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8月25日、7月全国CPIが発表され、基準改定で前年比0.5ポイント程度低下した。写真は11日、銀座を歩く人々(2006年 ロイター/Toshiyuki Aizawa)

7月全国CPI、基準改定で前年比0.5ポイント程度の下押し

 総務省が発表した7月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く総合、コアCPI、2005年=100.0)は前年比0.2%の上昇となり、前月の0.2%上昇と変わらずだった。なお、今月発表分より、これまでの2000年から2005年に基準年が変更になった。旧基準での7月のコアCPIは前年比で0.6%の上昇だった。

 総務省によると、新基準により総合指数、コア指数ともに旧基準と比較して前年同月比0.5ポイント程度低下した。新基準では、薄型テレビやDVDレコーダー等の情報関連品目を対象品目として追加した一方、鉛筆やビデオテープ等、消費支出金額が低下した品目を整理統合した。

 ウエートについては、移動電話通信料等が増加した半面、固定電話通信料等が減少した。

 ロイターがまとめた民間調査機関26社の予測では、新基準での全国コアCPIは前年比0.5%の上昇になるとみられていたが、発表の数字は予測を下回った。

 総合指数は前年比0.3%の上昇(6月は0.5%上昇)だった。全国の食料(酒類を除く)およびエネルギーを除く総合指数は前年比で0.3%低下(6月は0.4%低下)した。

 同時に発表された8月(中旬速報値)の東京都区部消費者物価指数(生鮮食品を除く、コアCPI、2005年=100.0)は、前年比0.0%の上昇となった。7月は0.0%の上昇だった。やはり今月発表分から、これまでの2000年から2005年に基準年が変更になったが、旧基準での8月のコアCPIは前年比で0.3%の上昇だった。

 ロイターが事前にまとめた民間予測調査では、東京都区部コアCPIの予測中央値は前年比0.2%の上昇だった。発表の数字は予測を下回った。

 総合指数は前年比0.9%の上昇(7月は0.2%上昇)だった。食料(酒類を除く)およびエネルギーを除く総合指数は前年比で0.2%の低下(7月は0.1%低下)だった。

 8月東京都区部、7月全国ともに、薄型テレビやパソコンを含む教養娯楽用耐久財が前年同月比で大きく下落した一方、他の光熱(灯油)や税率引き上げを受けてたばこ等の上昇が目立った。

 総務省では、基準改定による押し下げを除くと、依然、ガソリン等の石油関連製品がCPIを押し上げているという構図に変わりはないとの見方を示している。

 CPIが予想を下回ったことを受けて、市場では、債券にはプラス材料で、株式への影響は軽微、との声が聞かれた。

 ドイツ証券・チーフ債券ストラテジストの森田長太郎氏は「マーケットの環境的にも景気減速の見方が広がっていて、世界的に債券市場でショートカバーが進んでいるため、その流れを踏まえると、日銀も(追加利上げに対して)慎重にならざるを得ないとの連想につながりやすいデータだ。足元の円債市場では、前日の米債券相場の上昇もあり、堅調な地合いになりそうだ」との見方を示した。

 一方、SMBCフレンド証券・投資情報室次長の松野利彦氏は「市場予想を下回った。ただ、旧基準での7月のコアCPIも前年比0.6%上昇と実質的には変わらずであり、これが金融政策に大きな影響を与える要因になると市場が受け止めるとは考えにくく、株価には影響しないだろう。ただ、株式市場は調整色を強めているため、売り仕掛けするための材料に使われる可能性は否定できない」とコメントした。

[ロイター25日=東京] 

 (06/08/25 11:38)  





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