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神仙の物語(写真:大紀元)

【佛家故事】佛経破りで唖となり 悪行反省で言語回復

文・朱一行

 【大紀元日本9月30日】

 唐の長慶年間に、簡州里には勾龍義という者がおり、彼は出稼ぎにより生計を立てていた。

 ある年、同郷の者が病を患い、勾龍義は見舞いに行った。その同郷の者は『金剛経』を写経しているところであった。それを見て、勾龍義はわけもなくその経典を破ってしまい、信仰を放棄するようにと求めた。

 家に帰った後、勾龍義は口がきけなくなり、方々治療してもらったが一切効き目がなかった。それでも、愚かで頑固な彼は己の考えにこだわっていたため自分の犯した罪を悔いることができなかった。

 このようにして5、6年が経った。ある日、彼は不意に隣人が『金剛経』を読んでいるのを耳にした。それで、彼は翻然と昔の過ちを悟り、「自分はかつて経典を破り誹謗したため口がきけなくなったのだ。もし、今日からそれを悔い改め、生涯仏経を敬えば、はたして再び話すことができるだろうか」と自分を責めながら考えた。

 それ以降、隣人が読経する度に彼は耳を壁に当てて熱心に聞いていた。このようにして1カ月ほどが経ち、彼は自分も読経できると感じてきた。数日後、彼はたまたま寺院に足を運び、そこである年よりのお坊さんに巡り合った。お辞宜した彼に、お坊さんは寺院に来た目的を尋ねた。彼は自分の口を指差して話ができないことを伝えた。それで、お坊さんは刀で彼の舌の裏をかすかに切った。すると、彼はすぐ話ができるようになり、お坊さんについて読経しはじめた。彼が読経する声は隣人にそっくりであった。

 しばらくして、彼は再び寺院を訪れお坊さんにお礼を言いたかった。が、いくら探しても例のお坊さんが見つからなかった。ふと、寺院の壁に著名な須菩提佛像を見て、彼はびっくり仰天しつつもはっと悟った。「この須菩提佛像は、あのお坊さんではありませんか!」

 それ以降、彼は写経も始め、須菩提の佛像を描いて生涯その佛像を祭っていたという。

 
(本文は『太平広記』に基づいて編集)


 

(翻訳編集・小林)


 (09/09/30 05:00)  





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