印刷版   

新婚当時の曹東さんと楊小晶さん(明慧ネット)

9年間の離別、「国慶節」での死別-ある中国人夫婦の実話-

 【大紀元日本10月12日】10月1日早朝6時、北京市朝陽区のあるアパートで、45歳の女性、楊小晶さんがこの世を去った。9年前に家から警察に連れ去られた夫を待ち続けたが、遠く離れた甘粛省の監獄に閉じ込められた夫との再開が出来ないまま、永遠の別れとなった。

 その日は、「国慶節」と名づけられた共産党政権60周年記念日で、北京では盛大な祝賀行事が行われていた。

結婚9年間、同居数週間

 2000年2月24日に結婚した二人。妻の楊小晶さんは北京林業大学の卒業生で、夫の曹東さんは北京外国語大学でフランス語を専攻していた。エリートの二人は本来ならば、周りが羨む幸せな生活を送るはずだった。しかし、9年の結婚生活の中で、二人が一緒に生活したのはわずか数週間しかなかった。それは、二人とも、共産中国当局に弾圧されている法輪功(ファルンゴン)の修煉を放棄しなかったためだ。

 妻の楊小晶さんは2回にわたり強制労働収容所に送られ、延べ4年間監禁された。夫の曹東さんは2度にわたり懲役刑を言い渡された。1回目は4年間。釈放後、EU議員が法輪功学習者に対する臓器狩りの告発を調査するため中国を訪問中に、曹東さんは臓器狩りを目撃したと証言したため、再び逮捕され、5年間の判決を言い渡された。いまだに服役中である。

 2000年3月始め、新婚10日後に曹さんは、生まれ故郷の甘粛省慶陽に帰省した際逮捕され、現地の麻薬中毒者更生施設に17日間監禁された。

 同時期に、妻の楊小晶さんの勤務先「北京供電設計院」の共産党委員会は彼女に、法輪功の修煉を放棄する誓約書に署名するよう強制し続けていた。従わないと、幹部と同僚にも連座責任を負わせ、ボーナスなどを減額するというのだ。周りに迷惑をかけたくないため、楊さんは自ら会社を去り、逮捕から逃れるために家を離れ、それ以来、各地を転々とする逃亡生活が始まった。

 この時期を境に、この新婚夫婦は離れ離れの苦難に満ちた生活が始まった。収入が無くなった楊さんは、年金生活の両親からの支援で生活していた。

 2001年5月21日、一時帰宅した楊さんは、北京市の建国門派出所に逮捕された。その後、法輪功学習者に修煉を放棄させるために様々な洗脳教育を行う洗脳センターに収容された。そこで楊さんは、抗議のため7昼夜にわたり食物の摂取を拒否した。その後、彼女は強制労働収容を1年半科せられ、2002年11月30日まで北京市東城公安分局看守所に監禁された。

 当時、懲役刑4年を科せられた夫の曹さんは遠く離れた甘粛省平涼地区の監獄に服役中だった。釈放されたばかりの楊さんは少しでも夫の近くにいようと、北京を離れて平涼地区でアパートを借りて11ヶ月間過ごした。

 2004年4月、楊さんは再び逮捕されて北京女子労働教養所(=強制労働収容所)に監禁された。その間、拷問のほか、長時間の強制労働により、頸椎を損傷し重度の痛みに見舞われていた。

法輪功学習者への臓器狩りを証言、2度目の逮捕

 一方、2006年5月21日、4年間の監禁を終えて釈放された夫の曹さんは、当時、法輪功学習者に対する臓器狩りの告発について調査するために中国を訪れていた欧州議会のスコット副議長と面談した。

 その席で、曹さんは妻と自分、および知り合いの法輪功学習者が受けた迫害の実態を証言した。また、自らの目で、一緒に監禁されていた法輪功学習者の遺体に、臓器が摘出された穴を目撃したと証言した。

 この会談の2時間後に、曹さんは中国の秘密警察に逮捕された。

 2007年2月8日、曹さんは5年間の懲役刑を科せられた。監禁中、手足を十数時間以上イスに縛り付けられたり、6昼夜130時間連続で睡眠を禁止されたりなどの虐待を受けた。また、7、8人に長時間にわたり囲まれて罵倒されたり、威嚇されたりして、捏造した犯罪を法輪功に着せる録画映像を見ることを強要されたりしていた。

 このような状況が1ヶ月以上続いた末、曹さんは大量に血を排泄するようになり、意識を失い3回ほど病院に搬送された。

 曹さんと面談したスコット議長は、後に彼が監禁されたことを知り、国際社会で法輪功弾圧の実態を訴え続け、当局に彼の釈放を求め続けた。このような状況下、中国当局は国際社会の関心をそらすためか、3ヶ月後に、曹さんを辺鄙な甘粛省に移送した。

夫と再開できず、この世を去った

 一方、2006年8月末、妻の楊さんは釈放された。夫の曹さんを救出するために、彼女は各地を駆け回り、法的支援を提供してくれる弁護士を探し続けた。

 彼女に協力した曹さんの友人で、北京在住のミュージシャン、于宙さんが、2007年9月11日に逮捕された。楊さんは逮捕を逃れるために再び家を離れて逃亡生活を続けた。

 2007年末、楊さんは甘粛省の天水地区の監獄で夫の曹さんと対面した。夫が受けた拷問の一部始終を知った彼女は心をひどく痛め、再び危険の地・北京に戻って、夫を助ける手立てを探ろうとした。

 その間に彼女は、于宙さんが2008年3月に獄中で拷問によって亡くなったことを知った。家族の話によると、窮地の中懸命に助けてくれた友人の死によって、彼女は極度の悲しみに暮れた。

 2008年8月、楊さんはリンパ腺がんと診断された。重病中にも、警察が彼女を監視したり騒乱したりしたという。

 2009年10月1日早朝6時頃、楊さんの息は絶えた。その前夜、72歳の父親は曹さんが監禁されている甘粛省に駆けつけ、娘に最後に一目、夫の曹さんに会わせてやろうと、曹さんの一時帰宅の許可をお願いし続けたが、監獄側は拒否した。

 
亡くなった娘、楊小晶さんの傍で無念に悲しむ72歳の父親(明慧ネット)

※法輪功(ファルンゴン)は法輪大法とも呼ばれ、気功によって健康を維持すると同時に、「真・善・忍」の原則を生活で実践して精神の向上を図る、中国の伝統的な身心鍛練法。1992年5月に創始者の李洪志氏によって伝えだされ、優れた健康維持効果で速やかに中国全土に広がった。1999年7月に中国当局に弾圧されるまで、愛好者は1億人に上ったと推定され、その中には体制内の幹部と共産党員も多く含まれている。法輪功の公式サイトによると、10年間に及ぶ弾圧で少なくとも3300人の法輪功学習者が拷問などで死亡し、数十万人が修煉を放棄しないために、強制労働収容所に監禁されているという。

(翻訳編集・叶子)


 (09/10/12 06:00)  





■関連文章
  • 第23回「真善忍」国際美術展、東京・西大島で開幕(09/10/09)
  • 米国下院と欧州議会で、中国の民主・人権問題を問う(09/10/03)
  • 10月1日「国殤日」、中国大使館前で静かな抗議(09/10/02)
  • 法輪功創始者、「傑出したスピリチュアル・リーダー賞」を受賞(09/09/29)
  • 中共の法輪功迫害にNO! 横浜でパレード(09/09/29)
  • 国連総会へ訴え:「中共の犯罪に沈黙してはいけない」=米法輪功(09/09/26)
  • 臓器狩りで初の医師の逮捕、当局は報道禁止=中国(09/09/23)
  • 鳩山新政権に、家族の救出支援を請願=在日華人(09/09/19)
  • 関西在住法輪功学習者、韓国政府の難民申請者強制送還に抗議(09/09/01)
  • 中共高官による「国家機密の漏洩」(09/09/01)
  • 臓器移植数世界2位 提供源に根強い疑惑=中国(09/08/30)
  • 麻薬常用30年間の米人、麻薬やめた神秘な経験(09/08/21)
  • 国連拷問特別調査官:生体臓器狩り、今も中国で...(09/08/13)
  • 【英国通信】 国会議事堂近くで一日絵画展(09/08/12)
  • 拘束された台湾籍法輪功学習者、中国より帰還(09/08/08)