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利上げなら日本国債への関心高まる可能性=海外専門家

 海外の専門家は、日銀が今回の金融政策決定会合で利上げしても、円を借りて日本以外の利回りの高い債券に投資するという動きは止まらないとみている。ただ、利上げがあれば、日本国債への関心がやや高まる可能性がある、との声も聞かれる。

 期間の短い日本国債は同種の米国債より利回りが4%ポイント前後低いため、(利上げがあっても)世界の投資家が円を借りて日本以外の利回りの高い債券を買うという傾向に依然として変化はないとみられている。

 米国のファンドマネジャーらは、日銀が利上げしても、円キャリートレードを積極的に行っている日本の個人投資家の反応は鈍いとみる。

 フェデレーテッド・インベスターズのイアブ・サリブ氏は「政策金利が0.25%から0.50%に上昇したら、日本の個人投資家はポジション解消に動くだろうか。答えはおそらく『ノー』だろう」と述べた。

 同氏は日銀が今回利上げすると予想しているものの、為替や債券市場への影響は当初は限定的なものにとどまるとの見方を示している。

 日銀は昨年7月にゼロ金利政策を解除。それ以降は無担保コール翌日物金利の誘導目標を0.25%に据え置いている。今回の決定会合で0.5%への利上げがあったとしても、ユーロ圏の政策金利3.50%、米国の政策金利5.25%を依然として大幅に下回っている。

 20日の市場では、2年物の日本国債利回りは0.8%程度となり、同期間の米国債の利回り4.83%を4%ポイント以上も下回った。

 7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)で円の弱さに対する直接的な言及がなかったことから、2月上旬には、円はユーロに対して最安値をつけたほか、ドルに対して4年ぶりの安値に迫った。

 円キャリーが目先、巻き戻しの動きになることはない、とみられる。

 カンバーランド・アドバイザーズのバイスプレジデント兼チーフグローバルエコノミスト、ウィリアム・ウィザール氏は「日銀が利上げしたとしても、利上げ幅とつりあわないほどの心理的な効果がない限りは、キャリートレードに大きな影響はないだろう」との見方を示している。

 「(日本と海外の)金利差が依然、キャリートレードを継続させる圧力だ。キャリートレードは、時間をかけて徐々に調整する」と述べた。

 ただ、フェデレーテッド・インベスターズのサリブ氏は、向こう3─9カ月にわたり、日本国債の利回りが上昇、キャリートレードが一部巻き戻され、円は大きく反転する、との見方を示した。フェデレーテッド・インベスターズはすでに、円と日本国債をベンチマークに対してオーバーウエイトとしている、という。同氏は、10年物の日本国債の利回りが2%を突破すれば、投資する価値があるかもしれない、と話した。

 10年物の日本国債の利回りは、20日には1.72%程度だった。

 パトナム・インベストメンツのマネジングディレクター、ビル・コリー氏は、10年・20年の日本国債への投資増を検討しているという。

 同氏は「日本国債は目先、他との比較では、買いだと思う」としている。また、日本のインフレ統計が抑制された内容であることから、それ以上の利上げは必要ないと思われる、と指摘。「日銀が今回利上げすれば、投資家は当面は利上げがないと考えるだろう」との見方を示した。

 パトナムは現在、ベンチマークに対して日本国債をニュートラルにしているが、今週にも短期・長期の日本国債持ち高を増やす方向という。

 [ニューヨーク 20日 ロイター]

 (07/02/21 15:27)  





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