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抗議者らと警察隊の衝突=2009年6月20日、テヘラン(目撃者提供)

混乱のイラン、民衆が伝える弾圧の実態=活躍するネット封鎖突破ソフト

 【大紀元日本6月22日】大統領選の結果を巡り混乱が続くイラン。選挙の不正を訴える改革派の民衆への武力弾圧の映像は世界中に送られ、オバマ米大統領は20日、イラン政府にデモ弾圧などの暴力行為の停止を求めた。民衆の怒りは、イラン当局の情報封鎖をも突破。弾圧を受けた民衆の写真やビデオが、ネット封鎖突破ソフトウエアでイラン国外に送られたのである。これらのソフトウエアは元来、中国大陸の情報封鎖を突破する目的で作られたもので、インストール不要などの簡便さから、独裁政権下で外部に真相を伝える人々に多用されている。

 イラン大統領選の開票不正疑惑を巡り、政治に「民意反映」を求める抗議やデモが先週全国で拡大し、イラン独裁政権に抗議している。少し前にイラン国民に向け、「平和的に正義を求める人々をバックアップする」と発言した米オバマ大統領は19日、イラン政権と外交関係の修復希望と国内の批判の間に立ち、イランの内政に「干渉しない」態度を表明した。

 民主と自由を切望するイラン国民が、米国からの政治支援を待たず、自らある救命ブイに手を伸ばした。先週から、イラン独裁政権の情報閉鎖にもかかわらず、テヘランで起きていたデモと暴力衝突事件が、映像、写真、文字などである秘密な手段を通して速やかに各メディアに報道され、民主活動に対する弾圧はもはや当局が隠せなくなっている。

 米紙ニューヨークタイムズのコラムリスト、ニコラス・クリストフ氏は先日、「イランのサイバー閉鎖を打ち破る」と題する記事で、法輪功学習者が開発したネット閉鎖を突破する技術は「21世紀のベルリン壁を壊す」力であるとし、オバマ大統領に同技術の普及支援を求めた。

  「イラン当局は特定のウェブをブロックしたり、外国記者を退去させたりしている。目撃者を除外する動きは、テヘランの『天安門虐殺事件』の前兆かもしれない。幸いに、ある秘密のインターネットの救命線が存在している。それは米国在住の中国人IT専門家らが、中国共産党当局が精神団体法輪功に対するネット検閲を打破するために開発したソフトである。現在、イラン当局の情報閉鎖を突破しようとするイラン人にとって、法輪功学習者は彼らに最大の希望をもたらしている」とクリストフ氏は記している。

 また、「オバマ大統領は、低コストで民主運動を支援するならば、米議会で討論されている『ネット自由起動案』を支持すべきだ。この議案には、ネット検閲を突破する技術に支援金5千万ドルの提案が含まれている」と指摘している。

 自由の門ソフト

 昨年7月、あるイラン人大学生が、偶然にネット上に「自由の門」というソフトウエアを発見した。「自由の門」は、大陸中国人に共産党のネット閉鎖を突破して共産党に弾圧されている精神運動・法輪功の真相にアクセスするために、米国在住の何人かの法輪功学習者が開発したもの。このきっかけで、同技術の情報が半年間イラン国内で知らされ、同国からの厖大なアクセスにより、技術の提供サーバーが一時的にダウンした。

 同技術の提供先「グローバル・インターネット・フリーダム・コンソーティアム(GIFC)」の副専務理事、周世雨氏(米ラトガース大学教授)によると、イランからのアクセスがサーバーの容量を超えたため、今年1月に中国大陸以外の国からのアクセスを停止したが、6月の大統領選の前、再びイラン国民に対してサービスを再開した。「情報閉鎖社会の中の民衆の苦痛はよく分かっているので、できるだけ彼らにサービスを提供したいと思っている。しかし、サーバーの容量をはるかに超えてしまうと、イランからのアクセスをカットダウンするしかない」と周氏は再開の理由を述べた。

 北京出身の周氏は、父親が中国軍部のある将軍、一家全員が法輪功の学習者。1999年7月、共産党当局が法輪功を弾圧し始めたが、70歳を過ぎた父親は法輪功の放棄を拒否したため、拘禁され、収容所で6カ月も監禁された。周氏の中国の母校、清華大学でも多くの法輪功学習者が迫害されている。

 「当局は、人々の思想と精神をコントロールできなくなったと恐れて、法輪功を弾圧した」。

 周氏によると、共産党当局は、法輪功への迫害を続けるために、法輪功を悪者扱いする宣伝を展開し、法輪功に関する情報をネット上で検閲している。そこで、周氏は同僚たちと、共産党当局のネット閉鎖を突破する技術を開発した。その一つが「自由の門」というソフト。サイズは小さく、中国国内のユーザーは国外のIPアドレス利用し、中国当局が禁止するサイトにアクセスする。そのIPアドレスは毎秒変化するため、当局はフィルタリングが間に合わず閉鎖することができない。使用完了後も、履歴を消す機能もある。

 情報閉鎖と閉鎖打破の戦争

 「自由の門」ソフトのほか、「ウルトラサーフ」、「ガーデンネット」、「世界通」と「Fire Pheonix」などの類似ソフトも周氏らが開発したもの。インストール不要で、ダブルクリックするだけで使用できる。

 世界各地の法輪功学習者は、あらゆるネットと通信技術を駆使して、これらの突破ソフトへのアクセス方法を、中国大陸の民衆へ伝え続けている。

 インターネットの使用は中国奥地まで普及しており、現在中国のネット使用者は2.3億人も超えている。外部の情報を切望している中国人が、これらのソフトを通して海外の民主派サイトおよび法輪功学習者が運営するメディアにアクセスでき、今まで知らなかった真実に触れた。

 独裁政権国家の民衆が自由の情報が得られれば、考え方や思想も変える。北京大学メディア研究院の元助教授・焦国標氏が2006年来日中、中国大陸の知識人はほとんど法輪功学習者が開発したソフトにより海外の情報を入手していると話した。ある匿名希望の中国人記者によると、「私にとっては、自由の門ソフトは世界への橋渡しだ。それを使う前は、私は100%の共産党支持者だった」。

 自由の門などのソフトが開発された2002年から、毎日中国大陸からのアクセス人数は数百万もいるという。偶然なのか、その年から、大陸各地で「人権保護運動」が芽生え、海外のサイトにアクセスして共産党関連組織からの離脱声明を発表する人数も激増した。

 自由の門の中国大陸での使用頻度の上昇と同時、法輪功学習者のIT専門家らが遭遇した妨害事件も増えていた。2006年、ソフト開発者の一人、李淵さんが米国アトランタ郊外の自宅にいたところ、突然侵入したアジア人系の4人に殴られ、書類とファイル、2台のノートパソコンを強奪された。

 先週、中共当局が7月から販売されたPCに、すべてフィルターリングソフト「グリーンダム(Green Dam)」をインストールする指示を通達した情報が報道された。当局の説明は、ポルノなどの有害サイトをフィルタリングするためだが、ネット利用者のテストでは、同ソフトをインストールしても、ポルノサイトを開くと「正常サイト」と表示されアクセスすることができた。解読された同ソフトの敏感用語リストは、「法輪功」関連の言葉が60%以上を占めている。

 周氏によると、GIFCは「グリーン・ダム」を無効にさせるソフト「グリーン・ツナミ(津波)」をすでに開発したという。

 21世紀のベルリン壁を壊すため

 中国大陸の民衆のために開発されたこれらのソフトが、意外にも中国と同様な独裁国家で人気が得た。2007年8月、ミャンマーで軍事弾圧事件が起きた期間中、ミャンマーからのアクセスは平常の4倍であったという。

 今回のイランの選挙事件も同様、先週、イランからのアクセスは平日の倍以上に増加、6月17日だけでもイランからのアクセスは約40万人以上で2百万回を超えているという。

 「イランの人々は、緊急時、私たちのサーバーを頼みの綱としている」と周氏は語る。

 GIFCは2006年、中国大陸以外の地区の需要に応じて、多言語対応のサイトを創設した。

 ミャンマー、イランのほか、キューバ―、北朝鮮、シリアなどのほかの独裁国家の人権活動家らがすでに米国家に、五千万ドル援助金の「ネット自由起動案」を提出した。同提案に、ヒューマン・ライツ・ウオッチのトム・マリノースキー氏は支持する意向を表明している。

 米紙ニューヨークタイムズのコラムリスト、ニコラス・クリストフ氏は、独裁国家のネット閉鎖を「21世紀のベルリン壁」と例え、米オバマ大統領に、法輪功学習者らのネット閉鎖突破する技術に資金提供して21世紀のベルリン壁を壊していくよう求めた。

 
(報道・肖 シンリ)


 (09/06/22 06:42)  





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