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貴州で発生した抗議事件は暴動に発展した

頻発する国内動乱、五輪の脅威として懸念=中国政府官員

 【大紀元日本7月8日】北京オリンピックまで残り1か月余りとなった中国において、貴州瓮安におけるデモ、上海における警官刺殺などの事件が相次いで発生しており、オリンピックを前にした社会情勢に関心が集まっている。中国公安部の高級官員が最近語ったところによると、オリンピックが各種勢力による撹乱、破壊の目標となる可能性があるという。以下は、RFA記者安培の報道である。

 中国公安部党委副書記、常務副部長・楊煥寧は、公安部の会議において、現在の国際・国内情勢は複雑錯綜しており、特に、北京オリンピックが近づくにつれ、各種の反中華勢力、敵対勢力があらゆる手を尽くし、ますます活発に撹乱、破壊活動を展開していると語った。この情報は、中国の「人民公安報」が先月27日に明らかにしたものである。記者は、同日、北京のオリンピック組織委に電話で連絡し、治安業務に係る準備状況について尋ねたところ、職員は次のように答えた。

 「私たちは、こうした問題に回答する責任を負っていません」。

 中国メディアは、同日、貴州瓮安県で6月28日に発生した大規模デモ事件の後、当県の政法委書記と公安局長が免職となったことを報じた。瓮安県の抗議事件は、ある農家が、河の中から自分の娘の遺体を発見したことを契機に発生したもので、政府側はこの少女が水に飛び込んで自殺したものと述べたが、多くの民衆は、政府官員の親類による強姦致死だと確信した。中国政府系メディアの報道によると、瓮安県の民衆約3万人がデモ抗議に参加し、当地警察局と衝突して車両に火を放ったほか、150人もの警官、民衆が負傷した。政府による第三回目の検死結果の報告はやはり溺死だった。貴州の時事評論家である曽寧によると、当地民衆の感情は、既に平静化を余儀なくされたという。

 「民衆の感情は、強制的に抑えられたのであり、民衆が満足のいく回答を得て納得したわけではないと思います」。

 「反テロ専門家」と称される中国公安部党委副書記、常務副部長・楊煥寧は、先日、現在の中国において、各種の社会矛盾及び衝突が顕著に増加していることを認めた。彼は、各地に対し、民衆による省都や北京への直訴を極力減少させるとともに、問題を隠蔽し、責任逃れをしないよう求めた。公安部は、北京、天津、遼寧、山東等オリンピック競技が開催される地区に対し、現在から9月中旬まで、公安局長が直訴者に対して門戸を開いてこれを受け入れ、新たな直訴問題の発生を防止するよう求めた。曽寧は、瓮安デモ事件に対する政府の対処方法が、過去の事件と異なっていることに注目している。

 「過去において政府が類似の事件を処理した際、基本的には、責任を完全に民衆に押し付けており、政府は、何の責任も負っていませんでした。しかし、今回、政府は自らに相応の責任があることを認め、一部の責任者を処罰しました。この変化は、胡錦濤が、省委書記に対し、なぜ一つの小さな刑事事案が、党政機関に突撃するような集団性の事件に発展したのかを問い詰めたことによります。しかし、一方で、過去の群衆事件の処理方法を相変わらず使用しています。すなわち、真相が分からない民衆が、悪意を持った闇の勢力、敵対勢力に利用されたという説明です」。

 「かりに、和諧社会、安定、オリンピックを構築する基礎として、中国政府が必ず人権を侵害しなければならないならば、また、直訴者や弱者グループに対して弾圧、迫害を加えなければならないならば、このような和諧社会、安定、オリンピックは譴責されてしかるべきです」。

 中国政府は、オリンピックを政治化しないことを改めて呼びかけているが、中国について長期に存在している人権侵犯のイメージから、中国国内の民間人士がオリンピックの開催について異なる考えを持っているほか、国際的にも、一部の国家の政府、組織がボイコットの声を上げている。特に、3月において北京がチベット地区の騒乱事件を鎮圧した後、各国の指導者が北京オリンピックの開幕式に参加するか否かが敏感な問題となった。ワシントンから伝えられ情報として、米国のブッシュ大統領が、オリンピックの開幕式に参加することを決定した。この件について、AP通信記者のマーク・スミス氏は、次のように述べている。

 「他国の指導者は、おそらくオリンピックをボイコットするという脅しをかけることで、中国の人権状況及びチベット問題の処理方法に対して抗議を行うでしょう。ホワイトハウスはこれまで、この問題に対する態度が未定でしたが、現在公表したブッシュ大統領の日程表から、彼が北京オリンピックに参加することが明らかとなりました。しかし、ホワイトハウスのスポークスマンによると、ブッシュが北京に行くのは、一人のスポーツファンとしてであり、また、米国チームを応援するためであり、ブッシュは、中国官員との面会において、中国の人権問題やその他の問題について言及するでしょう」。

 オリンピック前後において更なる民衆のデモ事件が発生するか否かについて曽寧は、次のように語っている。

 「中国政府が社会の統制を強化するに従い、民衆の間に既に存在していた不満感情が、こうした圧力に反発する反応が出現しています。このため、一部の群集性事件が、再度大規模の形式をとって発生する可能性は排除できません。また、規模が大きくなくとも、個人の形式で、極端な方式をとる事案が発生する可能性が増加するでしょう。上海において発生した警官襲撃事件がその例です」。

 
(翻訳・飛燕)


 (08/07/08 07:40)  





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