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2008年北京オリンピック・メインスタジアムとなる「鳥の巣」は、南北の長さは333メートル、東西の幅は294メートル、高さ69メートル、9万人収容できる。外形はH型の鋼材で組んでおり、まさに「鳥の巣」に似ている。使った鋼材の量は計4・2万トン、鉄骨構造の最大幅は343メートル、溶接の長さは30万メートル強、また現場で溶接した長さは6万メートル強である

「鳥の巣」、開幕式が最も危険=韓国・建築専門家

 【大紀元日本8月5日】韓国の工程設計専門家・李勇振氏は先日、北京オリンピック・メーンスタジアム「鳥の巣」を視察した後、本紙の取材を受けた。李氏は「鳥の巣」に使用した鋼材の特性、高温溶接による鋼材内部の構造変化と共振の破壊力などの観点から「鳥の巣」に存在する多種の安全問題を分析し、特に開幕式当日に「鳥の巣」が最も危険だという結論を得た。李氏が示した「鳥の巣」の構造に対する分析は次のとおり。

 屋根を支える柱がない、弓形の溶接

  「鳥の巣」が使ったH型鋼材はみな外に露出している。互いに交差して、溶接で1つ1つの輪を成した。建物自身はH型鋼材で囲まれたため、屋根が重すぎると割れ目が出やすいから鋼材の負荷を軽減するべきである。

 このような巨大な建物については、屋根の負荷を軽減するために軽質鋼材を使うが、「鳥の巣」は軽質鋼材の代わりに全部H型鋼材を使っており、これは建築史上例がない。本来、このようなH型鋼材で組み合わせた建物には柱があるべきだが、「鳥の巣」には柱が1本もない。「鳥の巣」に多くの観客が座り、席の下にまた階段があり、階段の重さも見落としてはいけないものだ。そして、「鳥の巣」は外形の美しさを実現するため、屋根を弓形に設計して溶接だけで組み立てたのも不安の要素であるという。

 地盤軟弱、震災に弱い

 観客が大声で叫ぶと、音の震動が建物に影響を与える。例を挙げると、周波数が合えば人の叫ぶ声でグラスを割ることもできる。大勢の叫び声は音の震動を成す。その周波数が建物の揺れる周波数と同じ振幅になると、建物は共振原理で揺れ始める。揺れ続けると揺れ幅もますます大きくなり、限界に達した瞬間に建物が倒壊する。鉄鋼の破壊周波数は15メートル/秒である。

 李氏は実例をあげた。1985年メキシコ地震の時、最も被害が大きかったのは震央から400キロメートル離れたメキシコシティーであった。メキシコシティーは湖を埋め立てた都市で、さくらんぼの上に重い物を置いたようなものだ。外部に振動が発生すると、メキシコシティー全体も一緒に揺れる。地震が発生した時、まず倒壊したのは地震波の振動周波数と同じ固有振動周波数を持つ14~25階建ての高層建築だった。

 短すぎる施工期間、 開幕式が最も危険

 「鳥の巣」はドイツの専門家によって設計されたが、ドイツの建物の耐震強度は北京と同じではない。そして、どのように施工されたのかも重要な問題だと指摘した。普通、このような建物の施工期間は10年以上必要とするが、「鳥の巣」の場合、あまりにも短すぎる。10年をかけてはじめて高温溶接による内部の構造変形を自然に無理なく消化できるが、「鳥の巣」はこのような内部応力を消化していない状態で溶接されたので、全体的に鋼材がねじ曲がって変形する可能性がある。

 鋼材はゆっくりと溶接すればまだいいが、必要以上に速く溶接されると反り跳ねて変形する恐れがある。そして、連続作業をすると鋼材がもっと変形しやすくなる。竣工して1、2年経てば、「鳥の巣」の構造がもっと丈夫になるだろう。このような構造は、竣工して8ヶ月あるいは1年後、危険要素の60%~70%が消えて、10年経ったらはじめて危険要素が完全になくなるという。

 外形だけを重要視 構造を無視

 「鳥の巣」の鋼材はすべて斜線を呈するので、その荷重能力が垂直よりだいぶ弱くなる。鋼材の荷重能力が極限になると建物が倒壊する。「鳥の巣」が無垢材を使って頂上がかなり重くなるのは、最も不安に思う点である。このような設計はどこにも見られない。
「鳥の巣」の建築強度の問題点を指摘する李氏(大紀元)


 鋼材の熱膨張特性が残す危険性

 鉄鋼は、周囲の環境温度の変化に従って膨張したり縮んだりする。もし鋼材が1つの方向に集中して膨張すれば、その膨張の幅が相当大きいものとなる。

 もし鋼材を立てて使うならば、その荷重能力は相当強いものだ。溶接のところがもし割れたら、支える柱がないと倒れるに違いない。周りの鋼材も倒壊して、全体が一瞬の間に倒壊する。「鳥の巣」はすべて鋼材でつながっているので、1ヶ所が割れたら他のところも次々と割れてしまう。世界の十大建物にも数えられたと聞いたが、誇示に値することではない。

 「鳥の巣」の頂上は異例の造り方をしている。本来、鉄筋とコンクリートの膨張係数がほぼ同じで、両者をうまく使いこなせば最も完璧な建築ができるが、「鳥の巣」は長さまちまちの鋼材を交差で使って、それぞれの膨張係数が異なるため、一つの方向に傾く恐れが潜んでいる。

 オリンピック開幕式当日に気温が高くならなければよいが、もしも暑くなれば、鋼材はねじ曲がって変形する恐れがある。特に中はエアコンをつけて涼しいに対し外は熱いという状態になると、内外の鋼材の膨張係数が異なるので、「鳥の巣」全体の強度が問われるに違いない。

 「鳥の巣」は2008年北京オリンピック・メーンスタジアムで、南北の長さは333メートル、東西の幅は294メートル、高さ69メートルで、9万人収容できる。外形はH型の鋼材で編んだ「鳥の巣」に似ている。使った鋼材の量は計4.2万トンで、鉄骨構造の最大幅は343メートルで、溶接の長さが30万メートル強、中に現場で溶接した長さは6万メートル強である。工事中、高空作業、高難度な溶接、雨季施工など多くの難関に遭ったという。

 
(記者・劉仁順、翻訳・上善)


 (08/08/05 06:01)  





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