分析:なぜ中国企業の対外投資が急増したのか?

2016/06/30 17:00

 中国本土から撤退する外資企業が増加

 2009年以降、中国本土にある外資系企業の多くが人員削減、資本の引き揚げや経営中止を行ってきた。外資系企業が集中する広東省東莞市では、2008年~12年で約7万2000社の企業が倒産した。14年には4000社が倒産し、また15年12月には2000社の台湾系企業が東莞から撤退した。相次ぐ倒産と撤退で東莞市地区では約500万人の失業者が出た。

 外資系企業撤退のおもな理由は、人件費の急騰など中国本土での企業運営が赤字の連続であることが挙げられる。

 また中国に駐在する米国や欧州の企業は、本土の投資環境が悪化していると指摘している。中国政府は外資系企業に対して独占禁止法調査を頻繁に行っている。また昨年成立した「国家安全法」では当局が外資系企業の技術などが中国の国家安全を脅かしていると判断すれば、企業に対して厳しい処罰をするなど、外資企業に引き続き中国でのビジネス展開をためらわせている。

 資本流出に悩まされる中国政府

 外資企業の撤退と中国企業の大規模な海外進出によって、莫大な資金が海外に流出した。これによって、外貨準備高が激減し、流動性のひっ迫で国内金融市場が混乱に陥り、国内経済に大きな打撃を与える恐れがある。

 中国政府はこの莫大な流出を目にしたくないが、現在流出を止める有効な措置がないのが実状だ。原因は二つある。一つ目は、中国政府は依然として外資企業の中国での投資を誘致しており、厳しく資金流出を制限すると、外資企業の中国への投資意欲に影響する。二つ目は、巨額な資金を海外に移転している人の大多数は共産党内の高層幹部とその親族であることにある。

 当局は現在、金融取引課税などの措置だけに頼って、金融市場のリスクを回避しようとしている。

 中国企業が莫大な資金を、失速している中国経済の発展のために費やすのではなく海外に移転することは、当局の「走出去」戦略の虚しさと政策の為すすべのなさを浮き彫りにしている。

(翻訳編集・張哲)

 

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