「報道が大幅に書き換えられた」 中国有力紙の記者がスト宣言

2013年01月07日 15時43分
【大紀元日本1月7日】社会問題を厳しく追及することで知られる中国広東省の週刊紙、南方週末の編集部は6日、記事が同省共産党委員会宣伝部の検閲によりすり替えられたとして、同部トップの辞任を求める声明を発表し、ストライキも辞さない構えを見せた。報道規制が厳しい中国では、記者らの極めて異例な動きに注目を集めている。一方、当局は記者らのミニブログでの書き込みを削除するなど、事態の拡大を封じ込めようとしている。

 南方週末が3日、恒例の新年祝辞に「中国の夢、憲政の夢」と題する記事を出稿し、「憲政を実現し、権力を制限・分散すれば、市民は初めて公権力に率直に意見を言えるようになる」など言論の自由や憲政の実現を求める内容だった。しかし、印刷直前に同省宣伝部トップの指示で、「我々はいかなる時代よりも夢に近づいている」との記事に差し替えられ、民族の復興を唱える習近平総書記を賛美する内容となった。

 記事の差し替えを受け、編集部はインターネットで声明文を発表、報道の自由への抑圧だと抗議して、同省宣伝部トップの引責辞任や、調査を求めている。

 一方、6日夜、同紙の上層部は宣伝部の圧力により、公式ミニブログで「記事の差し替えは事実ではない」との書き込みを掲載した。

 これに対し、記者らは相次ぎ反論。公式ミニブログの管理人も「パスワードを出すよう迫られた」と主張した。一部の記者は一連の経緯が明らかになるまで取材や編集を中止するとストライキ宣言を出した。

 当局は騒動の拡大を防ぐため、記者らの書き込みやネット利用者の支持のコメントを削除するなどネット規制に躍起である。

 共産党機関紙「人民日報」傘下の「環球時報」は評論を掲載し、「中国のメディアは欧米諸国同様のメディアにはなれない。中国のメディア人がこの職業を選ぶときに、このことをまず理解しなければならない」と主張し、「中国の政治体制は欧米と異なり、メディアは国家の政治から逸脱できない、独立かつロマンチックに存在することはありえない」「メディアのぶれ幅は無制限ではない」と同紙編集部を強く牽制した。

 しかし、ネットでは編集部の行動は幅広い支持を集めた。擁護のコメントは当局の削除が追いつかないほどの速度で広まっており、デモの開催も呼びかけられている。7日には、同紙の本社ビル前に、支持者数百人が集まったとの情報が流れている。

 著名の経済学者である茅于軾氏を含む27人の学者は6日、関係者の処分を求める公開状をミニ・ブログ(微博)に公開した。

 言論封鎖のターゲットにされたのは南方週末紙だけではない。改革志向の論調で知られる中国誌「炎黄春秋」は4日、ホームページが中国当局に閉鎖されたことを明らかにした。 閉鎖理由は明かされていないが、関係者は「我が国の憲法が見せかけに過ぎない」と主張する同誌の新年挨拶記事が原因だと見ている。

 インターネットでは、二つの事件への関心が高まっている。「習近平・李克強政権は、期待されているほど政治改革と民主の発展を進めないであろう」との見方が大半を占めている。

(翻訳編集・叶子)


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