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(大紀元)

【漢方医学】疫病と戦う漢方医学の智慧(一)

 【大紀元日本5月4日】漢方医学では、伝染性、流行性がある疾患は「時行」、「温病」などと呼ばれており、発生の季節や症状の特徴などによって、傷寒、春温、冬温、秋燥、湿温、伏暑、温毒などと細かく分類されている。特に伝染性、流行性が強い伝染病は「疫病」と呼ばれ、「寒疫」、「温疫」に分類されている。新型肺炎(SARS、サーズ)や、鳥インフルエンザ、新型インフルエンザのような病気は、疫病に分類されるべきだと考えられる。

 漢方医学の長い歴史の中で、伝染病を予防、治療するために豊富な経験が蓄積されてきた。これらの古人の経験は、今の新型の伝染病の予防と治療にも、非常に参考になる価値があると思う。以下に、これらの古人の経験を簡単に紹介する。

 1、インフルエンザに対応できる『傷寒論』の処方

 現在、一般の人にもよく知られている「葛根湯」や「小柴胡湯」などの漢方処方を含め、日本で医療保険に適応されている漢方処方の多くは、『傷寒論』(しょうかんろん)という医学古典に記載されている処方である。『傷寒論』は、約2000年前に張仲景が編集した中国伝統医学の古典である。

 張仲景が活躍している時代に、傷寒の病が流行った。建安(紀元196年)の年号になってから、たった10年の間に、200人もいた張仲景の一族は、ほぼ半数の人が流行っていた傷寒の病に倒れた。張仲景はこの悲しい事実を経験して、何とか傷寒の病を退治しようと、『傷寒論』の編集に精力を注いだ。できた『傷寒論』は漢方医学の重要な古典になり、その中の多くの処方は、今でも使われている。

 傷寒の病は、寒疫とも言い、現代医学のインフルエンザに相当していると考えられている。そうであれば、2000年前の人々は、すでにインフルエンザに苦しめられていたのである。現代に流行っている旧型のインフルエンザは、張仲景の時代では、新型のインフルエンザであったかもしれない。

 現在、保険に適応できる処方の中で、インフルエンザに使える『傷寒論』の処方は、麻黄湯、桂枝湯、葛根湯、小柴胡湯、柴胡桂枝湯、麻杏甘石湯、白虎加人参湯などが数多くある。

 インフルエンザと言っても、発病の季節、個人の体質状況、症状の特徴などによって、使う漢方処方が違うので、一律に同じ処方で治療することはできない。漢方を使う前に、経験がある医師や薬剤師の指導を受けるべきである。

 (続く)

(藪益舎)


 (10/05/04 05:00)  





■キーワード
漢方医学  疫病  インフルエンザ  傷寒論  麻黄湯  桂枝湯  葛根湯  


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