THE EPOCH TIMES

中国人権弁護士高智晟、釈放か 消えぬ疑惑

2010年03月31日 07時50分
 【大紀元日本3月31日】中国で人権擁護に取り組み、共産党政権に果敢に立ち向かってきた高智晟弁護士が、これまで考えられていた牢獄生活ではなく、仏教の聖地で休養しているという話が伝わっている。

 通信社へ電話

 28日、ロイター通信などの海外メディアへの通話で、高智晟弁護士は、仏教聖地の山西省五台山におり、健康で自由な生活をしているという報告があった。「しばらく静かに休養してから、家族に会いたい」と語った。米国に亡命した妻子との連絡はまだ取れておらず、会いたいと話し、また、国内外の支援者に対する感謝の気持ちも伝えた。そして、これ以上の質問には答えられないと語った。

 北京の人権派弁護士・江天勇氏、李和平氏と人権活動家・候文卓氏が高氏と電話で話した。李氏は、「声から聞くと高氏本人だと間違いない。しかし、本当に五台山にいるかどうか判断できない」と指摘した。高氏に自由があるということは疑わしいとし、「まず電話口で、早く切りたいという様子だった。友人が周りにいると語っていたが、見張りが彼の発言をコントロールしていたのは定かだ。次に、彼を訪ねることを提案したが、実際の居所を言いたがらなかった」と様子を説明し、高氏の安否を危惧している。

 候文卓氏は「当局は外界の圧力を感じ、高氏が外部と連絡することを許可した」と分析している。

 高智晟弁護士、失踪のいきさつ

 高氏は、中国共産党当局に全面的に弾圧され続けている、心身を養う修錬法である「法輪功」学習者などの弁護活動を行っていた。警察や公安部門による「法輪功」学習者への拷問・虐殺などの証拠を収集し、2005年、胡錦濤国家主席あてに「法治の徹底」を求める公開書簡を送った。2006年末に国家政権転覆扇動罪で懲役3年、執行猶予5年の判決を受けた。

 2009年2月に当局に拘束され、行方不明となった。 妻と子供が米国に亡命してから1ヶ月後にあたり、中国共産党政権の手により50日間の拷問を2007年に受けたことを手紙に記し、公開した後のことだった。法輪功を擁護したことが護衛の「親方」の逆鱗に触れ、12種類の拷問を受けた。手紙には、生殖器に楊枝をあてがったり、感電させたり、目に火のついたタバコを付けるなどの拷問の様子が描写されている。

 当局が次々に出す声明

 今回の彼の居所と様子に関する情報は、中国政府がこれまで出している食い違いのみられる一連の声明としては、五つ目にあたる。

 一つ目は、昨年9月25日、公安官が高弁護士の弟に、散歩の途中で行方不明になったと伝えた。高弁護士の置かれている苛酷な状況を鑑みて、多くの論評者はこの表現を笑いものにしている。

 二つ目は、1月21日の記者会見での質問に対して、外務省の馬朝旭(マ・ジャオシュ)報道局長は、高弁護士が「法に従い対処されており、いるべきところにいる」と答えた。このあいまいな回答が注目されるところとなり、高氏の状況を見守る人々は、具体的な詳細を求めるようになった。

 そして、今年2月、サンフランシスコを拠点とする人権擁護グループである対話基金会は、高弁護士は中国最西の新疆省で働いており、家族と連絡をとっているとワシントンの中国大使館が伝えた旨を報告したが、高氏の妻は、夫からの連絡はないと噂を打ち消した。

 さらに、3月16日、英国のデビッド・ミリバンド外相との共同記者会見で、楊潔チ(ヤン・ジェチー)中国外相は、高弁護士は「国家転覆罪」で刑に服しているが、拷問はされていないと主張した。

 今回の五つ目の声明では、高弁護士は宣告を受けたが釈放されたとのこと。このような処遇になった理由は知らされていない。半年前に釈放され山岳地帯で過ごしてきたとのことだが、なぜ早期にこのニュースが発表されなかったのだろうか。

 拷問を緩和されるか早期に釈放されるため、実際の状況とは虚偽の証言を強要することは、毛沢東の時代から現在に至るまで、どの政治犯も共通して体験しており、収容所の追悼記にみられる事実だ。

 
(記者 マシュー・ロバートソン / 翻訳・鶴田 & YJ)


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