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暗黒時代「文化大革命」(ネット写真)

中国:左派、造反の動き 政権交代を目指す

 【大紀元日本10月21日】沸き返る国民の怨み、相次ぐ国民暴動に伴い、中共の内部闘争も日増しにエスカレートしている。江沢民の院政による胡錦涛との権力闘争に加え、左派(毛派とも呼ばれる)勢力も勇み立って参戦している。累卵の危うきにある中共の情勢をより複雑化させ、崩壊を加速させている。現在は、中国の未来情勢に影響を与える左派(毛派)の動向を注視すべき時期のようだ。

決闘を宣言した具体的な綱領

 09年7月24日、中国吉林省で「通鋼事件」が発生した。吉林省最大国有企業「通鋼集団」の所有権売買をめぐって労働者たちが自発的に経営側に対抗、その結果暴動が起こり社長の死に至った。この事件について、中国民族大学証券研究室主任張宏良教授が「偉大な社会主義の復興運動を迎えて-中国の危機および打開策」(以下「復興運動」)と題する4万字におよぶ長文を書き、同年9月2日より、その文章および演説映像が新浪や凱迪など中国の大手サイトで一斉に掲載された。

 「復興運動」の主旨は次の通り。「通鋼事件」は、1911年10月10日の清朝を揺るがす革命事件「武昌蜂起」に匹敵するものであり、「通鋼蜂起」と呼ぶべき。「武昌蜂起」が体制内の官僚・黎元洪を首領にしたように、「通鋼蜂起」たる運動も、中共体制内の高官・薄熙来を首領として擁立すべきである。

 この「復興運動」は、従来の空洞的な左派の体制批判に留まるスローガンを一掃し、理念・目標・実行計画が詳細に盛り込まれているため、大きな注目を集めている。換言すれば、林彪の「571計画」(クーデター綱領)たるこの「復興運動」は、文化大革命の毛沢東時代を復活し、改革開放を主導した鄧小平を鞭撻し、現体制を埋葬しようとするものだ。

矛先は鄧小平の落とし子「三つの代表」へ

 「復興運動」は、毛沢東思想を基盤に鄧小平が生んだ三つの代表、つまり、「腐敗勢力、買弁勢力(※)、売国奴勢力」に決戦すると宣言している。「目下、中国のあらゆる政治勢力は皆、中国の現状がこのまま存続することはできないと認識している。通鋼事件も、不動産・株価の強行値上げなども、実は速やかな現金化の状況であり、中国が大決戦の前夜に臨んでいることが明確に示されている」と解説する。

 また、大決戦は左派(毛派)と右派(腐敗・買弁・売国奴)との間で行われ、「通鋼蜂起」は毛派の共産党員、権益を守る労働者、民衆の利益を代表する意義あるモラルの具現化であり、「通鋼蜂起」で死亡した通鋼社の陳国軍社長は「 腐敗・買弁*・売国奴 」の末路だという。

(※)(買弁=自国の利益を顧みず、外国資本に奉仕して私利をはかる者)

左派(毛派)の基本スタンス

 毛派の基本スタンスは、江青や李鵬を愛し、朱鎔基を罵倒し、薄熙来を領袖に擁立する。

 重慶市市長の薄熙来は、重慶で腐敗官僚やマフィア勢力を厳しく制裁し、毛沢東時代の革命歌曲を歌うことを提唱する。これが薄熙来を毛派の領袖に擁立する最大の理由である。

 毛沢東崇拝に加え、「復興運動」は、江青や李鵬にも敬意を表している。一方、改革開放を推し進め、社会主義体制を打ち壊してきた朱鎔基・前総理を「経済に翻弄された者」と罵倒する。

 毛派がもっとも恨んでいるのは、「腐敗・買弁・売国奴」の幕僚やその手先とする文化的なエリートである。中国の改革が無秩序になり、国民を絶望のどん底に押し込んでいるのは、文化的エリートが良識を完全に失ったためと主張し、これら文化的エリートのもっとも嫌う暴力で彼らを厳重に罰すると宣言している。

 「官僚およびエリートらは、表面的には江青を罵ってはいるが、本音では毛沢東を罵っている」「官僚統制に反抗すれば、文化大革命や江青と罵られる。江青はすでに符号化されている。これは国民の観念が異化したためだ」と主張する。つまり、江青の名誉を回復し、毛沢東をふたたび神の地位に復帰させ、毛沢東時代を全面的に復興することこそが「偉大な社会主義復興運動」なのである。

第18回全国代表大会と決戦する姿勢

 「復興運動」の発表と今後の中国の行方について、次のような可能性が考えられる。

 まず「復興運動」は、 中国が直面する苦境について、注目すべき斬新な解説を提示している。中国における改革開放を「改革教」と名付け、「中華民族は最も危険で最も軟弱な時期に陥っている」とし、「国内における階級闘争は、年内に思想闘争から政治闘争の段階へと変わり」、「毛派と左派勢力はすでに戦略的防御から戦略的攻撃へと変わってゆく」と予言している。また「胡錦涛の現政権において、流血せずに時代を更迭する最後のチャンス」とも呼びかける。貧弱な農民や労働者層にかなりの喚起力があるので、今後、農民や労働者がどのように受け取めていくかを見守る必要がある。

 次に、もし「復興運動」をこのまま黙認すれば、遅くとも5年のうちに、早ければ 中国共産党第18回全国代表大会(十八大)開会前に、未曾有な流血による暴政が始まり、中国は毛沢東時代へと立ち戻る。

 薄熙来がその大志を買われて、毛派の領袖として擁立される可能性は十分ありうる。薄熙来が毛沢東時代の革命歌曲を大々的に歌うよう提唱したことも、毛派を意識したものと思われる。一方、謀略に長じ、中共次期の総書記とされる習近平も、十八大で無事に政権交代を実現するために、毛派の主張に乗じて、社会主義復興運動を唱える可能性があることは否定できない。

遺伝要因が引き出す現象

 改革開放から、もはや30年余りが経つ。しかし、邪悪な毛沢東思想は、依然として中国をさまよい、一部の国民に取り憑いている。中共政権の改革開放は、国民のためでなく、支配階級のためのものだと実証されている。

 毛沢東時代の魔性は誰しも知っているが、それでも一部の中国人はなお、現実から逃避して当時に立ち帰ろうとしている。非常識とも思われるこの現象は、少なくとも次のことを裏づけている。たとえ少人数でも、これらの人々にとっては、「井の中のカワズ」で、毛沢東時代しか遁走する場所を知らないのだ。逆にいえば、野蛮で血まみれな毛沢東時代をあえて選んでいるのは、現実社会がそれ以上に残酷で恐怖に満ちていることを実証している。今の異常な社会土壌が、毛派の異常な先祖返りの社会的温床となっているのである。

 毛派の新たな挙動は、今後中国の諸情勢にある程度の影響を与え、中共の内部闘争や分裂へとつながる可能性は十分ある。しかし、毛沢東時代が復活されることは、もはやありえない。現在の社会も毛沢東時代も同質的なものであり、一党独裁を取り除かない限り逃げ場はない。こういう認識に立つ国民はきわめて多く、中共組織から脱退を声明した人数が日増しに増加していることなどから、実証されている。

 左派の動向は、党内闘争の新たな到達点として注目されてはいるが、もし今後膨張することになれば、結局は中共政権の内部から反乱が起り、内部から中共を分裂し、中共の崩壊を加速することになるだろう。

(報道・呈工)


 (09/10/21 08:17)  





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