中国当局、死刑囚臓器提供を再度認める 「もっと黒い裏の暗部を隠すため」

2013年03月01日 17時10分
2012年9月12日、米下院の公聴会で臓器狩りについて発言するスミス議員(撮影:文忠/大紀元)

【大紀元日本3月1日】中国衛生部(旧厚生省に当たる)の黄潔夫副部長は、25日の全国臓器移植問題電話会議で、再度中国での死刑囚臓器提供問題に触れ、「中国は世界で唯一、組織的に死刑囚の臓器を利用する国」と発言した。2006年まで、当局は繰り返し、死刑囚の臓器提供を堅く否認する経緯があった。「このことを認めたのは、決して良識が目覚めたためではなく、もっと黒い裏の暗部を隠すための苦肉の策だ」という見方が中国問題専門家の間で根強い。

 「中国では、死刑囚の臓器を密売する組織犯罪が暗躍している」。これは米国に脱出した軍医の2001年、米国議会公聴会での証言だ。中国当局は当時、即座に激しく反論した。外交部の当時の章啓月報道官は定例記者会見で、「中国の臓器提供は主にドナーからだ」「臓器売買を厳禁している」と軍医の訴えを完全に否定した。

 2006年年初、集団弾圧を受けている法輪功学習者を対象とする臓器狩りが相次ぎ内部告発された。それに対し、同年3月、外交部の秦剛報道官は記者会見で、「死刑囚からの臓器提供は完全に捏造だ」「故意にデマを流し、世論を騙している」と再びこれまでの言葉を並べた。

 同年4月10日、衛生部の毛群安報道官は記者会見で、「これは悪意を持って中国の司法制度を誹謗中傷し、国内外の世論を騙している」と再度否認した。

 同年10月10日、前出の秦剛報道官はBBCの記者による中国死刑囚臓器提供問題の取材報道を痛烈に批判し、「でっちあげられた偽ニュースで、我が国の司法制度を攻撃している」とした。

 しかし、わずか1カ月後の2006年11月、黄潔夫・衛生部副部長は広州市での全国会議で、「長い間、我が国での臓器移植は主に死刑囚提供に頼っている」と初めて語った。

 あれから、同副部長は様々な場でこの発言を繰り返し、2009年8月末、当局の英字紙「チャイナ・デイリー」は同副部長の発表として、「65%強の移植用臓器は脳死者からの提供、そのうち9割以上は死刑囚のものだ」と伝えた。

 手の平を返したかのような当局の対応。何が彼らを動かしたのか。中国問題の専門家らは、「決して良識が目覚めたのではなく、公にはできない裏の暗部を隠ぺいするための苦肉の策であろう」とみており、説明の付かない膨大な数の移植事例を「死刑囚のもの」で始末しようとしているのではないかとの疑いが浮かび上がった。

 しかし、「死刑囚のもの」だとしても数が合わない。国連の当時の拷問問題特別報告者マンフレッド・ノーワック氏は2009年8月、「これは信ぴょう性の弱い説明だ。死刑囚の公表人数と臓器移植の数がまったく噛み合わないからだ」との見解を論じた。 

 2012年9月に米議会で行われた公聴会では、専門家は、中国で毎年2000~8000人が処刑されているが、約1万件の臓器移植が行われていると紹介。「たとえ1年に1万回手術を行ったとしても、まだ矛盾がある。1万人のドナーに対して1万回の移植手術が行えるはずがないからだ」と、公聴会に参加した「強制臓器移植に反対する医師会」のスポークスマンであるデーモン・ノト博士は指摘した。

 一方、黄潔夫副部長が2006年に初めて「死刑囚説」を唱える直前に、カナダの人権弁護士デービット・マタス氏と、同国元外交官デービット・キルガー氏による独立調査報告書「戦慄の臓器狩り」が発表された。両氏が率いる独立調査団は、法輪功学習者への臓器狩りの内部告発について調査を行い、数多くの証言や臓器移植機構のおとり調査、当局の統計データなどに基づき、「(法輪功への集団弾圧が始まった翌年の)2000年~2005年までの、41500件の臓器移植提供者について、説明がつかない」「それらの臓器の多くは法輪功学習者からのものだ」との調査結論に至った。

(翻訳編集・叶子)


 

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