中共政法委書記・周永康告訴案、一旦受理も突然の却下、原告は上訴の構え

2007年11月13日 10時17分
 【大紀元日本11月13日】上海市市民の童国菁さんが中共政法委書記・中国公安部元トップの周永康を告訴する訴状が受理された件について、新たな動きが出た。11月7日、北京市中級法院は開廷なしで却下の裁定を原告に通知した。原告の了解なしに勝手に被告人を現職の公安部長に変更したことなど、一連の手続きが法律に則っていないことから、原告及び原告の代理人は不服とし、上訴の構えを示している。

 周永康・元公安部部長は現在、中国共産党政治局常務委員であり、中共政法委書記という要職にあり、公安、検察、司法を主管している。本案が北京市第二中級法院に受理されたことが明るみに出てから、国内外から大きな注目を浴びた。中国共産党の統治において、一般庶民による最高指導部の高官への告訴が受理されたのは、前例がなかったため、中国問題の専門家は、政権内部の胡錦濤派と江沢民派の権力闘争が白熱化した結果と分析していた。

 童国菁さんは11月7日、同裁判所からの通達を受け取った。「行政再議法の関連規定に合わないため、告訴を却下する」との内容だった。また、公安部の行政答弁書も同封にて送られ、被告人は公安部元部長・周永康から現部長・孟建柱に変更された。

 
中国公安部が10月16日に発行した行政答弁書(大紀元)

童さんは所有する不動産が強制押収されたなどの問題を解決するため、2003年から中央への陳情を試みてきた。その間、幾度も公安警察に逮捕されたり、暴行されたりしていたため、当時の中国公安部部長・周永康の行政不作為を訴え、告訴に踏み切った。一年後の今年9月20日、北京市第二中級人民法院(日本の地方裁判所に相当)が彼の行政訴訟を受理した。

 
美容院を営む原告、所有する家屋の強制取り壊しにより陳情を始めた(大紀元)

訴状が却下されたことに、童さんは深い失望感をみせ、関連の法律を調べた上、法的規定の10日間以内に、北京の高等裁判所に上訴する構えを示した。

 童さんの代理人・鄭恩寵弁護士は11月8日、「原告が訴状を提出してから一年後に受理したのは、法的規定の7日間を超え、すでに法律違反にあたる」と説明、北京市第二中級人民法院は地方裁判所であり、文書審理ではなく、開廷審理しなくてはならないとし、開廷なしで裁定を下すのも法律に違反すると指摘した。

 
本案の代理弁護人・鄭恩寵氏(大紀元)

また、被告人が周永康・元公安部部長から現職の孟建柱・部長に変更されたことについて、鄭弁護士によると、被告人を変更する場合、裁判所は原告に通知し、当事者が行う、と定められている。今回のように変更の届出がないのに、裁決書で変更されるのは、異常なやり方であるという。

 同弁護士は、この案件の意義は重大で、結果にかかわらず、高裁に上訴すると強調し、「この過程は、中国の前進を後押し、中国の法律制度発展の歴史に足跡を残すに違いない」と述べた。

 訴状を受理してからまもなく却下の裁定を下したことについて、同弁護士は「本案の受理がメディアで報道されてから、国内外で強い関心を呼んだ。そのため、中国当局が撤収したのでは」と分析、「この前例を作ると、全国で公安部を相手とする訴訟の嵐を引き起こす恐れがある。また、全国各地で大勢の市民が北京の最高指導部に陳情するようになり、問題が深刻化する。同裁判所はこの責任を背負えないため、却下の選択をしたのでは」、「被告人の周永康はいま、『中央政法委員会』の書記であり、公安、検察、裁判所を主管している。恐らく、彼からの強い圧力があった」などと見解を示した。

 また訴訟案の却下について、同弁護士は、胡錦濤・温家宝が妥協した可能性があり、それは胡・温政権の失策であり、国民を完全に失望させてしまう可能性があるとし、胡錦濤・温家宝は民意に順応して告訴案の審議を続けさせるようすべきだと指摘した。

 同弁護士によると、訴訟案の受理が明らかにされてから、巷では話題となり、上海市民は特に強い関心を示し、また、法曹界の同業者からも激励が多数寄せられたという。

 
(記者・李真、翻訳/編集・叶子)


 

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