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漢方医学からみる五行と感情

文・楊景端

 【大紀元日本8月27日】古代中国では、人体を含む宇宙の全てが「金・水・木・火・土」という五種類の要素(五行)から構成されていると考えられていました。この五行の性質は、互いに影響し合いながらバランスを保ち、それが崩れると病気になると、漢方医学では唱えています。
 

五行理論の特徴として、その一つは、「相生」の関係です。つまり、万物を構成する要素の間は互いに影響し合い、相手の要素を強めたり、弱めたりするという考え方です。例えば、木が燃えれば火を生み、燃え尽きた灰は土に戻り、土の中から金属を生じることができ、金属の表面には水が生じ、水は木を養います。これは、相手の要素を補い、生長を助ける「相生」のサイクルです。

 もう一つは、相生と反対に、「相克」というサイクルも存在します。水は火を消し、火は金属を溶かし、 金属は木を切り倒し、木は土に穴をあけ、そして、土は水を防ぎます。これは、相手を抑制し、弱めさせるサイクルです。

 人体に多大な影響を与える「感情」にも相生相克のサイクルが存在します。例えば、達成感(肝・木)は、喜び(心・火)を生み出し、喜びは、自信(脾・土)につながり、そして、自信は魄力(=逞しさ)(肺・金)へと結びつきます。そして、魄力は志(腎・水)となり、再び達成感へと繋がっていくのです。

 一方、抑制的な感情のサイクルも存在します。恐れ(水・腎)は興奮(火・心)を制し、興奮は悲しみ(金・肺)を忘れさせます。また、悲しみは怒り(木・肝)を静め、怒りは憂慮(土・脾)を抑えて、憂慮は恐れを抑制します。

 以上の相克関係から考えれば、悲しみを訴える患者は、心の中に怒りを隠しているのかもしれません。また、怒りっぽい人は心の中に何か憂慮があるかもしれません。恐れの気持ちが、過剰な興奮状態を静めさせる働きがあります。また、不満や悲しみを忘れたい時に、冒険や刺激的な運動を求める傾向があるでしょう。

 体内の恒常性を保つためには、五行のバランスが大切です。一つの要素が過度に、あるいは不十分になれば、身体全体に影響が及びます。例えば、過度の怒りや憤りといった感情が続くと、「木・肝」の働きが衰え、せきや息苦しさ、深い悲しみなど「金・肺」に関係する症状や、消化不良、疲労といった「土・脾」に関係する症状が現れてきます。また、「水・腎」が低下した場合は、「木・肝」の不足を招き、睡眠不足、めまい、憂鬱といった症状を来たし、また「火・心」に影響をおよぼすことにより、動悸、不眠といった症状も現れてくる場合があります。

 健康な身体を維持するには、日ごろから感情をコントロールすることが大事であるといえましょう。

(翻訳編集・田中)

 (09/08/27 08:43)  





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