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4月23日、S&Pは日本の長期ソブリン格付けと長期優先債券格付けをAA─からAAに引き上げた。写真は昨年9月に都内で撮影(2007年 ロイター/Issei Kato)

日本の格付けを引き上げ、財政再建や構造改革を評価=S&P

 スタンダード&プアーズ(S&P)は、日本の長期ソブリン格付けと長期優先債券格付けをAA─からAAに引き上げた。長期ソブリン格付けに対するアウトルックは安定的。

 S&Pによると、格上げは、財政再建、金融政策の正常化、構造改革に進展が見られることに基づいている。短期格付けはA─1+に据え置いた。

 S&Pによると、政府の着実な財政再建への取り組みを受け、日本の財政赤字の対国内総生産(GDP)比は2002年度末の8.2%から2007年度(2008年3月期)末には5.0%に低下する見通し。一般政府のプライマリー・バランス(基礎的財政収支)の赤字額の対GDP比は、2003年度末の4.2%から2007年度末には0.2%に改善するとみられる。

 政府にとっては、財政再建を進めるとともに、デフレ圧力を再燃させることなく民間部門のリストラを成功させることが課題となっているが、今のところ適切な政策運営が行われているようにみられる、としている。S&Pでは、社会保障債務、財政投融資国債を含むネットベースの一般政府債務残高は、2012年度までには対GDP比133%の水準で安定すると予想している。

 大手銀行の財務の健全化も進んでおり、2006年9月末時点では銀行セクターの不良債権比率は2.7%まで低下した。日銀も2006年3月に量的緩和を解除し、日銀当座預金残高の削減を始めたのに続き、翌日物無担保コールレートの目標金利を2006年7月に0.25%に引き上げてゼロ金利政策を解除し、さらに2007年2月には0.5%に引き上げ、金融政策の正常化を進めることに成功しつつある。

 S&Pによると、日本経済は向こう数年間は、2004年までの10年間の平均成長率の2倍、実質2%程度の成長を遂げるとみられる。GDPデフレーターも、今後プラスの領域にとどまると思われる、としている。

[東京 23日 ロイター]

 (07/04/24 08:21)  





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