ホームレス臓器強奪事件、中国臓器移植の内幕を露呈

2007年08月29日 11時30分
 【大紀元日本8月29日】中国ではこのほど、ホームレスを拉致、殺害後臓器を移植用に摘出する犯罪が公表された。国外在住のジャーナリスト欧陽非氏は、本件の背後要因を分析、法輪功学習者への臓器狩りとの関連について、見解を示した。

 2007年7月3日、河北省の石家庄市中級人民法院(日本の地方裁判所に相当する)は、ある案件を審理した。起訴状には、以下のよう書かれている。「2006年11月9日、被告人・王朝陽は、その他の4人の共犯(逃亡中)と一緒に、被害者の仝革飛さん(ホームレス)を拉致し、行唐県上方村の廃棄された変電所に連れ込み、監禁した。その後、王朝陽は、医者の陳傑などに連絡し、臓器売買の具体的な交渉を行った。2006年11月15日午前5時ごろ、王朝陽はこの変電所内で被害者の首を絞め、殺害した。医者の陳傑などに対し、裁判所が死刑執行した囚人と称し、被害者の腎臓、肝臓を摘出した。王朝陽は1・48万元(約24万円)の金を得た」

 欧陽非氏は、「共産党国家では、庶民の命は草の根同然である。しかし、中国当局の独裁下に身を置かれている弱者層、例えば、ホームレス、知的障害者、死刑囚、違法に監禁されている法輪功学習者などの人命は、現代医学の発展により、非常に価値の高いものに変わった。正確に言うと、彼らの『人命』について、『命』は相変わらず無価値だが、高値がつけられるのは『人』である。『人』の全身は宝だらけだからだ」と述べ、以下のように本件に関する見方を示した。

 1.生きた人からの臓器摘出は存在しているのか

 今年7月24日、広州市の地元紙「羊城晩報」は、本件の被告人・王朝陽の法廷陳述を以下のように転載した。「臓器摘出の際に、被害者の仝革飛さんは、突然手を挙げ、1人の医者の腕に触れた。医者が彼の腕を足で踏みつけおさえて、手早くこと(臓器摘出)を済ませた」。

 2007年8月21日に、新華ネットが東方寛頻(SMG)の番組「ホームレスの死」を転載したが、臓器摘出時に生きていた内容はなかった。

 私が知る限り、中国での死刑執行の際に、往々にして、即死させるのではなく、深い昏迷状態に陥るよう近距離で撃つ。目的は、摘出される臓器の品質を保つため。医学理論上では、生きている人から摘出した臓器の品質が一番高いからだ。

 本件について、事前に計画された犯行なので、もちろん、この品質問題は「考慮」されているはず。

 2.臓器摘出の手術環境

 報道によると、「被害者の仝革飛さんからの臓器摘出は、廃棄された変電所で行われ、(照明もなく)懐中電灯の光で、約20分間で完了した」という。

  3.関与した医者が自ら通報した背景

 本件における医者の立場は非常に複雑である。彼らは犯人から被害者は死刑囚であると説明を受けたようだが、その言葉を信じるほど愚かではない。最終的に、臓器摘出終了後、彼らは自ら警察に通報したがなぜだろうか。犯罪を犯したことに不安を感じたのだ。やはり、ホームレスを殺すのも犯罪なのだ。

 しかし、死刑囚の臓器を摘出しているのに、だれも通報しないのはなぜか。このことは中国では犯罪ではないと医者らは知っているからだ。さらに深く探ってみると、もし、臓器摘出されるのは、共産党に最大の敵であるとレッテルを貼られた法輪功学習者になると、状況はさらに変わる。中共の宣伝で国民に深く憎まれているこの集団の人々に対して、医者らは犯罪意識を感じるはずもないであろう。少なくとも、法律上において、まったく後顧の憂いがない。この法律上の安心感は、仝革飛さんの臓器を摘出した医者らにはなかったため、彼らはその後、自ら通報した。

 2006年3月に、海外の大紀元時報などのメディアは、中国の病院に勤めていた医療関係者、ジャーナリスト、軍内部の医者の告発に基づいて、中国当局による生きた法輪功学習者への臓器摘出を報じた。関連の証拠が多数揃えているが、多くの人々は、「信じ難い」と受け止めている。今回、中国当局のメディアがホームレスの臓器を強奪する件を報じた。一見、二つのことはあまり関連がないようだが、実は中国での臓器移植のずさんな内幕を露呈しており、法輪功学習者への臓器狩りの客観的環境が整っていることを示した。

 我々は注意しなければならないのは、中国当局は今のタイミングで、「ホームレスの死」を明るみにしたのは、ずさんな臓器移植の責任を、「人生挫折だらけ」の無職の犯人・王朝陽に転嫁するためだ。本件に関わった医者への責任追及をしない上、さらに彼らの行為を粉飾した。私の理解では、本件の公表は、中国当局が法輪功学習者への臓器狩りの責任を逃れるための世論操作である可能性がある。

 事実上、2006年初めに臓器狩りの内部告発が出されてから、中国の病院での臓器提供が急激に減少した。中国紙「南方週末」の報道によると、2006年一年間、天津東方器官移植センターが600例以上の肝臓移植手術を行った。今年は、すでに半年以上が経過したが、「アジア最大の臓器移植機構」と自負していたこの病院は、わずか15例の肝臓移植手術しか行っていない。

 病院の常務副主任・朱志軍は、「主な理由は臓器提供がない」と説明している。そこで、一つの疑問が浮上する。それでは、2006年の600例の移植肝臓はどこからなのか。どうして、今年になってそれほど激減したのか。中国で臓器狩りの餌食になっている法輪功の学習者らが、中国当局に対し、国際調査団による独立調査の許可を求め続けているが、実際に切実な問題であることは確かだ。

 
(翻訳/編集・叶子)


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