上海市トップ解任巡る中共指導部の権力闘争

2006年10月08日 12時46分
 【大紀元日本10月8日】上海市のトップ、陳良宇・同市党委員会書記は9月下旬、市社会保障基金の不正流用や贈収賄の汚職事件などに絡んでいたとして解任された。陳良宇は、江沢民前総書記が率いる「上海閥」の要であるため、当初から、中国問題の専門家らは、この解任事件は、胡錦涛・総書記と江沢民前総書記の権力闘争が熾烈化したと分析した。近頃、中国中央指導部から流れた内部情報によれば、胡錦涛・総書記は、すでに軍の支持を獲得した(少し前までに、軍は江沢民・前総書記の大本山だった)。しかも、江前総書記の右腕だった曾慶紅・副総書記は、江沢民を見放し、胡錦涛・総書記側に鞍替えしたという。

 ニューヨーク・タイムズ紙の報道では、中国当局の内部高官の情報を引用、今回胡錦涛・総書記が陳良宇を粛清した背景には、曾慶紅・副総書記の支持があった、両者は暫定的な政治連盟を結成、次に倒す目標は、江前総書記の側近で、政治局常務委員の賈慶林氏と黄菊・副総理である。しかし、政治同盟の両者は政権に入れ替わる人選について大きく意見が分かれ、「互いに協力する必要があるが、互いに信頼していない」仲であると報じた。

 米国の中国問題研究者・石蔵山は、「曾慶紅の裏切りは、江前総書記に大きな災いをもたらす可能性がある。曾は前総書記が上海市長を務める時代からの腹心であり、『金庫番』と称されるほどである。そのため、曾は前総書記の多くの秘密と犯罪証拠を握っている。同時に、曾は非常に権力闘争に精通し、権力に貪欲な人間であり、自分の政治利益のために、江沢民一族を売り飛ばす可能性は排除できない」との見解を述べた。

 香港誌「争鳴」の最新号は、「9月23日午後(陳良宇が粛清される2日前)、中国当局の関係者は江沢民に、陳良宇を解任する意向を伝えた。その際に、江沢民は意見を発さなかった。その日の夜、中央政治局常務委員9人のうち、6人が賛成で、3人が棄権との投票結果で、陳良宇の解任を決定した。棄権した3人は、江沢民の側近の賈慶林、黄菊と李長春である。陳良宇と同じく、江沢民の「上海閥」に属する曾慶紅と呉邦国は賛成票を投じた。その翌日の政治局の会議の席で、曾慶紅は陳良宇の解任決定を公表、上海市での汚職問題は深刻で、自分たちは決して助けの船を出さないと明言した」と報じ、陳良宇は上海市のトップとして、「上海閥」の本拠地に駐屯する大将である。その大将が倒されたことは、江沢民が率いる「上海閥」の全面崩壊を意味すると論評した。

 一方、陳良宇を解任した翌日、胡錦涛・総書記は軍部委員会の委員と最高司令官に囲まれる中、軍の会議に出席する将校らに接見した。「争鳴」は、「10月8日から11日まで開催される中国共産党第16期中央委員会第6回全体会議(略称、6中全会)を前に、中国軍部は第116号命令を内部通達し、軍部組織の整頓と人事の刷新を命じた」と伝え、胡錦涛・総書記が(江沢民に代わり)軍への制御権を強化していると論じた。

 胡錦涛・総書記は2002年総書記の座についてから、徐々に江沢民・前総書記が率いる「上海閥」の勢力を弱体化させてきた。代わりに「共産主義青年団」の中央第一書記を務めるときの部下22人のうち、21人を地方と中央指導部の要職に配置した。8日から開かれる6中全会が閉幕した後、胡・総書記が執政して以降初めて地方政権の抜本的な人事変動を行う見込み、更なる熾烈な権力闘争が幕を開けるとの説も流れている。

 

 

 

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