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威風堂々たる「白鷺城」天守閣(大紀元)

世界遺産・姫路城:後世に遺す「美」と「心」

 【大紀元日本3月10日】澄み渡った空にそびえる白い天守閣。扇の曲線を描く石垣。

 その美しさから「白鷺城」の美称をもつ姫路城は、慶長年間に建てられた当時の姿が今日までよく保存されており、日本に現存する城郭の中でも世界的に高い評価を受けている名城である。そのことにより、昭和6年に国宝に指定され、平成5年には日本で初めてユネスコ世界文化遺産に登録された。

 大阪城や名古屋城などが、今日、鉄筋コンクリート造りの「ビル」となり、エレベーターで一気に持ち上げられてしまうのに対して、「嬉しい」ことに姫路城は、観光客が息も絶え絶えになりながら、ほとんど梯子にちかい急勾配の木造階段を踏んで、七層ある天守閣の最上階まで登れるのである。

 記者が訪れたのは2月中旬、北風が肌寒い晴天の日であった。天守閣の内部は、保存のために照明がほとんどなく、わずかに差し入る自然光のみが足元の頼りであったが、それがかえって400年前の戦国の空気を缶詰にしたようで、重厚さは格別である。

 観光客用に設置された手すり以外、太い檜の柱や梁、漆喰の壁などは、保護的修繕によって、ほぼ築城当時のままに保存されているという。

 それにしてもこの急勾配には驚いた。羽柴秀吉や池田輝政など、歴代の城主が天守閣まで登るのは容易ではなかったことを、同じ場所へ登った記者の実感として想像してしまう。

 姫路城の美しさは、その石垣の見事さでも知られる。「扇の勾配」と呼ばれる美しい曲線を描く石垣は、荒加工した自然石を巧みに組み上げて造ったものだが、敵軍を寄せ付けない実用性とともに、石の色や形なども十分に計算された「美」の極致と言えるだろう。

 ここは戦国の英雄よりも、歴史に名を残さなかった石工たちに敬意を表したいと思う。

 そう思いながら天守閣の下を回っていると、地面から5メートルほどの高さの石垣に、金網で囲った石臼の半片があるのを目にした。「姥(うば)が石」というそうだ。

 羽柴秀吉がこの地に大城を築くため大量の石材を必要としたが、なかなか集まらない。それを聞いた城下の貧しい老婆が、自分の使っていた大切な石臼を寄付した。それが評判となって各方面から石材が集まり、築城が急速に進んだのだという。

 老婆の名も伝わっておらず、実話か否かを検証する術はない。ただ、日本人としては、その言い伝えに春の日溜りのような温かい「心」を感じはしまいか。

 「美」と「心」の名城。まもなく、姫路城は桜の海となる。
これが「姥が石」(大紀元)
時代劇のロケによく使われる天守閣に向かう門(大紀元)
西の丸方向から見た姫路城天守閣
切り出し当時の楔痕が残る石垣の石
鉄砲狭間は内側が広くて狙いやすい(大紀元)
天守閣の下を支える大柱のうちの東柱(大紀元)
美しく見事な曲線を描く石垣(大紀元)


 
(記者・牧)


 (09/03/10 20:30)  





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