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抗生物質の濫用で細菌の耐薬率が上昇=中国

 【大紀元日本4月9日】中国人が「消炎薬」(炎症止め薬)と呼んでいる抗生物質は中国家庭の常備薬で、少しの頭痛や発熱でも皆、習慣的に数錠飲む。中国は抗生物質の濫用が世界で最も深刻な国で、これにより院内感染症が多発している。

 「中国新聞週刊」の報道によると、抗生物質の濫用によりスーパー細菌(全ての抗生物質に対して耐性のある細菌)の種類はますます多くなり、その中に多剤耐性緑膿菌、多剤耐性結核菌および有名なメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)なども含まれている」と北京協和病院感染症内科の主任医師(教授)・劉正印氏は指摘したという。

 その結果、院内感染の発生率はかなり高くなっている。北京大学臨床薬研究所・蕭永紅教授は「中国抗生物質乱用問題の研究報告」の研究結果に踏まえて、中国の院内感染率は1978年時点の5%から、現在の60%以上に達しており、ほぼ6割の入院患者の体内に黄色ブドウ球菌が潜んでおり、しかもその多くはMRSAだと指摘した。

 専門家の調査では、抗生物質耐性菌の感染者の死亡率は11・7%で、一般細菌感染者の死亡率の5・4%より倍以上に高いという。

 蕭教授は、中国では毎年抗生物質の原料が約21万トン生産され、この中の輸出分の3万トンを除いて、18万トンが国内で使用されており、国民一人当たりの年間消費量は約138gで、これは米国人の10倍に相当する。さらに消費された薬品上位10種類の中に、抗生物質が半数を占めている。

 1995年から2007年の疾病分類統計によると、中国で感染性疾患は疾病総数の49%を占め、この中に細菌による感染症は疾病全体の18%から21%を占めている。すなわち実際に抗生物質の使用を必要とする患者は20%しかいないのに、残りの8割の患者も殆ど抗生物質を濫用している。しかも。病院でもっとも多く使用される10種類の抗生物質の中に、半分以上は新型の抗生物質で、これらは元もと深刻な感染に使用され、患者の命を救うものだという。

 蕭教授は、中国では半分の抗生物質が養殖業者に使用されており、結果としてこれらの抗生物質は各種のルートを経て人体に累積されることになると指摘した。

 60年間の間に、中国の薬品の品目は4百種類強から7千種類にまで増加した。抗生物質が濫用される根本的原因は社会制度の欠陥で、管理監督の力が不足していると蕭教授は指摘している。

 また、中国で病院の収入の約50%が薬から得ており、この中に抗生物質の占める割合は25%。病院にとっては抗生物質が多く処方されることは多く収入が得られることを意味している。一方、患者たちは抗生物質を「万能薬」とみなし、自ら医者に多く処方してくれるよう要求するケースが多い。この場合、医者は快く患者の要求に応えていると蕭教授は話している。

 
(翻訳・坂本)


 (09/04/09 13:00)  





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