【大紀元日本4月4日】アフリカ独裁国家ジンバブエのロバート・ムガベ大統領夫人グレース・ムガベ(43)が今年1月15日、訪問先の香港で英人記者に暴力を振い負傷させた事件で、香港警察はムガベ大統領夫人を起訴する構えだったが、香港法律行政局長官・黄仁龍氏は、大統領夫人は外交特権があるとの理由で不起訴にしたと発表した。黄氏は、この決定は中国共産党(中共)外交部が下達したものだとし、香港は北京当局の指示に従わなければならないと示した。これに対して、香港人権団体および香港議員らは不満の意を示した。
今年1月15日、ムガベ夫人が滞在している香港九龍のシャングリラホテルの外で、「サンデー・タイムズ」紙のフォトエージンシーのリチャード・ジョーンズ氏および同紙特派員マイケル・シェリダン氏は夫人の写真を撮るために待機していた。しかし、夫人は2人の行動に激怒し、ボディガードに2人をとっちめるように指示した。ボディガードは夫人の指示に従い、彼らのカメラを奪うと、夫人自らジョーンズ氏を何度も殴った。シェリダン氏によると、「ボディガードがジョーンズ氏を押さえつけている間に、ムガベ夫人は彼の顔を何度も殴った」という。夫人は複数のダイヤモンドの指輪を付けていることから、ジョーンズ氏の顔には少なくとも十数か所の傷が残った。
ムガベ夫人が外交特権を行使できることを知ったジョーンズ氏は、「非常に残念だが、意外ではない。香港政府は町でメディア関係者を殴った人を放任し罪を問わないことにしたが、実はそれこそが香港政府の恥だ。ましてや伝統的に報道自由を有する香港で起きたことだけになおさらだ」と遺憾の意を示した。一方、シェリダン氏は、ムガベ夫人の暴力行為は「メディアへの挑発的な刑事事件」と非難した。
香港法律行政局長官・黄仁龍氏は3月30日に立法会司法および法律事務委員会に参加した時、中共外交部駐香港オフィスから香港政府に対し、夫人は外国元首夫人として香港では外交特権を有すると伝えられた。これに対して、香港人権監察団体総幹事の羅沃啓氏は、ムガベ夫人は当時、友人を訪ねていたのであり、公務中ではないことから、外交特権を行使できないと反論し指摘した。
実際に少し前に、香港立法会議員は香港政府に対して、ムガベ夫人の香港訪問を今後禁止することを求めた。これに対して、法律行政局長官・黄氏は中央政府の許可なしでは、香港政府はこのような禁止令を実施することはできないと拒んだ。
前出の羅沃啓氏は、一国二制度である香港は国連人権憲章を遵守し、独裁国家からの犯罪者を法の下に裁くべきだと主張し、「中国共産党政府はジンバブエと良好な関係があるから外交特権を与えた。しかし、国際社会ですでに悪名高いこれらの国家に対して、香港が中共と同様なやり方だと、非常に良くない前例を作ってしまう」と批判した。
羅氏は香港政府が夫人を「歓迎されない人物」のリストに挙げるように望んでいる。少し前にも複数の香港議員が、独裁者らの香港訪問は歓迎されないことを示した。
ジンバブエは西洋諸国の制裁を受けているため、海外旅行はアジアに限られている。英国メディアによると、ムガベ大統領夫妻は昨年香港で不動産などを購入し、娘は香港都市大学に学んでいるという。これに対して、香港人権監察団体は、ジンバブエ大統領の娘の追放を香港政府に求めていた。
(記者・李真、翻訳編集・余靜)
(09/04/04 23:30)
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