

 被害者家族はこれに対して、裁判所から同案の成立も不受理の書面も出されず、上層部の指示に従うのみであれば、最高裁判所へ提訴しても無駄だと嘆き、「これが中国の裁判所だ。恥知らず」と語った。

 情報筋によると、甘粛省、陜西省、広東省、河南省、新疆等地区で、三鹿有毒粉ミルクの被害を受けた住民らが、地元裁判所へ三鹿グループを訴えてから1か月以上が経過しているが、未だにどこの裁判所もこの訴えを受理していないという。

 甘粛省籍の乳幼児・移凱旋ちゃん(5カ月)は今年の5月1日に死亡した。移ちゃんは中国政府側が三鹿有毒粉ミルクを食して死亡したと最初に認めたケースで、両親は10月13日に甘粛省蘭州市中級裁判所に対して三鹿グループを訴え、約100万元(約1400万円)の賠償金を求めた。しかし、父親と弁護士の董君明さんは取材に対して、この案件は未だに成立していなくて、何の説明も行っていないと明らかにした。

 陜西省旬邑県原底郷農民の田暁衛さんは、1歳の息子が三鹿有毒粉ミルクを食したことによって両腎臓尿道結石に罹り死亡したことを理由に、10月9日に同県の裁判所に対して、三鹿グループを訴え、73万元(約1022万円)の賠償金を求めた。しかし、3週間が過ぎても、裁判所から同案の成立についての回答はなかった。

 田さんの案件を取り扱う劉中波弁護士は取材に対して、裁判所は訴状または口頭の訴えを受けた以上、審査を行い、条件に符合すれば、7日以内に案件を成立させ当事者に通知しなければならないことは、法律で定められているとし、7日以内に受理しない判断を下した場合、原告はそれに対して上訴することができると説明した。劉弁護士は、司法は独立していないから、妨害を受けるのだと指摘した。

 田さんは、「後継ぎする子孫が亡くなっても、誰も関心を寄せない。加害者の良心はどこにあるのか。われわれ被害者の代償は命で払ったことに対して、彼らは一言も言わない」と怒りを覚えた。

 劉弁護士は、全国各地で多くの被害者家族が三鹿グループを訴えたが、いまだに案件成立したのはない。劉弁護士は、「裁判所は司法機関であり、憲法は裁判所に独立の審判権利を与えていることから、受理するかしないかについて、7日間以内で判決を出さなければならない法律規定に従うべきだ。今の裁判所のやりかたは明らかに法律手続きを踏まえていない」と指摘した。

 
(記者・辛菲、翻訳編集・余靜)


(08/11/06 06:42)



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